毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

病気にならない食事のポイント5☆☆☆

粗食のすすめ*1が一世を風靡した幕内秀夫さんの昨年出版された本。“1食100円”というのが目を引いて手に取った。具体的でわかりやすく、面白い本だった。


朝から和食というと面倒だ、というイメージがあるが、幕内さんのすすめる和食は大変なこと一切なし。これならできる、という実用的なものばかりだ。

さらに、朝食の主食がパンの場合とごはんの場合の値段を比較してあるのだが、圧倒的にごはんの方が安上がり。いくつか例が載っているが、確かに100円程度で1食食べられる。最もわかりやすいのは、標準的なお米10キロの価格が3000円ほどだが、菓子パンは20個しか買えない、という話。パンが贅沢品とは思ったことがなかったが、確かにお米の方が安価だ。
しかも、パン食だと自然に油や乳製品、糖分を摂ることになり、健康の面でもごはんの方がよいことになる。健康面はもちろんだが、今のご時世少しでも食費を抑えたい、という人にも朗報ではないだろうか。


「病気にならない食事」のポイント5つは次の通り。

1.1日2食をごはんにする。
2.常備菜をいくつか揃えておく(=おかずを作る手間が省ける)
3.パックのごはん、液みそなど便利なものも利用する
4.添加物に注意すればスーパーやコンビニの加工品も活用できる
5.「マイルド・ドラッグ」食品を減らす


やはり基本はごはん+みそ汁+副食(野菜、海草、豆、魚)。副食として摂りたい食材は、たとえばみそ汁のだしをいりこやかつお節で取り、豆腐とわかめを入れて漬物を添えるなどすればすべてカバーできるので、それほどむずかしくない。海苔や納豆でもいいし、さらに雑穀ごはんにすればおかずを減らしてもいいそうだ。そう考えれば、朝からハムエッグを作るより楽かもしれない。


この本で最も耳が痛いのは5の「マイルド・ドラッグ」だろう。前著でニコチン、カフェイン、アルコールは「ソフト・ドラッグ」と書かれていたが、実は「マイルド・ドラッグ」なるものもあるそうだ。精製された砂糖、精製された塩、精製された油脂(食用油)、精製されたうまみ調味料、このひとつだけでも強い嗜好性があるが、これが重なると依存性や常習性がどんどん増大するという。この4つのうち3つ以上が重なったものを幕内さんは「マイルド・ドラッグ」と呼んでいる。

その最もわかりやすい例がスナック菓子。また、ケーキやチョコレートもマイルド・ドラッグの仲間らしい。3食きちんと食べた上で間食するならそれほど問題はないが、最近はお菓子を食事代わりに摂る人が増えているから問題も大きくなっているようだ。


実は、この本では「粗食」という言葉は(前に出された)書名以外出てこない。特別なものではなく、ふだんの食事を見直す、というコンセプトだからだろうか。食事で不健康にならないために何を食べ、何を食べないかの選び方がわかる本。病気にならないために必読です。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

常備食は、ごはんの最高の援軍(P96)

ごはんをしっかり食べてエネルギー源にするには、ごはんをおいしくするために開発されてきた常備食だけの方が食が進み、料理の手間も省け、お金もかかりません。
とりあえず、ごはんとみそ汁を作り、それを補うものとして常備食をいくつか揃えておけば、朝・昼・晩の食事はこと足ります。「夕飯はこれだけではもの足りない」と思うなら、そこに1品か2品、野菜料理や魚料理をつければ充分です。

地方の常備食を味わう楽しみ(P102)

…行った先々で常備食を買ってくるといいでしょう。
(中略)
その土地の産物で作り、その土地の人々が“ごはんの友”としてずっと食べ続けてきた常備食は、食品の中で最も歴史あるものなので、非常に興味をそそられます。
しかも、常備食は安くて軽くて小さくて、冷凍しなくてもいい。お土産には最適です。

液みそ》を活用してもいい(P112)

最近登場した《液みそ》(マルコメ)という商品は、お椀かコーヒーカップにお湯を入れ、そこに少したらすだけで、すぐにさっと溶けます。
インスタントみそ汁と違って具は入っていませんが、乾燥わかめでも入れれば、それでみそ汁のできあがり。
(中略)
基本食であるみそ汁には、できる限りお金も手間もかけたいのですが、それよりもまず、みそ汁を毎日飲むことの方が大事です。

「ヘルシー」をうたうものには手を出すな(P150)

「ヘルシーは金だけ減るしー。効果はないけど高価です」と覚えておきましょう。

乾物を利用すると食費は安く上がる(P152)

切り干し大根、割り干し大根、干ししいたけ、高野豆腐などの乾物は、必要な分だけ使えるのでムダがなく、非常に利用価値がある食品です。

おやつは酒のつまみ売場で選ぶ(P157)

酒のつまみ売場にはあの忌々しい「ヘルシー」という文字はありません。ところが、結果的には健康にマイナスにならないものが、けっこう多いのです。
塩豆、炒り豆、柿の種、カシューナッツ、片口いわしなどの小魚、するめ、落花生など、元の形のわかるものは、酒のつまみコーナーにあります。スナック菓子よりも、こちらの方がよほどいい。しかも、子どもはこういうものを一度にたくさんは食べられないので、スナック菓子のように平気で一袋食べてしまったりする心配もありません。

朝・昼・晩の食事は連動している(P191)

朝食が菓子パンだと、すぐにお腹が空いてしまうので、昼は重たいものが食べたくなります。すると18〜19時の夕食時に空腹にならず、夜遅くに飲みながらドカ食いすることになってしまいます。
朝が和定食系なら腹持ちがいいので、昼はそばかうどん、あるいは刺身定食か焼き魚定食ですみます。そうすれば、夕飯どきにきちんと食事をとることができます。
朝・昼・晩の食事は連動しており、特に朝食に何を食べるかで1日の食事が決定されてしまうことを、ぜひ覚えておきましょう。

店の質の見極め方(P201)

第1のカギになるのは、煮物、和え物、おひたしなどの野菜料理が何品あるかです。
肉や魚の料理はマヨケソ(=マヨネーズ、ソース、ケチャップ)でいかようにもごまかせますが、野菜の煮物やおひたしは、素材が悪ければどう料理してもおいしくなりません。
(中略)
第2のカギは「本日のおすすめ」のボードです。これがない店は、1年365日、メニューがまったく変わりばえしないわけですから、ほとんど期待できません。
(中略)
「本日のおすすめ」ボードのうち、
1.揚げ物とマヨケソ系のつまみが何品あるか
2.野菜を使った料理が何品あるか
3.季節感のある料理(旬の素材を使った料理)が何品あるか
油と砂糖を使っているものは、料理の名前を見れば大体わかります。ただし、うまみ調味料の有無は、メニューからではわかりませんが。
いずれにせよこのチェックによって、素材にお金をかけているかどうかはおおよそわかります。

*1:こちらは新版だそうです