池上彰さんの本で紹介されていた*1ので興味を持って読んでみた。
ふだん私があまり読まないような内容で、息抜きになるようなしゃれた本だった。
著者の竹内さんは読売新聞の論説委員で、1面のコラム「編集手帳」を担当している*2そうだ。
新聞の論説委員と言ったら堅そうなイメージがあるが、著者の書く文章はひと味違う。
この本は著者が趣味で長年集めてきた名文(つまり引用です)を集めたもので、それをジャンル別に編集し、自身の言葉が添えられている。
名文も興味深いが、著者自身の文章が面白かった。中年男の悲哀か、フランスのエスプリが効いたジョークというのか、つい吹き出してしまうこともたびたび。
個人的信条により著者の属する新聞は読んだことがなかったが、あの新聞にこんな面白い人がいたのか、と意外だった。
実用書を読み続けると文章が荒れる、と言った人があった。私はそこまで思わないが、たまにこういう本を読むとシンプルに「文章っていいなあ」と思う。『名セリフどろぼう (文春新書)』という本も出ているそうで、読んでみたくなった。
たまには毛色の違う本も、と思う方はどうぞ。人のいないところで読むのをおすすめします。