「質問力」というキーワードは、齋藤先生のコミュニケーションに関する著作でたびたび出てくるが、先日『「できる人」の極意!』を読んだ時にこの本の存在を知って、読んでみた。
さらっと読める本だが、内容は濃く、取り入れやすいポイントがまとまっていた。
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サブタイトルでもわかる通り、話し上手は質問力が高いと齋藤先生は考えている。対話上手、と言った方がいいかもしれない。
聞き方がうまければ、自分に実力がなくてもおもしろい人のおもしろい話が聞き出せるということだ(P19)
つまり、コミュニケーションが苦手な人は、まず質問力を磨くことで対話力が上がるのだ。
具体的には
1.「座標軸」でいい質問を意識する
自分の質問は4つのグループのどこに入るのかを考えることで、相手にとっても自分にとってもプラスの質問をすることができる。いい質問とは「具体的かつ本質的」なもの。答えやすく、そこからさらに話が広がっていくような質問だ。
2.さまざまな技を学ぶ
齋藤先生がよく書かれているのが
コミュニケーションの秘訣は「沿いつつずらす」こと(P64)
という技。うなづきやあいづちから始まって、少しずつ高度な技に進化していく。
3.対談の例でいい質問を学ぶ
この本ではさまざまな実際の対談が引用されていて、くわしい解説も載っているのでなるほど、これがこの技か、と確認できる。
うしろの方になってくると*1そのまま取り入れるのはむずかしいが、意図を持って質問するとどうなるのか、話の流れが質問でどう変わるのかがわかって面白い。
他にも、齋藤先生が授業で実際にされている「質問力」ゲームは簡単だがいいトレーニングになりそうだ。人数が必要なので普通の人が実際にやるのはむずかしそうだが、イベントなどで人数が集まる時にはやってみたい。
この本を読むことで「質問」に対する意識が高まると、その後は会話やテレビ・雑誌の対談などを見る時にポイントが変わってくると思う。それだけでも質問力を磨く練習になりそうだ。
コミュニケーション力を磨きたいすべての人におすすめの本。特に、苦手意識のある人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:質問する前に座標軸を思い浮かべてチェック
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読書日記:『「できる人」の極意!』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
「具体的かつ本質的」な質問を意識する(P49)
いつも座標軸を心に持って話をするだけで、格段に質問は違ってくるはずだ。
※本質的←→非本質的、具体的←→抽象的のマトリックス
相手に共感して深めていく「沿う技」(P70)
これは主に
・共感系…相手に共感して沿っていく方法
・まとめ系…相手の考えをまとめる方法
・整理系…相手の雑然とした考えを整理する方法
がある。