毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

手帳=出世魚?☆☆

著者はノートなどを作っている老舗・マルマンの人気シリーズ「ニーモシネ」を作った人だそうだ*1
私が興味を持ったのは、「手帳は1冊にまとめる」というのが基本中の基本、と言われているのになぜわざわざ「2冊持ちなさい」と断言できるのか。どうやって使い分けるのだろう、と思って読んでみた。

著者は手帳を作る側の人だ。そのため、手帳に求められることは何かを常に考えていたそうだ。何が必要なのかを知るためにあえて手帳を使わず、ノートだけで過ごした時期も。それだけに、他の手帳術とは違う着眼点が面白かった。

著者のいう手帳を使う目的、それは「仕事を俯瞰できるようになること」。高いところから全体を見る力を身につける、そのために手帳をどう使えばいいのか。そのヒントが書かれている。


1日8時間だけを管理すればいい人はデイリータイプの手帳を使う。1週40時間を管理しなければならなくなったらウィークリータイプ。そして、人の時間まで管理する必要が出てきた時(=プロジェクトを管理する)には新たにマンスリータイプを持つ――これが著者の示すひとつのやり方だ。これを読んで、「出世魚みたいだな」と思った。

もちろん仕事の内容によっても違うが、求められる仕事のレベルと手帳の種類は連動しているという。だから私はマンスリーとデイリーしかないフランクリン・プランナー*2だけでは対応できない面があり、わざわざエクセルで簡易ウィークリーを作って俯瞰しているのか、と納得した。


今使っている手帳で管理できなくなったらひとつ先の手帳に移るが、この時どの機能を手帳外にするかを考える、というのも斬新だった。メモの部分を別にノートにしたり、ToDoリストを携帯で管理したり、などの工夫をすればいいそうだ。どの機能を手帳からはずすかはその人によって最適解が違う。この「手帳+α」の部分も“2冊”にあたるというわけだ。


細かい手帳の使い方を書いてあるわけではないので拍子抜けするかもしれないが、ノウハウというよりも仕事をどう捉え、手帳に何の役割を求めるのか、という根本的な部分を追求している本だと思う。まずはデイリータイプから、という人が一番の読者だと思うが、それ以上のレベルの人も、今の自分のやり方でいいのか見つめ直すきっかけにいい本だと思う。
個人的には、苦手な“時間の見積もり”を鍛える方法がくわしく説明されていて、とても役に立った。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ*3

実際にかかった時間と理由を書き込む(P58)

もし、2時間を予定していた業務が2時間半になってしまったら、その事実を手帳に書いておくべきです。
できれば「なぜ、予定より長くなってしまったのか」という理由をちょっとでも書き添えておくと、次にスケジューリングする際の助けになります。
(中略)
作業を終えた時に「かかった時間」と「時間通りに終わらなかった理由」をちょっと書いておくくらいなら1分でできます。
その1分を惜しまなければ、次回に「仕事のボリューム」を見誤る可能性は低くなります。

「業務に対する時間の意識」を高める(P60)

あらかじめ「今日やることリスト」の各項目の横に「予定時間」を書いておくのです。
そして、その業務を終えた時、予定通りの時間ならその数字に○をつければいいでしょうし、予定とは違う時間がかかった場合には、その数字を赤ペンなどで修正します。

ウィークリー=「40時間をマネジメントする」(P67)

…それほどたくさんの要素を同時に考えるからこそ、デイリータイプの「8時間をマネジメントする機能」ではなく、ウィークリータイプの「40時間をマネジメントする機能」が必要となってくるわけです。
そして、そのマネジメントの中には「自分が作業をするために空けておく時間」(できれば、ベストな環境を確保できる時間)という要素を絶対に入れておかなければなりません。

「うまくいかなかった部分」はヒント(P103)

特に「うまくいかなかった部分」には、あなたが時間管理の達人になるためのヒントが隠されています。その失敗部分に注目しながら、改善を続けていくと、少しずつ時間管理がうまくなっていくはずです。
「今日やることリスト」がすべて終わったかどうかを確認したら、ぜひとも「仕事のボリューム」と「業務と時間の組み合わせ」についても振り返ってください。
仕事のボリュームについて…予想と現実ではどのくらいの差があったか。
業務と時間の組み合わせについて…それぞれの業務に適した時間をうまく使うことができたか。

*1:「ニーモシネ」シリーズについてはこちらの記事にくわしく紹介されています。著者の写真も出ていますよ
誠 Biz.ID マルマンフェア2008「ビジネスシーンに特化したノート『ニーモシネ』誕生の秘密

*2:マンスリー+ウィークリーというタイプもありますが、タスクリストが小さすぎるので私は使っていません

*3:ほぼ“デイリー”に関する内容になっています