実は続編『自己プロデュース力』*1もあり、よくわからないまま両方予約したら同時に来てしまった。
どちらも4人の偉人の生き方を追いながら、そこから私たちも学べるポイントを先生が抽出してくれるというありがたい本だ。
特に、こちらの本は楽しく読めた。
1冊目で取り上げてあるのはピカソ、宮沢賢治、シャネル、イチローの4人。
齋藤先生の「天才」の定義は一般的なものと少し違う。天才は生まれついての天才であり、何もしなくてもずば抜けた結果が出せると思いがちだが、齋藤流の解釈は天才は努力が苦にならない、集中力がずば抜けて持続する、自分のスタイルを持っているなど、私たちでも真似ができる部分が多いという。
4人に共通するのはとにかく量をこなしていること。とにかくどんどんエネルギーを出すことでさらにエネルギーが増え、量をこなすことでそれが質に転化するという。
それぞれから学べることもたくさんあり、どれもなるほど、と思えることが多かった。
イチロー選手はたくさんインタビューなども読んでいるし、ピカソはたまたま中学時代に授業で生涯を調べてまとめたことがあるので、抽出されたポイントが納得できた。
実はどんな人生なのかよく知らなかった宮沢賢治とココ・シャネル*2は、伝記としても読めるうえに学ぶべきポイントも提示されていて、“一粒で二度おいしい”本だった。
私たちが天才になることはむずかしくても、量を質に転化することはそれなりにできそうだ、と気持ちが前向きになった。
あれこれ言う前にとにかく量をこなしてみよう(P232)
がこの本のテーマだそうだ。
考えるばかりでなかなか動けない人は、この本を読んで起爆剤にするのもよさそうだ。
取り上げてある4人の誰かひとりでも興味があるなら、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:波が来たら乗ってしまう
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
人生を上手く生きるコツは「自己肯定」(P4)
人は、ただ何となく才能がある、というのではなくて、自分自身の一貫したやり方――スタイルを持つことによって、燃えるような自分の存在感を感じることができます。そして自分に対して肯定的になれます。自分の生まれ持った体つき、生まれ持った脳の働き方の癖、自分の好き嫌いの傾向といったものすべてを包み込んでトータルに、自分という存在、自分の人生を肯定できること――それがまさに人生を上手く生きるコツなのです。
「自己肯定の回路」を持つ(P4)
すべてを包み込んだ自分のスタイルがあると、人生がこれまでよりもずっと積極的な意味を持ってきます。そのスタイルが「自己肯定の回路」です。天才たちは、すばらしく性能がよい「自己肯定の回路」を持っているのです。
徹底的に打ち込んで、次へ行く(P57)
※キュビズムのあとに伝統的な表現に戻ったことに対して「ピカソはキュビズムを裏切った」と非難された
ピカソにしてみると、ある様式を守るとか、何かを守るという発想でやっているわけではないのです。その世界に自分自身を染め上げて、そこで自分自身が何かを完全につかみ取ったら、次へ進むというだけです。
(中略)
私たちがピカソから盗むとすれば、ある程度の長期にわたる一定期間、自らが、その世界に染まり込むほどに意図的に、徹底的に行うということです。…そこで何をつかみ取ったら、そこを出てまた別の世界に行けばいいのです。
(中略)
一生というさらに長期の段取りをすためには、3年から5年くらいの段取りを重ねていくという方法がいいのです。
波が来たら乗ってしまう(P107)
自分にとって波が来る時というのがあります。そういう波が来た時には、躊躇せず大量にやり切ってしまうというのが、仕事のスケールを大きくするコツです。
多かれ少なかれ、誰にでも、ビッグウェーブが来る時はあるのです。その波が来た時には一気に乗らないと、なかなか次のステージには行けません。そして、そのステージに行ってみないと、その次のステージ(段階)も見えないものです。
(中略)
(宮沢賢治の場合)もちろんいくつかを並行してはいますが、ある波が来た時には、一気にそこに全力を尽くすというやり方です。そういうやり方だからこそ、量をこなすことができ、それが質を高めることに転化していくのです。
どんな人でも波が来る時がある(P110)
人によっては、せっかく波が来ても、日常の延長の意識でいると、その波を小さいままで終わらせてしまう。「よし波が来た」と感じた時には、その波を大事にして自分で大きくしていくという工夫が必要です。
(中略)
自分の中に「集中してできるぞ」という波が来た時に、敏感にそれに対応できるためには、自覚的にならないといけない。
複数の自己イメージを武器にする(P125)
また賢治には、詩人としてのアイデンティティもあったし、科学者としてのアイデンティティもあったし、農業改革家としてのアイデンティティもあったでしょう。あるいはある時は、自分は宗教家であると思った時もあるでしょう。
それがいろいろな状況において、ポジティブに難関を抜け出していく時に手助けになります。…アイデンティティというのは自己イメージですから、複数あってもいっこうにかまわないわけです。
自己イメージをひとつではなく複数持つことが、現実を切り抜けていく時のパワーになるのです。
相手のエネルギー値を見極めるという力は誰でも持っている(P176)
その目が狂うのは、たとえばどこの大学出身だから優秀だとか、一流企業の役職者だからエライのだろうといった見方をするから曇ってくるのです。そうした見方を外して、相手と話していれば、本来必ず感じるはずのものです。
自分がどういう時にエネルギーの蓋が開くのかを意識する(P177)
それがわかれば、自分のエネルギーの蓋を開くように持っていけばいいのです。
シャネルの場合、自分のエネルギーの蓋が開くように、エネルギーが高まるような人とつき合う技を持っていたのです。
つねに原点に立ち返る(P227)
天才の共通点というのは、どんな人でも驚くほど新鮮さを保っていることです。
天才ですから、およそのこと、自分が属している業界のことは全部わかっているわけです。それにもかかわらず、新鮮さを保っていられるというのが才能なのです。
(中略)
ある原点を持っている、原風景を持っている人の方が強いのです。そういう人は、自分の原点、原風景を何度も反復して技化しているのです。