著者3名ともスポーツをテーマにした作品が有名だが、どの話もグイグイ引き込まれた。読み終えたあと「この先をもっと読みたい」と少し残念な気持ちになった。
三浦しをんがニューヨーク、あさのあつこが東京、近藤史恵がパリ。マラソンを舞台にそれぞれの主人公が人生と向き合い、再び走り出す、読後感の爽やかなアンソロジーだ。
3作品の中でどれが一番好き?と聞かれればたぶん最後の「金色の風」(近藤史恵さん)だが、それはたぶんパリの街のリアリティが実感できて身近に感じたから*1だと思う。
しかしまあ、なぜ小説家はこんなにリアルに書けるのだろう。いつも感嘆する。たまには小説もいいかな、と思う。
読むと走りたくなる本です。しばらく物語の世界に浸りたい人はぜひどうぞ。
*1:昔旅行で行っただけで、もちろん住んだことはありません