毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

明治の「青雲の志」に触れる☆☆

いつかは読みたいと思い、探書リストに書いておいたもの。例によってきっかけが何だったかは不明(すみません)。
星野リゾートの星野社長が、祖父の代に親交があった*1、というところから興味を持ったかもしれない。

内村鑑三キリスト教関係の人だ、という以外に知識はほとんどなかった。この本を読むのに少し調べると、ただ布教活動を行った人、というのではなく、自分の主義主張を推し進める思想家・活動家と言った方がいいかもしれない。著作も多く、有名なのは『代表的日本人』だろうか。
この本はふたつの講演をまとめたもので、長く読み継がれている歴史的名著だ。すがすがしく読める本だった。


「後世への最大遺物」は明治27年7月、箱根で開かれた「キリスト教徒第6夏期学校」での講演、「デンマルク国の話」は明治44年10月に自身の聖書講堂・今井館で行った講演を自らまとめたものだ。
こんな古い時代の、しかも講演を読んで理解できるのか心配だったが、確かに“普遍的な内容”というのもあるのだ、と読み継がれる理由がわかった気がした。

前者は一生をかけて何を後世に遺すべきか、後者は敗戦後に領土を失ったデンマークで、ある人物が残った不毛の地に木を植えて豊かな国を作ったエピソードがテーマだ。どちらも自分がいなくなったあとの世の中をいかによくするかという話で、もちろんキリスト教的考え方や生き方がベースにあるが、特に宗教心がなくても読めるし、受け取れると思う。
こういう感覚、しばらく忘れていたなと思った。


自分が死んだあとの世界を考えるというのは、究極のロングスパンでものを考えることだ。また、“よりよい世界を願う”“前向きな志”というのは、読んでいるだけで心が洗われ、明るくなる気がする。
一服の清涼剤で終わらせてしまっては著者に申し訳ないが、目の前のことにきゅうきゅうとしている時にこういう本を読むと、視界が広がりそうだ。自分の人生でやりたいことは何なのか、を改めて考えるきっかけにもなる。

この本を読んで感化された人は今も多くいるという。特に若い人に読んでほしい本。
どんな図書館のもあるはずなので、興味を持った人はぜひ。
私のアクション:後世に遺すために今日何ができるか、を考える

*1:星野リゾートの教科書』に出てきます