この本を書きはじめたのは2001年、というのが面白い。きっと、出版が目的ではなく、最初は自分のためにまとめていたのではないだろうか。
小出監督を始め、学生時代の監督さんや関係者もいろいろ出てくる。
もともと素質が突出した選手ではなく、努力して結果をつかんだ高橋さん。芽が出なくて焦った時や、悩んだ時に支えになった言葉がエピソードと共に紹介されている。
これを読むと、なぜ高橋さんがあれだけ人気があるのかわかる気がする。心の美しさというか、精一杯自分を育ててきたすがすがしさを感じた。
小出監督の言葉がそれを物語っていると思う。
「Qちゃんは自分を他人と比べないから、嫉妬もしなければプレッシャーもないんだよ」(P41)
高橋さんの成長記録としても読めるし、小出監督のもとを離れた時から引退を決めるまでの真相がわかる本でもある。
いろいろに読める本だし、やはりランナーにとって役に立つ言葉が多い。
でも、人生に役立つ言葉も。ちょっと落ち込んでいる時も、またがんばろう、と思えるヒントになるはず。
Qちゃんは何となく好き、という人はぜひ手に取ってみてください。気持ちが洗われます。
私のアクション:“ちょっとだけ頑張る”を毎日続ける
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
『笑顔で生きる魔法の言葉』高橋尚子 角川書店
丸い月夜も一夜だけ(P7)
山梨学院が箱根駅伝の出場を決めて喜びの絶頂にある時、上田監督が皆の気持ちを引き締めるために伝えた言葉だそうです。今は絶頂だけど、今夜の満月も明日からは欠けていく。そしてまた、次の満月に向かわなければならない。絶頂の時こそ、次の一歩を踏み出さなければいけない。
“ちょっとだけ頑張る”ことを毎日続けてみよう(P21)
それは陸上選手に限らず、どんな仕事にもあてはまるのではないでしょうか。すぐに効果が出るものではないけれど、この小さな積み重ねは決してムダにはならないもの。
いつか必ず差になって出てきます。
目標達成への一番の近道は、今日1日を全力投球で過ごすこと(P48)
毎日全力で過ごすことができ、スタートラインに立つことができたら、あとで振り返った時に、「あの時、こうしておけばよかった」「どうして、あれをしなかったんだろう」そんな後悔がないんです。
(中略)
遊びも含めて、毎日、全力投球。全力を尽くして、悔いなく生きる。今日できることは今日しておく。
夢を持てば、また必ず光が見える(P98)
「今どれだけ闇の中にいる人も目標を持って一歩を踏み出すことで充実した毎日を過ごすことができます。そして子供だけでなく、年を重ねた方も1日という時間は、平等に与えられたチャンスの時間です。今日1日、どうか充実した日を過ごしてください」
自分の人生を評価するのは、自分自身(P120)
もし、人に批判されたり悪口を言われたりした時には、自分を見つめ直す機会にすればいいんです。いわれて落ち込んだままでいるなんてつまらない。自分がダメかどうかは、自分が決めることです。また自分が幸せなら、誰が何と言おうと幸せなのです。