※『一生折れない自信のつくり方 実践編』も出ています。
ビジネスブックマラソンでかなり前に紹介されていた本。未だに自分に自信がない私、「“一生折れない自信”って何?どうやって作るの?」と興味があった。図書館で予約したらずいぶん時間がかかってしまったが、コツコツと自信を大きくしていく方法がわかる素晴らしい本だった。
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら
著者の青木仁志さんは17歳で高校を中退、見習い工からキャリアをスタートした人だ。その後、完全歩合制のセールスとしてトップにのぼりつめ、現在は人材教育コンサルティング会社社長として多くのセミナーなどを開かれているそうだ。
この経歴だけを見ればバリバリの叩き上げ、押しの強そうな印象を受けるが、文章はとても読みやすく押しつけられている感じもない。
内容はどちらかといえば初心者向けだと思うが、これにしっかり取り組めれば、少しずつ自信を作っていけると感じた。
同じことを表現も変えて何度も書いてあるし、ごくごくオーソドックスなことが多いので、すぐ読める。だが、ところどころに突き刺さる言葉がある。私の場合は、「高すぎる目標は自己イメージを下げる」という言葉が響いた。完璧主義は愚かだ、とまで書いてあった。
もうひとつ、「簡単に手に入る自信は長持ちしない」というのも耳が痛かった。セミナーなどでセルフイメージを上げることに注力してきたが、昨年ちょっとしたことがきっかけであっという間に元に戻ってしまったのだ。コツコツ積み上げるしかないのね、と納得できた。
やはりそこは努力して勝ち取ってきた人なので、厳しい言葉も中にはある。だが、自信を大きくしていく方法は決してむずかしくない。自分に自信が持てない人は必読の本です。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
小さな達成を積み上げるコツは(P6)
今の自分にできることから取り組むことです。
最初から高い目標を掲げてはいけません。高すぎる理想は、自信形成において逆効果になります。理想と現実のギャップに苦しみ、結果的に自信を喪失しかねないからです。
自信の大きさは思考が現実化した回数に比例する(P6)
つまり、頭で描いている目標を達成した回数が、そのままあなたの自信につながります。
だから、現実の延長線上に理想を置いて、達成するたびに少しずつ理想のレベルを引き上げていきましょう。これが挫折せずに自信をつける秘訣です。
何事も自然体が一番。決して無理をしない。肩肘を張らない。自分のレベルに合った目標を、自分のペースで確実に達成していくのです。
ナポレオン・ヒル『成功哲学』のことば(P26)
そこには、こう書かれていました。
「成功する前に成功したかのように取り組みなさい」
私はすぐに実践しました。
まず毎朝、鏡に向かって、
「お前は、セールスの天才だ!」
(中略)
と自分自身に暗示をかけました。
それと同時に、常に「トップセールスマンだったらどのようにふるまうか」を念頭においてセールス活動に励みました。
気づけば入社から1年でセールスの成績はトップになっていました。
(中略)
私はトップセールスマンになる前からトップセールスマンになっていたのです。暗示の力を使って「もっとできる」と思える自己イメージ、つまり「トップセールスマンである私」を作り出し、セールス活動に積極的に取り組みました。そして最終的には、理想と現実を合致させることができました。
これこそ、最高の成功体験です。
自信がある人の共通点チェックリスト(P30)
□数々の突破体験・成功体験をしてきている
□自分が好き
□高い自己イメージを持っている
□自立している
□責任感が強い。当事者意識が強い
□何事もポジティブに考える。前向きな思考・解釈をする
□よい習慣を持っている
□目的・目標を持ち、毎日を一生懸命に生きている
□自分がコントロールできることに焦点を当て物事に取り組んでいる
□「逆境は最大のチャンス」と思える
□よい知識・情報を吸収するように努めている
□人との出会いを求めている
□自分だけの居場所を持っている。誰にも負けない得意分野がある
□他者への感謝を忘れない
自己信頼感が高まる瞬間(P43)
左手に求める「理想」があり、右手に「現実」があるとします。この両者が手のひらをパチンと合わせたようにピッタリと合致する。すると人は、理想が現実になった快適を味わいます。この時、その人の自己信頼感は高まり、自信が形成されます。
自分を信じる心は体験からしか養われない(P56)
自己訓練とは、自分の選択に責任を持つ環境下で経験を重ねることです。
自己訓練を通じて味わう「苦痛」は、自信や自己イメージのエネルギーになります。苦痛を自分の力で乗り越えることで、自己信頼感が高まるからです。
(中略)
自分を信じる心は体験からしか養われません。苦痛を乗り越え、自分自身への信頼感を高めることができれば、結果として物心共に豊かな人生が実現します。
成功の秘訣はシンプル(P58)
自分の実力よりも少しだけ上の目標を設定し、実行する。自分で決めたことを確実に達成していけば自信になります。
重要なのは、あなたの選択を変えることです。気質は変えられなくとも、考え方と行為は変えられる。あなたに自信がなくても、すでに成功している人たちが数多くいます。彼らと同じように考え、行動すれば、あなたの自己イメージは高まり、それが大きな自信へとつながっていきます。
イソップ童話「ウサギとカメ」のウサギはなぜ負けてしまったのか?(P62)
ウサギは、カメと自分を比べて自分の能力に慢心してしまった。ところが、カメは自分のゴールだけをずっと見続けた。だから、カメは勝つことができた。
もし、周りの優秀な人を見て落ち込みそうになった時は、ウサギではなくカメの生き方を思い出してみてください。
今のあなたに必要なのは「勝つ」ことではなく「強くなる」ことです。
自分がコントロールできることにのみ焦点を合わせる(P75)
コントロールできないことに焦点を合わせてしまうと、近い将来、自分の力では越えることのできない大きな壁にぶち当たり、結果的に、自己イメージを下げることになってしまいます。
目標達成を目指す時には、コントロールできること、できないことを区別する。
これが確実に達成を積み上げるコツです。
1日の過ごし方(P92)
1日の始まりに、自分の目的や目標を確認して、それを達成するための具体的な行動計画を立てます。そして、その日の終わりに、自分の思考を現実化できていると思えれば自信がついていきます。逆に描いたプランと乖離があればあるほど自信が失われていくでしょう。
日々の生活習慣で「自信がつく」「つかない」が分かれます。
簡単に手に入る自信は長持ちしない(P95)
小さな成功をコツコツ積み上げた大きな自信は、そう簡単には折れません。手に入れるまでに時間はかかりますが、その分、堅固で確実な「一生折れない自信」となるでしょう。
トニー・ゴードン『保険の神様が教える最強営業メソッド』より(P100)
「本当に並外れた人など、この業界にはいません。並外れた夢を見て、並外れた業績に向けて自分自身を律することができる、普通の人々がいるだけです」
自分ができることに没頭し、誰でもできることを、誰よりも熱心にやった結果、普通の人ではとうてい手に入らない成功を手にすることができたのではないでしょうか。これこそが自信を育む最大のコツであり、成功の秘訣です。
やるべきことをやる(P109)
常に「目的や目標の達成」を意識して、「やりたい、やりたくない」という基準ではなく、「やるべきことをやる」というトレーニングを重ねましょう。
最初は嫌で嫌でたまらないかもしれません。しかし、嫌なことほどやり遂げたあとには必ず達成感を味わうことができます。すると、それが心の栄養となって、「やった!」「できた!」という自信が生まれます。
苦手なことでも、嫌なことでも、逃げ出さずに、目的や目標に立ち返ってやり遂げる。そして、そのレベルを少しずつ上げていくのです。それがいつしか大きな自信になります。
「目的・目標を達成するためにやるべきかどうか」という視点で見る(P109)
肝心なのは、「好きなこと、嫌いなこと」という観点で物事をとらえるのではなく、「目的・目標を達成するためにやるべきかどうか」という視点で見ることです。
自分の願望を達成するために避けては通れない「やるべきこと」という意味付けをしてみましょう。
“今日1日限り”の自信を保つ(P113)
1日の質を追求すると共に、1日の自信を保つことも大きな自信を作るためには大切です。ビジネスパーソンであれば、次の4つの自信を1日でかまいませんから、しっかりと持ち続けて過ごしてみてください。
会社に対する自信
職業に対する自信
商品に対する自信
自分に対する自信
今日という1日、これら4つの自信をしっかり保てれば大成功です。今日できたら、明日もできます。次の日も、4つの自信をしっかりと自分の心に抱いて、精一杯過ごしてみてください。
これを繰り返すことで、小さな自信がだんだんと蓄積され、大きな自信につながります。もちろん成果も出始めることでしょう。
「訓練」と「罰」は違う(P122)
訓練とは、あくまでも自分から求めて行うもの。だから、自己評価が高まり、自信がつきます。新聞配達でいえば、配達時間に遅れるようなことがあれば仕事を失いかねません。「絶対に遅刻できない」という内発的な動機が生まれ、それが達成できた時に、自己評価が高まります。
ところが、誰かに課せられた場合は逆です。人は「やらされ感」の中で失敗すると落ち込みます。自分の意志で決めて、自分で自分に課題を与える。これによって初めて、人は自信を形成することができるのです。
パターン化のメリット(P123)
「シンプル・イズ・ベスト」という言葉がありますが、パターン化することで毎日の生活を複雑にしなくてすむという大きなメリットがあります。あれこれ考えなくてよいので、最高の状態で1日を始めることができるのです。
朝に限らず、徹底的にパターン化した生活を送るようにしています。
(中略)
これは、リズムを大事にしているからです。リズムは自分を守ってくれます。
人間には、強い部分と弱い部分が同居しています。
時に自分の弱さは人生の障害になることがあります。だから、パターン化し、リズムを大切にすることで、自分の弱さから自分を守るようにしているのです。
継続の極意は「願望」に焦点を当てること(P126)
継続の極意は習慣化。習慣化できれば大きな自信が持てる。
(中略)
願望は強い。意志は弱い。意志では、こうしたいという快適感情に負けてしまいます。続ける努力をするのではなく、「願望」や「夢」にフォーカスすることが大切です。「自分はどうなりたいか」という理想の姿に焦点を当てて、行動してみてください。願望にフォーカスし続けることができれば、人は変われます。
願望達成をする時にはプラスの動機付けをする(P127)
あなたが毎日吸うタバコの本数を減らし、最終的には禁煙を目指すとしましょう。
そこで、毎日の達成度をタバコの本数で表すことにしました。
1.その日に“吸ったタバコ”の本数を記録する
2.その日に“吸わなかったタバコ”の本数を記録する
1と2では、どちらがタバコの本数を減らせる可能性が高いと思いますか?
答は2です。
1の場合は、1本吸うごとに「また吸ってしまった」と自責の念に駆られ、マイナスの動機付けが行われます。
2は我慢するたびに、「やった、また昨日より1本多く我慢できた。ひょっとして、このまま禁煙できるんじゃないか」という小さな達成感を何度も味わうことができ、それがプラスの動機付けとなります。よって、モチベーションを落とすことなく、長く続けられるのです。
うまく行かない時は、原則から外れています(P131)
よいものに出会わない限り、人は変われません(P135)
つまり、「本物」を知ると自分の中の基準が変わります。上質に触れることで、あなたの中により高い基準や願望が生まれるのです。
基準や願望が高まれば、それだけ良質な人生を送れるようになるのは、言うまでもないでしょう。
人生に正解はありません。その時々で自分が正しいと思う生き方を選び、1日1日を精一杯生きるしかありません。
引力の法則(P140)
人間は生きる磁石。あなたの魅力が周りの人間を引きつける。
あなたの考え方、態度、言葉、価値観などが人格を作り、その人格が信用を生み出し、その信用が質の高い仕事を生み出す。私は、これを「引力の法則」と読んでいます。
強い引力を持つためには、目的・目標を持って日々小さな成功を重ねていくことです。つまり自信をつければ引力はどんどん強まっていきます。
目的と目標の違い(目標は目的のためにある)(P142)
目標とは、自分が望んでいる理想の状態のこと。何をいつまでに実現したいかという未来の出来事です。目的を遂げるためには必ず到達しなければならない通過点とも言えます。
そして目的とは、目標の先にある自分のがんばる理由。生きる意味であり、生きがいであり、自分が一番大切にしたい理想のイメージです。自分は何のために生きていくのかという自己の存在理由であり、存在価値です。
選択理論心理学でいう5つの基本的欲求(P143)
1.健康……心身共に健康で生きようとする欲求
2.愛と所属……愛し合いされる人間関係を築きたいという欲求
3.力……自分の価値を認められたいという欲求
4.自由……精神的、経済的な自由を得たいという欲求
5.楽しみ……主体的に何かを楽しんでやりたいという欲求
これら5つの基本的欲求が満たされると、人はしあわせを感じ、心が安定します。人生の目的・目標を決める際には、それぞれの欲求がうまく満たされるように設定しましょう。
「見直しタイム」を設定する(P155)
計画にある程度の余裕を持たせることも必要です。いつも予定通りにうまく行くとは限りません。だから、あらかじめ週の半ばや週末に「計画を見直すための時間・調整するための時間」を設けておき、不測の事態に備えましょう。
こうした「見直しタイム」は、精神的な余裕を生み出し、「今日やるべきこと」に集中できるようになります。
あるトップセールスマンの例(P156)
1週間を「月・火」「水」「木・金」の3つに分け、前半と後半は営業活動に専念し、中盤の水曜日は一切アポイントは入れずに営業結果のまとめや整理、後半の営業戦略の練り直しなどに当てているそうです。
高すぎる目標は自己イメージを下げる(P156)
最初から完璧を求めない。高すぎる目標を設定しない。目標達成を目指す際は、まず、自分がコントロールできる領域から取り組んでみましょう。
(中略)
しかし、最初から高すぎる目標を立て、自分でストレスをため込んでいる人が数多くいます。本人は気づいていないのかもしれませんが、高すぎる目標が理想の人生と現実に大きなギャップを生み出しているのです。
人は、「理想に近づいている」と思える時に自己イメージが上がります。しかしギャップを見て、「自分は到底理想のレベルに及ばない。いくら求めても無理」と思った時、自己イメージは一気に下がります。他者評価ではなく、自己評価で自信を下げてしまうのです。こうなると理想の人生からどんどん外れていってしまいます。
(中略)
高い目標を立てて、それに向かってがむしゃらに突き進むことができるのは、成功体験がある人だけです。最初から、そうした人を真似ても成果は期待できません。
まず成功パターンを作ることに注力する。
そうすれば自信を形成することができます。