毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

対面コミュニケーションの真髄☆☆

知らない人はほとんどいない、シャ乱Qのボーカルでプロデューサーのつんく♂さんの本。前著に引き続き、この本もビジネスブックマラソンで紹介されていたので読んでみた。
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら

「口説く」というと恋愛の手管のようだが、ここでいう「口説く」は異性に限らず説得や交渉、巻き込むといったニュアンスのことだ。つまり、人をその気にさせるコミュニケーション法と言えばいいだろうか。対象はさまざまで、買ってほしいお客さん、部下や上司、取引先、さらには自分まで。
さすがにプロデューサーとして活躍している著者だけあり、具体的で無駄がない。企画書の作り方やアマチュア時代のビラの撒き方などはさすが、と思った。

ただ、私にはコミュニケーション法よりも、目標の決め方や締め切り効果など本流とは違う部分が心に残った。メインの部分は、ご自身でも文中で触れているが『人生で大切なことは、すべて実家の乾物屋で学んだ』という本を書けばいいのに、というくらいこの本にも実家の乾物屋のエピソードが満載でやや食傷気味だったのと、関西の人間*1なら基本的にこの辺の感覚はわかっているからわざわざ言われなくても、と感じるからかもしれない。

それと、理由はよくわからないが、読んでいてイライラしてきた*2のは、突然しゃべり言葉が出てきたり全体に手をかけていない印象を持ったからだろうか。この辺が土井さん言うところの「編集が粗い」なのかもしれない。前著ではまったくそんな風に感じなかったので、残念。


人によって必要な部分、興味深く読める部分は違う本だと思う。でも、やっぱりコミュニケーションの苦手な人にまずすすめたい。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

任された時は絶対に迷わない(P26)

相手にだって正解のないものは、誰かが絶対的な信念を持っていれば絶対に口説けるのです。
(中略)
それが先輩演歌歌手であっても、宝塚歌劇団のトップスターであっても、僕が任されているのであれば、
「絶対に迷わない」
を心がけています。
誰かを口説きたいと思ったら、自分の信念をしっかり固めることが重要です。

具体的なポイントをハッキリさせる(P48)

おばちゃんたちにとって、「これを買ったらなぜ得するのか」という、具体的なポイントをハッキリさせることです。

いいタイトルはそれ自体が明確な企画書(P192)

映画なんかもヒットする映画はたいていタイトル自体が明確そうで面白そうで、行きたくなるもん。なので、人を口説く場合はなんせ短くポイントを絞り込んでわかりやすく!

締め切り命(P202)

たとえば、「今日、1曲書く」と決めたら、必ず1曲書き上げることにしています。その曲の出来栄えがどうであれ、とにかく1曲書き上げるのです。
その締め切りはクライアントが求める締め切りでなく、自分で決めた締め切りです。

続ければ力がつく(P204)

自分で締め切りを作ってそれを守るということを続けていくと、曲を仕上げるテクニックもどんどん上がってきます。
たとえ、その時はうまくまとまらなくても、「これはダメだ」と自分で気に入らなくても、あとで直せばいいのです。

2〜5年の短期的目標と長期的目標を併せ持つ(P209)

20歳の時点で、5年後に結婚しているのか、仕事でがんばりたいのか、はたまた、もう芸能界をやめて何か店でも経営しているのか、そういうイメージを描いておいてほしいのです。
そういう長期的ビジョンをもっていてくれれば、「この髪形は嫌だ」とか「この服は着たくない」とか、「このラジオの仕事はしたくない」といったどうでもいい悩みは消えていきます。

ヒントはすぐ近くにある(P217)

ひらめきたい時ほど、自分の近くを見渡してください。部屋の中、車の中、財布の中、スーパー、コンビニ、家族の持ちもの。
家族の会話。学校の帰り道、いつも乗る電車。飛び乗ったタクシー。はじめて行った場所。どんなところにヒントが隠されているかわかりません。

口説く・口説かれる=頼られる(P227)

口説くということは、相手を気持ちよくさせることであって、口説かれるということは、相手のよいところを思いっきり引っ張り出してあげるということだと思います。

*1:私は厳密な関西ネイティブではないので商品を値切ったり、店の人とやりとりすることに抵抗がありますが、それでも住んでいれば何となく身につきます

*2:時間をかけてじっくり読む本ではないと感じました