本もたくさん出されているのでご存じの方も多いかもしれない。私も何冊か読んでいる。
たまたま幻冬舎新書の別の本を読んだ時、うしろの広告に載っていたのを見て読んでみた。持続力がないのが昔からの悩みなので。オーソドックスな方法がほとんどだが、いくつかヒントになることがあった。
ご自身の経験と、受験生と長年接する中で気づいたことが中心になっている。なので、例はほぼ司法試験の勉強法だ。だが、上手にたとえ話をしてくれたり、文章がていねいでわかりやすいので、司法試験以外の資格を目指す人や、語学学習などにも応用できる。
私は特にモチベーションの維持と、計画の見直し方法が役に立った。
計画を立ててもそれが継続できないと自分がダメだから、と責めてしまいがちだが、いろいろなコツがあるのだ。
うしろの3章(6〜8章)は勉強法から離れ、事業を維持するとか、人生における続ける力という大きなテーマになるので、勉強を続けて結果を出したい人には5章までで充分。
やる気はあるけど長続きしないのが悩み、という人には特にお勧めです。
私のアクション:計画を見直す機会を作っておく
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
モチベーションの維持とは(P50)
正確には、「モチベーションを上げること」というより、「モチベーションの下げ幅をできるだけ小さくとどめること」といえます。
(中略)
モチベーションは、新しいこと・むずかしいことに挑戦している時ほど、高いレベルで維持することができます。
スランプになるのは、がんばっている証拠(P57)
「自分の掲げた目標よりも到達点が低い」ということですから、そもそも高い目標を持っていない人、何らかのレベルまで到達していない人は、スランプに陥りません。
サボっている人に、スランプはないのです。
スランプを重症化させないポイント2(P61)
1.部分的な問題を全体視しない…×ひとつかふたつの科目で成績が伸び悩んでいるだけなのに、全部の科目がダメだと思い込んでしまう。
2.短期的な問題を永続化しない…×問題は一時的なものなのに、いつまでも続くように思ってしまう。
(中略)
言いかえれば、スランプに陥った時は、狭くなった視野を広げるのが大事ということです。
本試験で恥をかかないよう、今のうちに恥をかけ(P83)
最初の段階で誤解やカン違いを修正し、弱点を克服しておかなければ、本番の試験で恥をかくことになります。
(中略)
実務についてからの失敗は、他人や社会に迷惑をかけることになるので、「恥ずかしい」ではすみません。
「恥をかくことを恐れない」=「人の目を気にしない」(P84)
生き方はそれぞれ違っていていい、ほかの人と同じである必要はないことを、しっかりと自覚するのは、何をする上でも、とても大切です。
実行してわかったことを踏まえ、計画を常に見直していくこと(P100)
計画とは、立てて終わるものではなく、「実行」→「反省」→「修正」→「実行」というサイクルまで含んでいます。
(中略)
1ヶ月に一度でも3ヶ月に一度でもいいので、見直すタイミングを決めておいて、その時期になったら、たとえ順調に進んでいたとしても必ず検証する。
(中略)
特にまじめな人は、「計画通りに実行できないのは、自分がダメだからだ」と自分を責める気持ちが強いので…一定のサイクルで計画を見直すことは大切なのです。
遅れは取り戻すのではなく「リセット」(P103)
見直し作業をしてみると、「積み残し」だと思っていたことが、実はもう必要がないと気づくこともあります。あるいは、「絶対にやらなければならない積み残し」と「余裕があればやった方がいい積み残し」に分けられることもあるはずです。
そうやって「やるべきこと」を減らしていくことも、計画の見直しの大きな目的です。
悩みは紙に書いて整理(P107)
不安や悩みごとがある時も、全部紙に書き出してみると、頭の整理に役立ちます。
(中略)
書き出した紙は、くしゃくしゃっと丸めて、ゴミ箱に捨ててしまえば、不安も一緒に捨ててしまった気分になり、スッキリします。
「何時間やるか」は計画ではない(P110)
…限られた時間に、どれだけの勉強量を押し込むかを決めることが、計画のもっとも肝心なところです。1時間で本を「何ページ」読むのか、問題を「何問」解くのかを決めることが、目標を「数値化」するということなのです。
勉強も仕事も、コツは「皿回し」(P111)
ひとつの科目に集中する方が効率がよいように思えますが、長い時間をとると必ず中だるみします。それより時間を短く区切った方が集中力が高まります。科目を替えることは、気分転換にもなります。
(中略)
初心者は、最初は2、3枚回すだけでも手一杯です。しかし、次第に素早く少ない力で回転を増すコツが身について、最後の本番には…全部をトップスピードで回せるようになります。
ポイントは、1枚ずつ順番にトップスピードに仕上げていくのではなく、落ちそうなところを食い止め食い止めしながら、平均してスピードを上げていくところにあります。
(中略)
複数の科目を並行させるほか、「仕事と勉強と家事」のように複数のことを掛け持ちする場合にも、この「皿回し」のイメージトレーニングは役に立ちます。
「力を伸ばす」と「力を維持する」のバランスが大切(P113)
また、このバランスは、ゴールまでの距離に合わせて変えていく必要があります。
最初のうちはすべてが新しい学習なので、「力を伸ばす」がメインです。しかし、少し進めば、すぐに「復習」が必要になります。しばらくは、前者が8〜9割、後者が1〜2割といったところでしょうか。
その差は計画が進むに従って縮まり、やがて五分五分のウエイトになります。さらに、今度は主従が逆転して、「力を維持する」がメイン、「力を伸ばす」がサブになる。
試験勉強であれば、試験の直前には新たに学ぶべきものがなくなり、「力を維持する」だけになっていなくてはなりません。
記憶のゴールデンタイムは「直後」と「寝る前の10分間」(P129)
だから私は受験生に、教室で講義を受けたあと、家に帰って復習する前に、その場で5分でも10分でもいいからノートを見直すことを勧めています。何を習ったのかをおおざっぱに確認しておくだけでも、その後の定着度がぐんとよくなります。
(中略)
…人間は眠っている間、その日インプットされたことを整理し、記憶を定着します。昼間なかなか記憶のための時間が取れない人は、ぜひ、この時間を記憶に当てる習慣を作ってほしいと思います。