毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

機能(ファンクション)に帰れば本質が見えてくる☆☆☆

ずいぶん前に読んだ『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』の続編に当たる本。図書館で予約したらかなり待たされてようやく順番が回ってきた。
“入門”の内容を忘れてしまったのでどうかな、と思ったがこちらの“実践編”だけで充分理解できると思った。分厚いし、文字とチャートがぎっしりなのでパッと見はとっつきにくそうだが、読んでみるととてもていねいに書かれている。


ファンクショナルアプローチとは文字通り、ものごとを機能でとらえ、考えてみることだ。
基本的な説明のあとは“実践編”の名の通り例に沿って進められているので、まったく知識のない人にも順を追って理解できるようになっている。

ただ、著者は公共事業を多く手がけるうちにこの方法にたどり着き、数十億のコストカットなどめざましい成果を上げたのに、例題は「上司に会議を開くよう頼まれた」。そんな例でいいんですか?と突っ込んでしまった。
身近な例として「会議」なのだろうが、会議を開くのにこんな大がかりな準備がいるの?と思ってしまってあまり身が入らず、個人的にはちょっと残念だった。


やり方としてはKJ法やPert法、クリティカル・パスなどと似ている印象を受けた。プロセスをバラバラにしてひとつひとつの目的を確認し、ムダや抜けがないかを検証する。
ただ、ちがうのは「見るのはファンクション」ということ。必要とされているのは機能であり、他の方法でもその機能が満たせるのであれば、それにこだわる必要はなくなる。

私が面白いと感じたのは、投入している時間やコストに対して、それに見合うだけのアウトプットが得られているかを検証する方法。表を埋めていくだけで手間はかからないのに、ムダなプロセスが一目でわかるのだ。これは便利だと思う。


この方法を身につければものの見方が変わるので、うまく取り入れれば一気にムダをなくして時間やコストをカットすることも夢ではなさそうだ。
非常にていねいに書かれているので、興味のある方はぜひ借りて読むのではなく、買って実践してください。
私のアクション:投下している時間・コストとアウトプットのバランスを意識する
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読書日記:『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
※一部だけ抜き書きしても意味がないので、やり方に関するメモはありません。ご了承ください。

アインシュタインのことば(P7)

「いかなる問題も、それを作り出した同じ意識によって解決することはできない」

問題を認識する方法3(P24)

1.短期的に現れる変化から問題を知る
2.わずかに現れている兆候から問題を見つける
3.事前に問題の発生を察知する

一度轍ができると、人は同じところを通りたがる(P29)

その方が、安全に、かつ容易に歩けるだろうと考えるからです。この考え方は言いかえれば「観念的な判断」、つまり「固定観念」なのです。固定観念に流されると、轍はいっそう深く刻まれます。

固定観念ができあがる要因3(P30)

1.偶発的要因…「たまたまうまく行った」というだけで習慣化されるもの
2.体験的要因…「いつも自分がしていた」というだけで習慣化されるもの
3.前例的要因…「すでに誰かがしていた」というだけで習慣化されるもの

問題解決=改善点×解決手段(P31)

改善点…何(What)を改善すればよいか特定する
解決手段…どのように(How to)すれば解決できるかを習得する
(中略)
「何を」「どのように」改善すればいいのか。この両方がそろって、はじめて問題は解決されるのです。

「未来」を利用して解決手段を得る方法(P41)

理想的なあるべき姿や最終的に獲得したい状態を具体的に思い描き、そのゴール像を今の問題に当てはめて解決しようとする方法です。
この方法は、想像力に依存しています。できるだけ頭を柔軟にし、否定的な考え方から解放されている必要があります。あいまいではなく、詳細で具体的なイメージを持つことです。

ワンランク上の問題解決をもたらす4つの思考のルール(P44)

1.固定観念にしばられず、前回と違った方法を試してみる
2.手段にこだわるのではなく、改善点に焦点を当てる
3.「見落とされている改善点」を探す
4.過去を手放し、未来のあるべき姿から発想する

無駄な努力を見分ける2つの質問(P51)

「それは何のため?」
「それは誰のため?」

目の前の課題を解決しようとして、未来の最終目的を見落としがち(P54)

目の前の努力に一生懸命になる前に、ただひとこと、「それは何のため?」と問い続ければ、「必要な努力」と「無駄な努力」を見分けること子ができます。

「なぜ?」よりも「何のために?」(P54)

「なぜ?」ということばを「何のために?」に置きかえてみましょう。それだけで、視線を「過去」から「未来」へと移すことができます。
(中略)
「なぜ?」と聞かれると、多くの人は…「言い訳」を考えてしまいます。反対に「何のために?」で聞かれると…「目的」を考え始めます。
(中略)
「原因」を追求して過去を思い出すよりも、「目的」を追求して未来に目を向けることです。

本質の追究は離れることから(P81)

あなたが直面している問題も、単なる結果です。何かの手段の現れです。問題そのものに引っ張られないようにしましょう。問題を認識したら、冷静に事実を取り上げ、徹底的に離れることです。離れるといっても、目を背けたり無視したりすることではありません。問題を含む「全体のファンクション」に注目するこということです。

「機能を提供する」とは(P91)

例)タクシー
・タクシーのお客さんはなぜ、電車やバスを使わずにタクシーを選ぶのでしょうか?
・高い料金を払って何を購入したのでしょうか?
「モノ」で考えるのなら、ドライバーの賃金や車両、ガソリン代の一部を負担していると考えるでしょう。しかし、機能で考えてみると違ってきます。お客さんは「楽に移動したい」「早く移動したい」「他人と関わらずに移動したい」などの機能を得る対価として、タクシー料金を払うのです。つまり、機能を購入しているのです。

「もし改善するなら、どのようにするか」を考える練習(P198)

実際に改善を提案する必要はありません。考えるだけでいいのです。
「もし自分なら、どの改善点をどのように変更するか?」
「もし価値を高めるなら、どのように改善すればよいか?」
「もし改善するとすれば、どうするか?」
この「もし」という前提で考えてください。こうすれば、脳は自由になれます。脳を自由にさせて、発想の習慣をつけることです。

サン=テグジュペリのことば(P249)

「完璧な設計だとわかるのは、付け加えるものがなくなった時ではなく、取り除くものがなくなった時である」