毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

自分のリズムで生きて行くためのヒント☆☆☆

今日もていねいに。
松浦 弥太郎
PHP研究所(2008/12/11)
¥1,365
著者の松浦弥太郎さんは古書店経営者であり、エッセイを数多く書かれている。その上『暮しの手帖』という雑誌の編集長でもある。よく利用している通販化粧品の月刊誌に連載を持たれているので、「あの『暮しの手帖*1をリニューアルした人ってどんな人なんだろう?」と興味を持って読んでみた。ていねいに読みたくなるような本だった。


ふだん私がよく読んでいる、知的生産術とか効率UPとかハックといったものとは別の世界。でも、自分らしい生き方を大切にする文章は心地よく、すっとしみ込んでくる。

著者の“自分らしさ”なので、それはちょっと違うかも、と思うところもあるが、「自分がていねいに扱える数しかものを持たない」とか「つき合いが悪いと言われても人の集まるところにはなるべく行かない」など、昨日の『人生がときめく片づけの魔法』にも通じるところがたくさんあった。

結局、自分をよく知って自分が心地よいと感じる生き方をするのが一番健やかなのだと思う。世の流れが速すぎて目を回しそうな人や、受け取る情報が多すぎてつぶれそうな人にはぜひ読んでほしい本。ひと息つけます。
私のアクション:心地よいリズムを意識してみる


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

新鮮に生きて行く方法(P3)

目に見えない部分をういういしく保つ――これが新鮮に生きて行く方法だと僕は思います。「成長しなくてもいいけれど、いつも新しくありたい」と願うのです。

毎日が「自分プロジェクト」(P14)

自分プロジェクトとは、誰かに「やれ」、と言われたことではありません。
「これができたら、すてきだろうな、おもしろいだろうな、きっと新しい発見があるだろうな」
そういった小さなプロジェクトをいくつもこしらえ、あれこれやり方を工夫し、夢中になって挑戦し、順番にクリアしていくことです。
(中略)
どんな人も、何も考えず、流されながら暮らしていくのは、さびしいものです。
自分が何を目的として生きているかわからないのは、せつないものです。
そんな時、たくさんの「自分プロジェクト」をもっていれば、朝、起きる目的も見つかります。
(中略)
プロジェクトはメモにして、いつも目につくところにおきましょう。

きよらかという自信(P30)

一生懸命に磨き、整理整頓し、毎日掃除を続ける。これを守っていれば、ごくたまに小さな埃が見つかるとしても、よくある失敗ですみます。「ええっ、その棚は見られたくないな」という部分がまるでないだけで、堂々と振舞えます。
毎日の掃除で、きよらかさをつくりだせば、誰でも強くなれるのです。

できていないことを頭の片すみにとどめておく(P32)

どうやら人には、できなかったことを「なかったこと」にしてしまう心の作用があるようで、へたをすると、できなかったことを忘れる努力をしかねません。そこで「やりたいけれど、できていないんだ」と確認することが、かなめとなります。

心地よいリズムは人によって違う(P34)

僕にとって心地よいリズムは3拍子。すべては1・2・3、1・2・3の繰り返しで動いていきます。
1・2・3ときたらそのまま4・5・6と続くのではなく、次の1・2・3に取り掛かるといった具合。自分プロジェクトも仕事も3拍子で進めていきます。

段階を踏んでゴールを目指す(P36)

瞬間的に結果を出そうとせず、リズミカルに段階を踏んでゴールを目指しましょう。

まず自分がしあわせになる(P40)

「人に作って食べさせるのはがんばるけれど、ひとりならカップラーメンでもいい」
友人である料理人がこう言った時、僕は怒りました。自分の手料理を食べた人によろこびとしあわせを感じてほしいなら、まず自分がしあわせにならなければだめじゃないかと。「自分だけだから、まあいいか」と思ったとたん、おいしさもしあわせも逃げていきます。

常に清潔なたたずまいでいるためには(P43)

年を重ねても、経験を積んでも、ういういしさを忘れないこと。
間違ったことをしたら潔く謝り、失敗はちゃんと認め、決して嘘をつかず、いつも正直・親切を心がける。これが心の清潔を保つ方法です。

フェアとは、気持ちよく何かを判断するための基準になります(P76)

感情的になったら深呼吸(P83)

人の目がどうしても気になってしまう時、呼吸は浅くなっているはずです。よく考えれば、まあいいやと思えることに感情的になり、過剰反応してしまう時は深呼吸してみましょう。

素の自分に戻りたい時もある(P84)

裸んぼうの、何でもない自分になれるひとときがあれば、そこで自分を取り戻し、一息つけます。そこから真剣に人とかかわり、精一杯コミュニケーションに心を砕く力が生まれると思うのです。

「わからない箱」とは、自分をわかるための道具です(P90)

わからないことを、わからないと言う。
これは間違いなく、生きるための最良の知恵です。
(中略)
「わからない」と言うことで、学ぶチャンスが得られます。
(中略)
わからないことを表明すると同時に、ほうっておかないことも大切です。
(中略)
…そんな時、僕はわからないことを紙に書き、ピリッとちぎって机の中に置いた箱に入れます。
読み方がわからない漢字も、新聞を読んでいて、「みなし弁済って何だろう?」という疑問がわいた時も、その言葉をメモした紙を箱に入れます。
1カ月に一度くらい、仕事が一段落した時などに、おもむろに箱を開けます。
(中略)
パンドラの箱ならぬ「わからない箱」は、自分が何を知らないのか、苦手なジャンルを教えてくれます。

「お金がない」「時間がない」を口にしない(P116)

もし、ちらりとでもそう思ったら、「足りない病」にかなりかけていると、自分の状態を点検するきっかけにするといいでしょう。風邪を引いた時生活態度や食習慣を見直すがごとく、「足りない」と思ったら自己干渉しましょう。

選ぶ訓練(P132)

…これは大人になってからの財産になっています。僕はよく仕事が早いと言われますが、それは作業や書くことが早いのではなく、判断が早いためだと思うのです。
暮らしも仕事も、選択の連続です。誰かとランチに行くか行かないかでさえ、選ばないで保留にしていると、自分にも相手にも負担になります。イエスもノーも抱え込んだままひとりで考えていたら、心地よいリズムで生きるのはむずかしくなります。

したいこと・やるべきこと(P140)

何かをする時は、その行動はあなたにとって「したいこと」なのか「やるべきこと」なのか、きちんと認識した方がいいでしょう。
今、この瞬間の楽しみに生きるという刹那がいいのか、それとも本当になりたい自分に向かって生きていきたいのかによって、どちらを選ぶかは変わってきます。

*1:広告を一切載せない、商品テストをシビアに行うなど、知る人ぞ知る生活誌です。くわしくはWikipediaでどうぞ