毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

海外の作品も積極的に読もう☆☆☆☆

理想の国語教科書』に続くシリーズ2冊目がこちらの赤版。
「あとがき」によれば、齋藤先生はこのシリーズを毎年1冊出す意向をお持ちだったようだ。ただ、残念ながら2003年に出た赤版のあとは今のところ出ていない。
毎年が無理でも、何年かに1冊新しい“国語教科書”が読めると楽しいだろうな、と思う。そのくらいこの赤版も読みごたえがあった。


赤版の大きな特徴は、さらに積極的に外国の作品が取り上げられていること*1。その意図するところは

日本の作家や思想家だけではどうしても幅が狭くなってしまう。世界的に認められている教養を身につけることは、どうしても必要なことだ。まずは名前に慣れて欲しいいとうこともあり、ビッグネームを数多く用意した。翻訳家の方々の優れた日本語の技も同時に味わっていただきたい(はしがき:P6〜7)。

確かにビッグネーム揃いだ。『ドン・キホーテ』『レ・ミゼラブル』『ハムレット』に齋藤先生がいろんなところで熱く語っている『罪と罰』など。
こういう教科書で学んでいれば、海外文学をほとんど読まずに成人してしまう、私のような偏った本好きが減るだろうと思った。

日本の作品もバラエティに富んでいて、内田百輭の随筆や落語、和辻哲郎宮沢賢治のあまり知られていない作品まで読めて楽しい。


赤版のもうひとつの特徴は、“前口上”がついていることだ。長い作品の一部を取り上げていることが多いため、導入として載せたそうだが、これがまるで講談師のようで、小学生が喜びそうだ。


個人的には『ゲーテとの対話』が読めてうれしかった。これなら読めそうだ。
他には、パール・バック聖書物語〈旧約篇〉 (1981年)*2下村湖人論語物語』が面白かった。こういう、もともとある本をストーリー仕立てにしたものはふだんあまり手に取らないが、読みやすく、理解しやすいことがよくわかった。

教科書としての使い方は前作と同様だ。なお、具体的な使い方は『子どもの日本語力をきたえる』にくわしく紹介されているそうなので、親子で読みたい方は一緒にどうぞ。
もちろん、大人も楽しめる。「ダイジェストつきブックガイド」として読むのもいいと思う。
私のアクション:『ゲーテとの対話*3を読んでみよう
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*1:半数が外国のテキストになっています

*2:掲載されていたのはノアの箱船のエピソード:出典とされている本にリンクしていますが、現在は入手困難かもしれません

*3:こちらのリンクは岩波文庫上巻です