毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「斎藤メソッド」各種そろってます☆☆☆

「できる人」の極意!
斎藤 孝
マガジンハウス(2005/06/16)
¥1,365
先に読んだ『「できる人」はどこがちがうのか』の記事を書いている時、たまたま見かけて読んでみたくなった本。図書館で借りたら、ずっしりと重い。でも、厚みのわりに読みやすかった。


それもそのはず、この本は斎藤先生が新聞や雑誌などさまざまな媒体に掲載した文章や対談などをまとめたもの。
ジャンルごとに章が分かれている。

第1章 話す力・聞く力
第2章 文脈力・段取り力・発想力
第3章 友達力・恋愛力
第4章 呼吸法・シェイク運動
第5章 ビジネス・お金
第6章 子ども・教育・家族
第7章 日本語・読書・文学
第8章 スポーツ
第9章 身体感覚を磨く

私のように単純に斎藤先生のファン、という人にはありがたい本だ。単行本と違って雑誌などに載るものはなかなかチェックできず、読めないことの方が多い。こうしてまとめて読めるのはうれしい。

しかし、この本はただ集めました、という以上の価値がある。これだけで「斎藤メソッド入門」になっているのだ。ひとつひとつは短いし、好きなところから、または興味のあるところだけ読める。面白い、と思ったらそのジャンルの単行本を読めば、いきなり読むよりも入りやすそうだ。

私は対談が好きなので、いろんな対談が読めて楽しめた。特にもともと好きな荻野アンナさんや鴻上尚史さん、侍ハードラー・為末大選手との対談は、内容をまったく知らずに借りたので幸せな気持ちになれた。


特に面白かったのは第1章と第2章、そして意外なところで第8章のスポーツ。スポーツジャーナリスト2名との鼎談や、二宮清純さんとの対談はさすがは身体論が専門の斎藤先生、目のつけどころがシビアで言葉も鋭く、読みごたえがあった。
また、36ページからの『説得力を高める「七つのコツと訓練法」』は、これを読むだけで仕事力が相当上がりそうだな、という濃い内容。

本1冊読むのは、とためらいのある人は、ぜひこの本で気軽に入門してみてください。
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

人生の成功者になるための話し方5ヵ条(P8)

1.目を合わせる
2.微笑む
3.ときどきうなずく
4.相槌を打つ
5.コメントする…コメント力の基礎は「要約力」と「質問力」

「誰とでも話せる人」がいい関係を結べる(P8)

私はむしろ、どんな球が来てもヒットにできる人の方が、人生の成功者になれると思うのです。たとえば、老若男女、誰とでも楽しく話ができる。それは、目立たないけれども、実は、人生において幸運なことです。楽しい会話ができれば、相手に「この人と話せてよかった」「また会いたい」という感情が生まれ、その後も、いい関係を結ぶことができるからです。

質問は指圧に似ている(P12)

気持ちよく話してもらうためには、相手が、どのツボを押されたがっているのかをよく見極めて、そこに食い込む質問をしなければいけません。

「論理がうまく構築された時に人は説得される」という考えは間違い(P30)

優先すべきは最終地点となるビジョンを明確にすることであって、それが曖昧なまま、その途中のプロセスをどれだけ論理で固めてみても、人を説得することはできない。

企画書に「段取り」と「仕込み(裏段取り)」を盛り込む(P42)

いわば企画書が通った後の工程を見通した料理手順のようなものである。…これがあると、企画書を読んだ人が抱くリアリティに差が出る。この企画書に参画する人の役割分担も明確になっていく。

赤の用事を中心に他の予定を考える(P66)

たとえば講演会のような赤の用事が1日に3つも4つも重なると疲れてしまい、他の仕事のペースが狂う。そこで自分の体調やリズムを考え、赤は1日ひとつだけにして、残りの時間には青や緑の用事を割り振るようにする。赤青緑の3色を使えば、1週間の疲労度がトータルに見え、バランスも取りやすくなってくる。

「モード」をまとめるのもコツ(P67)

…仕事にはそれぞれの「モード」というものがある。たとえば取材なら取材のモード、執筆なら執筆のモードというように、モードの似た用事は1日にまとめてしまうのもコツだ。この方が、いちいちモードを切り替えなくすむので仕事の効率も上がる。

呼吸で悪影響を断ち切る(P105)

日常的な仕事の場面でも、他人に嫌なことを言われて、そのことで頭がいっぱいになってしまうこともある。しかし大切なのは、その嫌な気持ちを吐き出し、現在の仕事に集中することだ。呼吸によって、自分の心に悪影響を及ぼす作用の回路を断ち切るのである。その結果、心の中に空きスペースができ、考える優先順位をはっきりさせることができればたとえパニックに近い状態にいても、そこから脱し、自分を客体化して上から眺めているような心持ちになることができるものだ。

学校の時間割感覚は大切(P109)

英語の後は体育、その次に数学という学校の時間割感覚は、人間にとってけっこう大切な訓練である。まったく違ったことを、時間を区切ってやっていく。こうなると、締切の時間があるので、そこまでにどうしても一定のものを仕上げて、次に行かなければいけない。そういうプログラムを自分に課するわけだ。
このようにして、違う質の仕事を1日に5つ、6つとこなしていくと、明らかに仕事の密度が高まってくる。同時に1日が非常に長く感じられ、「よく働いたな」と実感できるようになる。

西原克成氏との対談より(P117)

西原 …今の日本人の多くは、常時、口と肛門が開きっぱなしで、姿勢が悪い。これでは、健康は保てません。まず口をしっかり閉じて、歯と歯の間を1ミリ開ける。そして、尿道と肛門を閉じて、胸を張って横隔膜を上に向かってつり上げて、息を鼻から吸って鼻から吐く。そうすると、息を吸う時に自然に「丹田」がへこみます。そして、常時、こうした姿勢で歩いたり、座ったりすることを心がけると、腸の門脈の酸素不足が解消し、生理現象、リモデリングがスムーズになり、健康になるわけです。

英語は日本語よりも言葉の意味・中身を重視する文化(P143)

だから私たち日本人は、まず文化のモードチェンジをしなければいけません。「Yes」「No」をはっきりさせ、話の中身の意味を煮詰めてシンプルにする。そういうトレーニングも大事です。

身体をゆるめると自然に英語モードに(P146)

英語は、肩甲骨のまわりを柔らかくして話す言葉なんです。「Oh!Yeah」といった風に、大げさなほどジェスチャーを交えながら、テンションを高くしてしゃべる。肩甲骨まわりが柔らかくなると、呼吸が全体的に深くなります。それで上半身がリラックスした感じになるんですね。
私は英語の身体にシフトチェンジしようとする時、東京芸大野口三千三(みちぞう)が創始した「野口体操」を実践しています。身体をまるで液体のように揺さぶっていると、自然に英語モードに近づいていくんです。

英語はポジティブな言語文化(P147)

どうしても日本語の会話はネガティブな言葉からスタートする場合が多いのですが、英語を母国語とするビジネスマンはそうした表現を嫌います。言っている内容が同じだろうと、前向きな言葉や文章にしていかなければ聞こうとはしないのです。

進藤晶子氏との対談より(P187)

エネルギーって出せば出すほど、湧いてくるものだと思うんですよね。
(中略)
回転するものだと思うので、出し切ると、また次が入ってくる。よく腹八分目とか七分目とか言いますけど、エネルギー消費に関しては七分目で抑えておくと、増えないものなんですね。1回、すべて出し切っちゃうと、器が大きくなる。

自分を元気にする秘訣(P197)

子供の頃の記憶、子供の頃の時間を、意識的に自分の中に流してやるんです。子供の頃の自分を自分のうちに甦らせることは、バイタリティの源になります。

不器用放談より(スポーツジャーナリスト:永谷脩氏/藤島大氏)(P267)

藤島 …不器用な選手である程度成功する人っていうのは頭がいいですね。不器用は知性なんです。要するに自分を客観視できるから、その競技の中で、技術的に特化して優れた技を身につける。そして生きていく術を身につける。

量をこなすエネルギーは不器用の自覚から生まれる(P279)

自分の技を磨く。それには大量の練習が必要です。量をこなすエネルギーは不器用の自覚から生まれます。不器用を自覚すると、粘らなきゃ生きていけないことが分かる。中途半端に器用な人のように、すぐに投げ出すことがないんです。

目的意識がないと結果は出ない(P284)

型を習得した身体というのは、芸を立派にやらなきゃいけない、スポーツの場合でいえば勝たなきゃならない、という目的意識によってできている。ところが、ただの筋トレというのは目的意識がないように思うんです。目標を設定すれば、想像以上に早く、強い筋肉ができるかもしれない。

*1:目を見る・微笑む・うなずく・あいづちをうつ