毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

説明力は技術だ☆☆

家族が借りてきた本。わかりやすく、というのは何かを伝える時にいつも考えるが、主観的な判断しかできていないのが現状だ。パラパラと中を見た時に、文章がや本の作りがわかりやすそうだったので何か役に立つかも、と思い読んでみた。


著者・木暮太一さんは大学在学中にわかりやすい経済学の本を自費出版し、大学生協を中心にベストセラーになったという経歴の持ち主*1。会社勤務を経て、現在はわかりやすい本の執筆と「わかりやすい説明のルール」を広める活動に注力されているそうだ。

著者がわかりやすい説明について考え出したのは中学2年の時。ある先生の授業があまりにもわかりにくかったことがきっかけだそうだ。
そして、その疑問が解決したのも授業。代々木ゼミナールでの授業にヒントがあったという。
それ以来、わかりやすい説明は著者のライフワーク。もともとこの本のオファーも違うテーマだったそうだが、著者が「これを書きたい!」と逆オファーして実現したものだという。


そのくらい気合いの入った本なので、説明は本当に噛んで含めるようにていねいだ。
この本のよさは実際にどうすればいいかのレベルまで教えてくれること。「一般論は書いてあるが具体策が書いてない」よくある本とは違い、テクニック的なことがきちんと書いてあるのがありがたい。
中でも私が役に立ちそうだと思ったのは、まとめを入れるタイミングとランドマークの重要性(くわしくは下のメモをご覧下さい)。相手の立場に立って、と考えていてもここまでは気にしていなかったので、さっそくやってみようと思う。


ルールやポイントの説明のあと、実際に練習問題がある。社会人、高校生、小学1年生向けにそれぞれどう説明するかというものだ。課題がすべて経済用語なのには参ったが、どこを変えるかというポイントの説明と、模範解答は見事。

池上彰さんの本などを読んでいる方にとっては復習になると思うが、読んでみると自分の弱点がわかったり、さらにわかりやすくするヒントがもらえそうだ。
私のアクション:頭の柔軟体操をする
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読書日記:『〈わかりやすさ〉の勉強法』
※まだUPできていませんが、『わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)』もいい本です。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

わかりやすい説明に必要な3つの要素(P38)

1.何のテーマについて話しているかが分かる
2.説明に使われる日本語が分かる(=「言葉の意味」が理解できる)
3.説明の中の論理が分かる(=論理に飛躍・省略がなく、順を追える)

「分からない」には「知らない」と「理解できない」がある(P40)

「抽象的なテーマ」と「具体的な内容」を交互に説明する(P143)

抽象的なテーマの説明をしたあとは、必ず具体的な例を出し、具体的な事例を説明したあとは、必ず「それが全体の中でどういう位置づけなのか」、抽象的なテーマの話をする。

聞き手にとって「想定外」の内容は、懇切丁寧に説明する(P147)

説明のまとめは、こまめに行う(P150)

「まとめ」や「振り返り」は、「全体の説明が終わってから」「文章の最後に全体のまとめを書く」と考えていませんか?
それでは遅いのです。
…人間の脳は新しい情報をそれほど覚えていられません。…頭から抜けてしまっているんです。
説明したことをこまめに振り返ることで、聞き手は情報を再確認して、前に進むことができるのです。

長い説明の時は、ところどころに「ランドマーク」を作っておく(P152)

1から10までの内容を説明する時、すべてを「単調」に伝えるのではなく、たとえば「3」と「6」と「9」を特にくわしく、聞き手がほぼ完璧に理解するまで説明します。これが「ランドマーク」になります。このランドマークがあれば、聞き手が「5」で混乱しても、最初に戻る必要はなく「3」から再スタートが切れるのです。

頭の柔軟体操(P226)

ちょっとした時に
・新聞や社内の文書で「カタカナ語」を見つけたら、日本語に変換する
・人に何かを聞かれたら、面倒がらずに、相手が分かる言葉と表現を探す
・何かの説明を見聞きするたびに、「自分だったらどう説明するか」を考える