毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

大学ノートを使った究極の「自己管理術」☆☆☆

「未来ノート」で道は開ける!
渡邉 幸義
マガジンハウス(2008/07/24)
¥1,365
家族が大阪市の図書館で借りてきて渡してくれたが、実は私もどちらも予約した覚えがない。どういう経緯で借りたのかまったく不明。
そんな不思議な形で手元に来た本だが、面白くて一気に読んでしまった。たぶん、今の私に必要だったのだろう。


著者、渡邉幸義さんは大手コンピューター会社を経て独立した会社経営者だ。著書も何冊か出されている。
著者は社会人数年目から現在に至るまで、細かいバージョンアップをくり返しながら、「未来ノート」と名づけた大学ノートにありとあらゆることを書き込んでいるそうだ。この本では、そのノートの書き方がくわしく説明されている。

実際に著者のノートが写真で紹介されているのだが、読みやすい細かい字でびっしり書き込んである。主な内容はスケジュールやToDoだが、それ以外にもさまざまなページがあり、これ1冊持ち歩けばすべて事足りるようになっている*1
これだけ書くには相当の時間がかかるだろうな、と思うが、著者はこのノートを書き続けることで自分も向上し、会社も幾度となく危機を乗り越えて成長できたという。


このノートを作ったきっかけは、卒業後就職した会社で自ら志願して営業に異動したことだそうだ。最初は簡単なToDoメモのようなものだったが、お客さまに喜んでもらうためにはどうすればいいかを考えてやることを書き出し、それを全部こなすことで結果が出せるようになったという。
下のメモにもあるが、“やるべきことを書き出し、それを全部こなしてその日が終わったら絶対悩まない”と決めたそうだ。1日の終わりに反省や後悔が多い私にはまぶしいことばだった。

最初の頃のノートも写真が出ていた。今の形とは違い、本当にただのメモだった。工夫と改良を重ねて今の形になったそうだが、この形になるまでに18年かかった、と書かれていた。最初からこんなにすごかったわけじゃないんだ、というほっとした気持ちと、長く続けることのパワーを突きつけられたような畏れ多い気持ちになった。


本全体を通して、著者はものすごくストイックな人だと感じた。ふつうの人間がこの通りやるのは至難の業だし、会社経営者でもない私がここまでやる必要もないだろう。だが、1日1日成長していくためのヒントがこの「未来ノート」にはあると思う。
今では社員たちが、特に教えてもいないのそれぞれ「未来ノート」を作っているのだそうだ。ぜひ私もトライしてみたい。
アナログ志向の人、ノートに書くのが好きな人、書くことで頭を整理したい人にはおすすめです。
私のアクション:「未来ノート」を作ってみる


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

スケジュールを残すか判断するポイント(P18)

1.その仕事を捨てられるか?(本当にやる必要があるのか?)
2.その仕事は自分でやる必要があるか?(他の人でもできるのではないか?)
3.その仕事にかける時間をもっと短くできないか?(そのためにはどんな準備をしたらよいか?)
4.その仕事は他に並行して進められる類のものか?

未来ノートを始めた時のルール(P26)

「朝からやるべきことを決めて、そのスケジュールで自らを忙しくさせて、その日1日が終わったら絶対悩まない」

心がけたのは「無駄をしないこと」「顧客を喜ばせること」(P31)

たとえやるべき項目が増えても、誰から見ても意味のないことは結局、徒労に終わってしまう。そうでははなく、「意味のあるアクション」をしようと思ったのだ。
(中略)
意味のあるアクション項目を増やすことが、相手が喜ぶことにつながる。

意味のあるアクション項目を増やす効果(P32)

・依頼された事項を忘れなくなった
・依頼された事項に対して、回答すべき適切な時期に回答する習慣がついた
・自分の意識が変わった(今日やるべきことは必ず実行しようと思う意識)

何かアクションを起こせばその日は「終了」扱い(P42)

私は未来ノートに書いたアクションアイテムは、達成できた時点で、項目の左右をカッコでくくって「終了」とする。たとえ解決できなかった場合でも、何かしらのアクションさえ起こせば、その日はカッコをつけて消してしまう(それだけでも達成感につながる)。ただし必ず後日、再度書き出してさらに何かしら発展させる。その際に、問題解決に関する別のアクションを付け加えることもしている。

確定していない予定は「翌週以降のスケジュール」に書く(P55)

日時が確定していなければ、各週の終わりに2ページで設けた「翌週以降のスケジュール」欄にまとめて書いておく。

著者の色分けルール(P71)

・重要度が高く、緊急度が高いもの……赤色
・重要度が高く、緊急度が低いもの……青色
・重要度が低く、緊急度が高いもの……黒色
・重要度も緊急度も低いもの     ……緑色

時間の効率化と質の向上は、自分 の意識で達成できる(P86)

すべての“イベント”に「意識」を持って臨み、時間の効率化と質の向上をつねに究極まで高める努力をする。さらに誠意を持って日々努力をすることで、どんどん楽になり、好循環が生まれる。

「この時間内に何を達成するか?」(P88)

という目標設定は集中力を高める上で大いに役立つ。この目標ができると大きな達成感も味わえる。

「時間と予定にコントロールされるのではなく、自分自身が完全にコントロールする」(P89)

字はできるだけ丁寧に書く(P45)

丁寧に書けば字はだんだんきれいになっていく。

質を追求するためのポイント10(P81)

1.仕事に重要度、優先度をつける
2.同時にふたつのことをする
3.スケジュールは2週間前に組む
4.1日の予定をシミュレーションする
5.次のアクションをシミュレーションする
6.仕事の切り出しをする
<場所的なもの>
・家でやること
・会社でやること
・移動中にやること
<役割的なもの>
・自分にしかできないこと
・自分以外の人でもできること
・仕組みを作ればできること
7.断ること
8.スキルを上げること
9.健康に留意すること
10.信用を積み上げること

断っていいか選別する目を持つ(P91)

どうしても会って話す必要がある、自分が会うことで相手の気持ちが晴れる、といった場合には、あえて時間を作ってでも会うようにしている。
会う場合には、まず相手が求めているゴール(要求)を知ることが大切。相手の求めていることに今の自分の状況でどこまで対応できるのか?今自分にできるベストな行動を取る。
どのように断ることができるか?断る場合にはそれ以上の代替を用意できるか?を未来ノートに書き出す。ここまで考えて対応する時間の方がはるかに時間的には短い。

スケジュールはパソコンで管理(P99)

ただし、スケジュール管理をしている途中にいいアイデアが思い浮かんだり、スケジュールを見直す中で別のアクションアイテムが出てきた時には未来ノートに書き出す。

スケジュールの目標レベルは3段階(P110)

・ミニマム目標……絶対に達成しなければならない目標
・ターゲット目標……できれば今日達成したい目標(できなければ仕方ない)
・トライアル目標……時間を作り出してここまでできれば賞賛に値する目標

ミニマム目標は100%楽に達成できるように設定(P112)

そのおかげで、ターゲット目標とトライアル目標はいわゆるゲーム感覚で取り組める。

鍵山秀三郎氏のことば(『掃除に学んだ人生の法則 掃除道50年の実践哲学』より)(P184)

「10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史に残る」

時間をコントロールするための次のアクション(P192)

1.充分な時間を持つ
2.スケジュールの組み立てを何度も行い、時間管理の経験を積む
3.予測のつかないことは必ず怒る。その場合の対応をはじめから盛り込んでおく
4.コントロールできる立場になる
5.常に未来の予定を組む。その自分の予測と実際の差異を縮める努力をする

*1:細かいスケジュールはパソコンで管理しているそうです