毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

川内選手、福岡国際マラソン3位(=日本人最高位)に

家族がつけていたので、一緒に福岡国際マラソンのテレビ中継を見た。今年はロンドン五輪の代表選考会も兼ねている。
私は「市民ランナーの星」川内優輝選手*1に注目していた。


川内選手は常識では説明のつかない、不思議な選手だ。

  • 実業団に所属していない

公務員で定時制高校の事務をしているため、練習は平日午前中の2時間と、仕事が休みの週末のみ。

  • 月間走行距離は600キロ程度

実業団の選手は1000キロくらいは走るそうだが、川内選手はその半分強。

  • レースにどんどん出場する

実業団の選手は通常1シーズンに出場するレースは1回か2回まで。川内選手はレースも練習のうちと考えて、どんどんレースに出るそうだ。10月の大阪マラソンにも出ていたし、代表選考の本番は来年2月の東京マラソンと考えていたとか。

  • 一度先頭集団から脱落しても、また上がって来る粘り

今のマラソンのセオリーは、「先頭集団でできるだけ体力を残しながら走り、どこかでスパートして一気に先頭に立つ」のが優勝するシナリオだ。先頭集団から落ちてしまうと、復活できる可能性はほとんどないとされる。
ところが川内選手は中盤のスピードについて行けずにいったん離されるも、後半追い上げて一気に抜き去ってしまった。


常識が通用しないところが痛快だ。川内選手がいい成績を残すと、必ず陸連関係者が「実業団の選手や指導者は反省して欲しい」的なコメントを出す。実業団が一般選手に負けるなど、あるまじきことなのだろう。
今日のレースでデッドヒートを繰り広げた相手も、箱根駅伝で「山の神」と呼ばれた超エリート選手。一方の川内選手は学連選抜で2回出場している。なのに、スパートしてあっさり(に見えました)振り切る強さ。まるで搭載エンジンのクラスが違う車のように感じた。


川内選手を見ていると、ふだん私たちがしている言い訳は本当にただの言い訳なのだ、と思う。仕事が忙しいから、走り込みできていないから、といくらでも言える。でも、彼は自分のやり方でもっと速くなれる、と信じ、やり方を工夫してきちんと結果を出しているのだ。

日本人1位ではあるが、記録が期待ほどではなかったため、残念ながら代表決定には至らなかったという。
2月の東京マラソンで自己ベスト更新を狙っている川内選手の快走が楽しみだ。

*1:今夏の世界陸上にも代表として参加。団体でのメダル獲得に貢献しています