手に取るのがためらわれるような、ストレートなタイトル。実はこの本、日垣隆さんのお勧めなのだ*1。日垣さんが中谷彰宏さんの本?と思ったが、なかなか面白かった。
中谷さんによれば、この本は次の3人のために書かれたそうだ。
- あと一歩のところで、モテない男性。
- 知性で、モテるようになりたい男性。
- 知的な男性とつきあいたい女性。
残念ながら私はどれにも当てはまらないが、充分面白かったし、役に立つ本だと思う。
「読む」「書く」「話す」「知る」「モテる」という5つの技術について教えてくれるのだが、私には圧倒的に「書く」の章が面白かった。中谷さんの特徴的な本の書き方が垣間見えて楽しかったし、ブログを書き続けるコツもわかってありがたかった。
改行が多くてすぐ読めてしまうので*2中身がないように思われがちだが、ところどころハッとすることが書いてある。“勉強していないと、テンションが下がる”とか“質問の前置きが長い人は知性がない”など。好き嫌いがはっきりしているのも知性、ペース配分ができるのも知性。それも知性なんだ、と自分の考えている知性の枠が広げられたかもしれない。
もちろん、タイトル通りの成果を求める人にも役に立つ情報がたくさんある。といっても、
知性のない男は、ハウツー本やマニュアル本を読む。知性のある男は、ライフスタイルを教える本を読む(P34)。
とあるように、この本は後者だ。じっくり自分を磨きたい人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:ブログで全部書こうとしない
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
勉強すればテンションが上がる(P48)
テンションが下がってきたなと思ったら、勉強すれば絶対ハイになるのです。
あなたが最近ローテンションだと思うのは、勉強が少ないからです。
勉強して「ああ、そうか」と思うと、人間は必ずモチベーションが上がるのです。
うまい人のスピーチは手紙(P56)
大勢に語っているようで、実はひとりに向かって語っているのが最もすぐれたスピーチです。
それは相手が1000人でも1万人でも変わらないのです。
知性のあるメールは、パブリックとプライベートの組み合わせ(P57)
知性のあるメールは最初に結論があって、それにプラスアルファのひと言が添えてあります。
(中略)
まず、きわめて客観的な結論があります。
そして、プラスアルファのひと言はきわめて主観的な言葉です。
「読み」「書き」「話し」「聞く」の中では書くのを速くする(P58)
そうすれば、他のすべてが速くなるのです。
(中略)
誰かに何かを言われた時に、「なるほど」と聞きながらスパッと書くのです。
(中略)
聞きながら書ける人は、速く書く習慣のある人です。
正解は「メモをすぐとる習慣をつけましょう」(P62)
メモを取るのが速い人は、すべての行動が速くなります。
(中略)
聞いたことをリアルタイムにメモできる人は、行動も同時に起こるのです。
日記を書くコツは、いいカッコしようとしないこと(P64)
一番面白い日記は失敗談です。
(中略)
ネタを探すのではなく、あなたの体験を書くことです。
そうすれば、毎日日記を書き続けても途絶えることがないのです。
全部を書き切らなくてもいい(P84)
旅行に行っても、全部の場所を見なくてもいいのです。
(中略)
レストランでも、全部の料理を食べるわけにはいきません。
「これは今度にしよう」という心残りの部分をどこかに残しておくのです。
すべてを書ききろうという姿勢では、逆にひとつも書けなくなります。
15秒のコマーシャルですべてを言い切ろうとするのは不可能に近いのです。
話す時に「エー」と言わない(P96)
DJのしゃべりと、ふつうの人のしゃべりとで違うのは、「エー」が入ることです。
(中略)
「エー」をはさむと、歯切れが悪くなります。
「エー」をはさむ人は文章も長くなります。
自分の好き嫌いのわかることが知性だ(P130)
好き嫌いは、感性ですから、知性とは別のものだと思いがちです。
(中略)
判断をする前に、一般論として判断しているか、好き嫌いで判断しているか、区別のつくのが知性です。
好き嫌いがはっきりしていると、ブレはない(P133)
好きなものは好きなのです。
たとえば、好きな食べ物は、どこへ行ってもそれを頼みます。
(中略)
「好き」の範囲が狭い人が知性のある人です。
ハングリーとプアの違い(P152)
今が不満だから向上心を持つのではありません。
今の状態に満足して、感謝して、ハッピーだけれども、さらに上を目指すのです。
今不満だから向上したいというのは、本当の向上心ではなく、ただのプアです。
向上心はハングリーです。
ペース配分できることが知性(P154)
マラソンは、限界まで行って歩いてしまうと、次に走ろうと思っても走れません。
全体をゆっくり走っている人の方が、最終的には圧倒的に速くなるのです。
(中略)
それと同じように、全体のペース配分ができると、「ここでがんばりすぎると、ここからしんどくなる。だからここはセーブしておこう」と思えるのです。
(中略)
勉強も日記も同じです。
初日に日記をがんばって書きすぎた人は、3日が限界です。
書きすぎて疲れてしまうのです。
習いごとを週2と決めたら、それを年100日で10年続けられるペースを保つことです。
「毎日やります」という人は、生活に支障を来たして続かなくなるのです。
余裕がなければペース配分はできません。
(中略)
追い抜いた人に追いつこうとしたり、追い抜き返そうとしてはいけません。
ひとりひとりに、それぞれのリズム感、ペース配分、スピード感があります。
人のペースに振り回されないで、自分の時計を持つことです。
知性は、自分の気持ちが波立たないための防波堤になる(P160)
知性がある人は飲み込める(P167)
知性があると、相手の言ったことを、「なるほど、そうですね」といったん飲み込めるのです。
自分と反対意見が出た時に、いったん飲み込めるのが知性です。
それは吸収力であり、包容力であり、咀嚼力です。
現状と自分が抱えた志とのギャップを「不満」とか「不安」と言う(P174)
本を書くコツ(P183)
本を書く時に行き詰まるのは、1冊目でいいカッコしようと力みすぎるからです。
カッコよく思われようとすると、本は書けません。
1冊目は書けたとしても、2冊目が続かないのです。
私は、初めて本を書いて行き詰まっている人に、「いいカッコしようと思わない」「全部書こうと思わない」「書きたいところから書く」「構成をあまり考えない」「力を抜いて書く」とアドバイスします。
知性は、目に見えないものを評価し、それにお金をかけられること(P198)
*2:昔は速読の練習教材としてよく読みました。すぐ進めるので、上達した気になって楽しいです