毎日「ゴキゲン♪」の法則

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大量に暗記が可能!夢の記憶術☆☆☆☆

読んだら、きちんと自分の知識にする方法』の著者、宮口公寿さんの、記憶術を一挙公開した本。
先に読んだ本ではわかりにくかったポイントも詳しく紹介してあるので、合わせて読んでよかった。


この本の第1章は、宮口さんが記憶術でいかに人生を切り拓いたか、その苦労が語られている。単に記憶術を学びたい人にとってこの章が必要かちょっと疑問だが、「場所法」を確立するのに大変な苦労をされていたことを知り、これを本で伝授してもらえるありがたさを感じた。

表紙に宮口さんの東大・大学院時代の学生証が「これが証拠だ!」とばかりに掲載されているので硬そうな印象を受けたが、中身は2色刷で読みやすい参考書のよう。


記憶術の最初の難関、イメージングについてくわしく説明してあるのはもちろん、写真を使った場所法を、例を挙げながら懇切丁寧な解説があったり、暗記するための下線をどの程度どこに引くのか、実際にこの例文なら著者はどんなイメージを作るのか、などかゆいところに手が届く内容だ。
また、宮口式記憶法を実際に学んでいる人の実例も出ているので参考になる。


大学受験や資格試験のための勉強に暗記が必要な人なら、この本がわかりやすくていいと思う。
今までに他の記憶術をかじったことがある人や、センスのある人ならこの本1冊でマスターできるのではないだろうか。本でここまで開示してしまう宮口さんの器の大きさに感動した。


暗記科目が苦手、という人や、必要に迫られて勉強しているが、年齢と共に記憶力が落ちてきた…という人はぜひ読んでほしい本。まるまる全部身につけなくても、記憶のコツやヒントも学べます。
私のアクション:写真で場所法を試してみる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

コツは広範囲を一気にゆるく覚える(P52)

はじめからひとつひとつを細かく覚えていくよりも、はじめは「全体を眺めて」、ポイントとなる知識を取捨選択しながら、広範囲の部分を一気に“ゆるく”覚えていった方が、実はその後の記憶はスムーズに進むのです。
(中略)
ポイントとなる知識をとらえながら広範囲に覚えると、覚えた知識同士が頭の中で「化学反応」を起こして、より強固な骨組みとなり、そこに強固な理解が生まれます。つまり、全力で細かいものを覚えていくよりも、なるべく広範囲のものを、ゆるく覚えていく方が、効果的に記憶できるのです。

まず最初から最後までページをめくる(P61)

まず、覚えたい範囲を最初から最後まで、どんどんページをめくっていきます。そうすると、「絶対に落としてはいけない部分」があるのがわかります。
たとえば日本史の教科書では、「明治維新」「第2次世界大戦の終結」などといった、歴史の曲がり角の部分が「絶対に落としてはいけない部分」にあたります。
その部分を踏まえながら、もう一度、最初から最後まで読んでいきます。
次に、その「落としてはいけない部分」の関係性がわかるような“補足情報”の部分を探します。「歴史の曲がり角」には必ず「為政者の大きな交替がある」「それに合わせて法制度も大きく変わる」といった部分です。その部分を一気に覚えていきます。記憶術で覚えるべき部分は、まさにこの部分なのです。
ここで頭の中で“ゆるい”知識の回路ができます。
最後に、復習の過程で「覚えた知識」を頭の中で高速でチェックしていきます。一度できた頭の中の回路が、この復習のプロセスにより、さらに強固になるのです。

「全体の流れが把握できる」最小限の箇所に線を引くのがコツ(P116)

下線を減らした方が、下線をたくさん引くよりも理解が進む(P153)

=70%理解

記憶の芋づる(P166)

人間には、…「感覚」から数珠つなぎに「何か」を思い出すという優れた能力があります。
(中略)
思い出したいことが直接思い出せなくても、その芋づるの“つる”を引っ張り出せれば、そこをたどって、目的とする情報に確実にたどり着くことが可能です。

下線の数は少なく、ひとつの下線は長めに(P170)

例:「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうに」(日本国憲法より)「政府の行為」や「戦争」という言葉は、憲法や他の法律を覚える時にも登場することになります。つまり、混同して忘れやすくなるのです。
そこで、単位を大きめにすることで、よりユニークでオリジナルな自分のイメージを作りやすくするのです。たとえば、
「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうに」
であれば、私ならば「政府の行為」から「国会議員」を、「戦争の惨禍」から「戦争で荒廃した国土」をそれぞれイメージ化した上で、その2つを「戦争で荒廃した国土の上に、国会議員が倒れている姿」に組み合わせたイメージにします。
この程度に組み合わせたイメージなら覚えるのも簡単ですし、これと同じイメージが新たに出てきて混乱するリスクもぐっと抑えられます。
組み合わせによってイメージの数を減らすのは、宮口式記憶術の究極のノウハウのひとつです。

1枚の写真には4〜20個のイメージが最適(P174)

単語の暗記法「単純過剰学習法」(P188)

・毎日(短時間)やる
・当日分(新しい単語)、前日分、前々日分(復習)の単語を勉強する
最も重要な点は、「すべてを覚えようとしない」この1点に尽きます。
100語勉強したからといって、100語すべてを覚える必要はないのです。「すべてを覚えなければならない」という精神的重圧から自分を解放すると、不思議なくらい記憶の能率が上がります。
もちろん80語をノルマとする必要もありません。100語勉強して30語が覚えられたら、それは「毎日30語も覚えられた」のであって、「30語しか覚えられなかった」のでは決してないのです(だって、1ヶ月に900語もですよ!)。

余裕があればイメージと合わせて覚える(P188)

たとえば「贖罪」「弁済」を意味するredemptionという言葉がありますが、私はこの単語を見ると、「民衆がキリストに許しを請う」宗教画のようなイメージが思い浮かびます。
英単語は数が多すぎるので、すべての言葉をイメージ化して覚えるのはおすすめしませんが、特に重要な単語はイメージと合わせて記憶すると忘れることがなくなります。