毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

忘れないコツは覚えすぎないこと☆☆☆

こちらも、ずいぶん前の探書リストに載っていたもの。何がきっかけでリストに入れたのか忘れてしまった。確か、著者がテレビでご自分の記憶法を紹介していて、面白そうだったので本を探したのだと思う。
地元にも大阪の図書館にもなく、どうしたものかと思っていたら、春頃「ときめきお片づけ」で大量に出た本をブックオフに売りに行き、その時おまけにもらった金券で買ってようやく読めた。
私はたまたま中古で買ったが、今も書店の新書コーナーに並んでいる。初版が2004年なので、ロングセラーなのだろう。それだけの価値がある、内容の濃い本だった。


ページをめくると、いきなり「薔薇」を覚えさせられる。指示通り手順を踏むと、本当に覚えてしまった。
私は漢検受験の時に何度か覚えたので、そのせいで簡単だったのかと思ったが、著者の方法だと定着するのだ。その証拠に、今まで漢検が終わればあいまいになっていたのに、覚えてから数日経ってもまだちゃんと書ける。
しかもその方法が驚きだ。ひと文字につき1ヵ所、ポイントに○をつけるだけ。これは例題なので○をつける場所も指示があったが、自分でやる時は自分が覚えにくい、と思うところでいいそうだ。
たったこれだけで?と思うが、本当に覚えられる。

こんな風に、それぞれの教科ごとに覚え方があるそうだ。この本では他にも英単語や地図の覚え方が紹介されている。単語は特に目からウロコの方法で、簡単なのにどんどん覚えられそうな印象を受けた。


著者の理論はとても明快だ。ポイントは2つ。
1.覚えすぎない。ポイント(=思い出すきっかけ)だけを絞って覚える
2.忘れないうちにくり返して定着させる
たったこれだけ。
他にも、なるほど、と納得できることばかりだった。これなら安心して取り組めそうだ。


この本のもうひとつの柱は、「受験対策としての考え方」だ。著者の主宰するコロンブス学院は受験生をたくさん指導しているので、当然そういうノウハウはいろいろと持たれているのだろう。そして、意外に感じるが、著者によればこのコツを知っておくことが暗記と同じくらい重要なのだとか。
そういうところまでしっかりカバーしてくれるので、受験誠の必読本だと思う。

社会人の資格試験用にもある程度使えると思うが、「文章をまるまる暗記するメソッド」は残念ながらこの本には載っていない。それがわかればもっと役に立つかも*1
少なくとも、この本で漢検と英語の資格試験は何とかなりそうだ。フランス語に応用できないか、ちょっと工夫してみよう。


興味のある方は著者のホームページをどうぞ。国家試験対策コースなどもあるそうです。
つがわ式記憶法
私のアクション:覚えているうちにくり返す
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

記憶の根本的なコツ=「思い出すきっかけだけを正確に覚える」(P34)

記憶すべき対象の大半は、目に映った瞬間に記憶できている。ただ、思い出す時に、思い出すきっかけがないから、思い出せない。
「もっとも思い出しにくいもののみを正確に記憶すれば、残りの知識も一緒に出てくる」

英単語記憶法のポイント(P76)

発音の1音ごとに対応するスペルの文字に○をつける。
(中略)
…慣れてくるとこの手順を忘れて、はじめに発音のほうだけ…○をつけてしまい、次に単語のスペルに…まとめて○をつけていくということをしがちだ。
これでは効果が出ないので注意。必ず、音ひとつごとにスペルを合わせていく。

スペルを間違えた時は(P81)

その単語すべてを覚え直そうとしないこと。つまり…スペルの大半は出てくる。あとの1〜2ヵ所を間違うだけなのだから、間違ったところのみ下線を引いて、正しいスペルに直す。そうすることで、いつも間違える部分が同じだということがはっきりし、間違えなくなる。

脳は理解しないと覚えられない(P103)

いくら集中しても、脳が何をやっているんだかわかっていないものは覚えたくても覚えられない。

究極のくり返し法=「覚えているうちにくり返す」(P106)

記憶の定着には4回の繰り返しが基本。
(中略)
<「覚えている期間」の目安>
1回目:覚えてすぐ
2回目:8時間〜1日以内
3回目:2〜4日以内
4回目:4〜10日以内

忘れっぽい人には質問して思い出させる(P114)

たとえば、宿題とか提出物を忘れるお子さんには、親の方から「今日、宿題は?」と聞くのではなく、「今日しなくてはいけないことは?」と聞いて、お子さんに自分の口から「え〜と、宿題と体操着の用意と……」と言ってもらう。

わからないところを確認する(P178)

「先生、この問題がわかりません」という生徒に、私は、その問題表現をひとつずつ、「ここの表現の意味はわかりますか」「はい、では次のこの表現は」と確認していく。すると、大半の生徒が途中で、「あ、先生、わかりました」と言って、今度は私に「これはこういうことなんですよね」と説明を始める。
(中略)
つまり、「わからない」ということばの本質は、「わからないところがわからない」ということなのだ。どこがわからないのかをはっきりさせてあげると、不思議と「わかる」。

社会:記憶のコツ(P180)

この世の中で起きる、ありとあらゆる事件はすべて、その事件が起きる原因があり、そして事件の結果、すなわち「誰が(who)、いつ(when)、どこで(where)、何を(what)、なぜ(why)、どのように(how)やった」という、いわゆる5W1Hがあり、さらに、その事件が起きることで、のちに必ず何らかの影響をもたらしていく。…「原因、結果、その後」の3点セットで、はじめて、本当の理解ということになる。
それに対して、社会のできない人は、ほとんどが、5W1Hの「結果」だけしか理解しないで丸暗記している。
大学入試では、「原因」と「その後の影響」まで考えて問題を出すので、点が取れない。

*1:著作もたくさんあるので、別の本にはあるのかもしれません。未確認です