毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

社会人の勉強への応用はむずかしい?☆☆

著者は私立中学・難関高校受験専門の進学教室で指導に当たっている。
同じように勉強していても結果が出る生徒と、そうでない生徒の違いは何か、研究するうちにたどり着いたのがノートの書き方、使い方だったそうだ。
成績のよい生徒のノートをコピーして研究を重ね、編み出したのがこの「3本線ノート」。
以前、勉強以外にも使える『考えがまとまる!3本線ノート実戦活用術』を読んだが、もうひとつピンと来なかったので、もともとの受験用のノートはどんなものか知りたくて読んでみた。なかなかユニークな方法だった。

3本線ノートそのものはそれほどむずかしいものではない。線の引き方は教科によって違うが、基本はコーネル大学のノートとあまり変わらない印象を受けた。
ユニークなのは3つに分けた学習プロセスそのものと、それをノートでどうやるかという部分。特に数学は練習問題を解いたあとに丸をつけるタイミングや、解き直す時の色の使い分け、ノートのどのエリアで計算するかまで取扱説明書のように細かく説明されている。章も数学だけで2つあてている。

他の教科にそれほど斬新さはないが、驚いたのは塾講師としての視点。たとえば、国語のテストで求められることを述べ、それに対応できるノート作りを説いている(具体的には辞書で意味を調べ、1行で簡潔に書く)。
これに対し、中学英語レベルなら辞書を引く必要はないと断言しているし、英語は100%暗記する科目なので、ノートの色分けも不要だという。
すべてに根拠があり、しっかりそれを説明してくれているので納得できる。

もともとは中学受験を目指す親を対象にした本なので、社会人が語学や資格取得のための勉強に使えるヒントはあまりないと思う(数学のように計算が必要な場合は役に立つかも)。
ただ、勉強に対する斬新な考え方となぜノートをこんな風に使うのか、という原理・原則がわかれば、応用はできそうだ。


ノートの使い方NG集もあるが、「うわ、ふつうにやってました」ということが多い。ルーズリーフ、分厚いノート、鉛筆やシャーペンで書く、すべてNG。なぜNGなのかはぜひ読んでみてください。
また、最後の章に「親がやってはいけないこと」も載っているが、こちらも驚く内容だ。

受験生の親御さんは必読本、自分の勉強に活かしたい大人は図書館で借りてどうぞ。
私のアクション:語学学習ノートはボールペンで書く
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読書日記:『考えがまとまる!3本線ノート実戦活用術』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

鉛筆ではなくボールペンを使う理由2(P52)

1.貴重な「間違い」をしっかり残すことができ、もう一度学習する時の効率がアップ
2.きちんと考えてから書くようになる

一番伸びる問題集のレベル(P62)

解いた問題の2〜3割に×がつくレベルの問題集を使う子供が一番伸びる

「本当の実力」をつける3つのプロセス(P91)

・「インプット」…新しく教えてもらった内容を使って解き方の手順を理解する(基礎を身につける)
・「プラクティス」…理解した内容を使って実際の問題に当てはめる(基礎の問題が解ける)
・「アウトプット」…今まで習った解き方の組み合わせを勉強する(応用問題が解ける)

「3本線ノートの作り方」(P98)

用意するもの:薄手のノートとボールペン(黒・赤・青)、定規
[黒]基本的なノート
[赤]問題の○×をつける/数学:やり直してもまた間違えた時、解答を見ながら解き直す場合
[青]数学:問題をやり直す時/理科:問題演習後に間違ったポイントをまとめる