この本を読んで思い出したエピソードがある。以前何かで読んだ「掃除が嫌いだから毎日掃除する」というある女性の話だ。「掃除は汚れてからやると時間も労力もかかって大変、だから毎日する」のだそうだ。毎日ちょこちょこやればすぐすむから。
この本に貫かれているのはこの姿勢だと思う。面倒くさがりだから、面倒が大きくならないうちに、小事のうちに手を打ってしまう。なので、ある意味ものすごくマメに見える。でもこれも、“最小の手間で最大の効果”=レバレッジなのだろう。
私がなるほど、と思った(あまり他で見ない)ポイントは5つ。
1.「目標」を作る
これは当たり前のようだが、海外旅行にたとえてあるところが新鮮だった。先に「行きたい場所」や「なりたい自分」を決めてしまえば、そのためにどうすればいいかはおのずとわかる、ということ。
2.「朝5分」に一番力を注ぐ
本田さんは毎朝5分で、その日1日の段取りを決めてしまうのだそうだ。そうすれば、1日をコントロールできる。決めてしまっておけば、極端な話あとは惰性でも動けるという。
3.先に調べておく
面倒なことになる前に、先に情報収集をすること。知らないところに行く時に何も調べないままだと必ず面倒なことになる。事前の面倒は自分でコントロールできるが、あとで起きる面倒はコントロール不能。だからしっかり調べ、できるだけ予約などもしてしまう。
4.時間割で動く
無意識にできるようにするためには、やらざるを得ない仕組みを作ってしまうのが一番いいという。それが「時間割」。時間割を決めてしまい、それに従って面倒なことも楽しいこともテンポよくこなす。そうすることで、習慣化できるようになるそうだ。
5.「やらないこと」リストを作る
これは本田さんの別の本でも読んだことがあるが、「やりたいこと」ではなく「やりたくないこと」*1をリストにしておくといいそうだ。時々このリストをチェックすれば、いつの間にかやりたくないことをやっていないか、自分の現在地を確認できる。
もうひとつ、読みながら思ったのは、年明けに紹介した『スイッチ!』のことだった。
象使い(=理性)と象(=感情)のたとえを使い、いかに象使いを疲れさせずに象をコントロールするかについて説かれていたが、本田さんがされていることはほぼすべて「いかに象を動かすか」の仕組み作りなのだと思う。そう思って読むと、とてもわかりやすい。
55のうち、人によって響くものはかなり違うと思う。あなたにとって使える仕組みが何か、ぜひ読んでみてください。
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*1:たとえば「営業をする」とか「締め切りに追われる」など。自分が譲れない価値観と考えるとわかりやすいです