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著者の定義によれば
ファンクショナル・アプローチとは、「なんだ、そんなところで悩んでいたのか」「そうすると、こんなやり方でもいいかもしれない」といったことに気づくことができる思考法です。
(中略)
ファンクショナル・アプローチでは、問題となっているモノゴトからあえて離れ、本質となるファンクションを意識します。ファンクションを足がかりに思考することで、問題をより解決しやすくしていくのです。
そのために、「すべてのモノゴトには、ファンクション(役割、効用、はたらき、意図など)がある」「人はカタチでは満足しない。ファンクションで満足する」と考えていきます(P4)。
だそうだ。
そして、この本では家電などの身近なものから道路や河川工事などの大きなもの*1までたくさんの例を挙げ、ファンクショナル・アプローチとはどういった考え方なのかがわかるようになっている。
個人的にはウォークマンの例がわかやすかった。人はウォークマンに何を求めていたのか、それはカタチではなくファンクションだったのだ、ということが理解できる。それがわかれば、なぜヒット商品を模倣した後発モデルが売れないのかも理解できる。求められたファンクションを理解せずにカタチだけを真似ても、本質的な部分が違っているからだ。
確かに、このものの見方や考え方が身につけば、表面的ではなくものごとの本質的な部分がわかるので、創造的な問題解決や発展が可能になる。
ただ、残念なのはこの本だけで実際にファンクショナル・アプローチはできないこと。入門なのでしかたがないのかもしれないが、“書かれているのを読めばなるほどと思うが、どうすればこういう考え方ができるのか、整理できるのかわからない”というジレンマがあった。
本格的に取り組みたい人は先に出ている『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』を読んだ方がよさそうだ。
より深くものごとをとらえたい人にはおすすめです。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
FASTダイアグラム*2を作る時には(P158)
あるファンクションに対して、「それは何のためか」という問いかけをしていきます。
たとえば、「《勉強を繰り返す》のは何のためか」と問いかけます。そのファンクションは、何かを達成するための手段ととらえるのです。そしてその答、「《知識と技術を身につける》ため」というものを得ます。それが、目的になるのです。
さらに「《知識と技術を身につける》のは何のためか」と問いかけ、「《スキルを高める》ため」という答を得ます。このくり返しにより作成していきます。
ファンクショナルにとらえるための質問(P182)
「誰のため、何のためか」
「本当にその手段しかないのだろうか」
「そもそも何を目指しているのだろうか」
「どのような結果が得られればいいのか」