毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

出世が最短の時間術?!☆☆☆

※ポケット版もあります→時間の教科書―ポケット判おちまさとプロデュース
著者・おちまさとさんの『相手に9割しゃべらせる質問術』を読んだ時、“この人は時間をムダにするのが嫌いな人なんだな”と思う記述があった。どんな著作があるのか調べてみて見つけたのがこの本。時間にシビアな人がどんなことを書いているのか、興味があって読んでみた。
意外な本だった。


おそらく、ターゲットはビジネスマン男性だと思う。前書きに“お手軽なハック本ではない”というようなことを書いてある通り、一般的な時間術の本を期待すると肩すかしに合う。何しろ、大まじめに「出世は時間を巻く」*1と書いてあるからだ。
出世すれば、権限も増えて人脈も広がるので、結果的に時間が有効に使えるのは確かだ。でも、一般的に時間術を知りたいと思って読んだ人がこの答を喜ぶだろうか。そういう意味で画期的な本だ。

他にも、新人が会社にいたくなくなっても3年はがんばれ、という話。もちろん根拠も説得力もある。でも、正直に言って「時間の教科書」に書いてあると思う人は少ないのではないか。


もちろん、HowToの部分もあり、くわしく説明してある。それを取り入れる事もできる。
だが、この本のメインは時間という概念をどうとらえるか、という話なのだ。
さらに、本の作りにやや癖があり、ふざけた注釈や思わず力が抜ける劇画挿絵など、好みが分かれると思う。

著者はもともと番組プロデューサー。、1時間に10個の用事をこなすために「1時間のバラエティ番組で考える」というのは斬新なアイデアだと思う。また、時間にシビアなのは番組制作による習慣なのかもしれない。この、「時間感覚を養う」というのも大切なことだ。この本でも、やり方が紹介されている。
なお、各章の最後に練習問題があり、この内容はさすがの充実度なので、買ってみっちりやるならいい本かもしれない。
読んでみたい方は*2、できるだけ実物を見て、趣味が合うかどうかを確認してからをおすすめします。
私のアクション:ふだんやっている作業にかかる時間を把握する
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

プライオリティ癖をつける(P50)

※イメージとしては急行列車(=一気にスパートする仕事)と普通列車(=毎日コツコツする仕事)と考える。
まず1駅ずつ丁寧に停車する普通列車をスタートさせる。そしてその後、途中の重要なポイントさえチェックすればいいような動きを見せる急行列車を発車させる。
こうして、スピードの違う、止まり方も違うふたつの列車が、それぞれのレールの上を動き、最終的には同時に終点に到着します。

タイム・プライオリティの決め方(P56)

最初に着手すべきなのは…「時間のかかるものから」、です。そう、各駅停車からです。

ポジティブ・プランニング(PP)とネガティブ・シミュレーション(NS)(P74)

…オファーがあった時には、まず「できる!」というPPからすべてを出発させます。まず、成功させたことを想定します。とにかく夢想レベルで考えちゃいます。
成功は結論です。何にせよ成功を望むなら、結論から逆算しましょう。
(中略)
NSとは否定的な状況を考えること、これから起こりうる不測の事態に対し自分がどのように対応すればいいのかを想定することです。
PPでできる!と言っちゃったことを、今度は思い切りネガティブに、つまりハプニング満載の状況を設定して綿密に精査するのです。
(中略)
うまく行かない可能性が高い→シミュレート済み→回避案も検討済み→そのイメージに沿ってスムーズに行動、という流れを作るためのNSなのです。
(中略)
…「PP・NS」がセットで身につくと、早く間違いのない判断ができるようになります。

3秒で結論を下す(P78)

できるできないをせせでパッと決め、考え得る限りのNSを頭の中でぐるぐるっと回し、答を導き出す。時間にして3秒、長くても5秒、深呼吸ひとつ分くらいの間合いで行いたいものです。
(中略)
…「新宿までの車移動」なら、全行程を3秒で検証するには複雑すぎますから、大まかに道のりだけを先に決めて、あとはそのつど、PPとNSをくり返す、といった具合です。
(中略)
これらのことが、日常的にできるようになる、というのが時間の達人への必須条項だと言えるでしょう。まずは3秒でその時の結論を出せるようにトレーニングしてみましょう。そして、最終的に目指すは1秒。瞬時にぱっと結論を出す。思いつきではなく、きちんと検証までした即決、それが大切なのです。

時間感覚を養うコツ(P128)

ここで重要になってくるのは過去の「時間に関する記憶」です。一緒に食事をしている相手がゆっくりと食べる人なのか、早食いなのか、仕事でよく訪れる市役所のエレベーターは平均でどのくらい待たされるのか。……このような過去の「時間に関する記憶」は、常に取り出しやすいようにしておきましょう。

*1:著者が薦める時間を操る3つの方法が「巻く」「歪める」「時間を倍に使う」

*2:今はポケット版のみになっているようです