毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

科学に絶対はない☆☆☆

小飼弾氏の『新書がベスト』で薦められていた本。
非・理系*1の私に読めるのかちょっと不安だったが、文体が語り口調で読みやすく、わかりやすい例もたくさん挙げてあるので楽しく読めた。
さすがは学者ではなくサイエンスライターの書いた本だ。

著者の竹内薫さんはペンネームで小説も書いている方だが、東京大学理学部物理学科卒業という輝かしい経歴の持ち主*2。著書は相対性理論超ひも理論などの、素人には難解な理論に関する本も多い。
そんな人が「科学とは何か」をていねいに教えてくれるのだ。

 

この本によれば、普通の人が考えている「科学とはこんなもの」という概念はかなりまちがっているようだ。
衝撃を受けたのがプロローグにあった次の言葉。

よく「科学的根拠」がないものは無視されたりしますが、 それはまったくナンセンスです。
なぜなら、科学はぜんぶ「仮説にすぎない」からです。(P33)

科学に絶対はなく、今は“これが結論”とされているものも、明日にも新しい理論が出てきたり、反証される可能性があるそうだ。ここが数学と違うところだという。数学は証明できればそれで終わりだが、科学は今後いつ反証されるかわからないので、永遠に証明はできないのだ。

科学は実は「哲学の一部である」という、西洋では当然のことが日本ではあまり知られておらず*3科学史などの伝統を受け継いでいないのが大きな問題、という著者の説には説得力がある。

 

読み進むうちに、自分の中の思い込みや常識が取り払われ、硬い頭が柔らかくなってくる。
「こういう考え方をしてもいいんだ」と知っておくだけでものの見方が大きく変わりそうだ。
若い世代には視野を狭めないために、それ以外の方には何でも鵜呑みにしないために、ぜひ読んでほしい本。
私のアクション:「これが仮説だとしたら?」と考えてみる


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*1:正しくは理数系が苦手

*2:ついでに言うと茂木健一郎さんの学友で親友だとか

*3:哲学からさまざまな学問が派生したそうですが、日本には細分化されて科学として確立したあとの形で導入されたため