毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

禅を外国人の目から見る☆☆☆

弓と禅 改版
オイゲン・ヘリゲル
福村出版(1981/11)
¥1,470
※文庫版があります『日本の弓術 (岩波文庫)』(¥504)*1

齋藤先生の『結果を出す人の「やる気」の技術』で紹介されていた本。
古い本なので、翻訳そのものが古い。読むのに骨が折れるが、弓道を通して禅を理解していくプロセスが素晴らしい。


著者のオイゲン・ヘリゲル氏はドイツ人で、1924(大正13)〜1929(昭和4)年にかけて、東北帝国大学講師として日本に赴任してきた人だ。
専門は哲学で、もともと神秘主義に興味があったところ、日本で教えないかという話があり、喜んで赴いたという。

せっかくだから禅について理解を深めたいと思い、教授仲間で弓道を学んでいた人に頼んで師範に弟子入りを果たす。その後、ほぼ6年にわたる稽古を積んだ著者が、それに伴う意識の変化について記録したものがこの本だ。

師範とのやりとりが興味深い。“考えずにただ感じなさい”というような指導と、西洋哲学らしい頭で論理的に理解したい著者とのぶつかり合いは壮絶だ。
しかし、あきらめずに続けることで、著者は次第に弓道の奥義を深めていく。そして、禅に対する理解も自然に深まっていくのだ。


日本人なら何となくわかる「禅」を、海外の人に伝える画期的な本だったようだ。
だが、この当時の日本人ならともかく、今の私たちがどれだけ禅を理解しているだろう。この本を読んで、あえて外からの目で見てみるのもいいと思う。
日本語は難解だが、読むだけで心がすがすがしくなります。
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*1:2014.2.14追記:五木寛之さんと玄侑宗久さんの対談『息の発見』にありました