毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「ラッキーな人」とは何が違うのか☆☆☆☆

ラッキーな人の法則
小杉 俊哉
中経出版(2011/12/16)
¥1,470
【2019/02/25UP】
この本を読むきっかけは、ネットで見かけて興味を持ったからだったと思う。その時は見たのは『ラッキーをつかみ取る技術 (光文社新書)』の方だったと思うが、こちらの方があとから出ているので選択した覚えがある。
読みやすく、示唆に満ちた本だった。今回読み直してみて、さらにその思いが強くなった。


著者は、親族の事業の失敗などから、不運な子ども時代を過ごしたそうだ。その後、父親が新たに始めた仕事で成功、経済的に安定し、ラッキーな人生へと変化したという。
その振り幅に疑問を感じ、いつしかラッキーに関する文献を読みあさり、研究するようになったそうだ。
この本は、教えている大学のゼミ生に協力してもらい、大規模な「ラッキー度調査」を行った結果を基に書かれたもの。
ポイントは「ラッキーかそうでないか」ではなく、さらに一歩進んだ「ラッキーを作り出すための方法」を教えてくれることだ。


改めて読んで、「何かに似ているな」と思った。
――去年読んだ 『運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則』(リチャード・ワイズマン著)だ*1
どちらも、多くの人に調査した結果がベースになっているのだが*2、結論が同じ。

出来事そのものが起こる率はラッキーな人にも、アンラッキーな人にも違いはない。違いは「それをどう受け止めるか」に尽きる。

……「次」に期待できるかどうか、ではないでしょうか。
楽観主義の人には「次」があります。うまくいかなかったら、「次はもっと準備してがんばろう」と思うし、うまくいった時には「次もうまくいくに違いない。ぜひ挑戦しよう」と思うからです(P44)。

つまり、楽観主義の人の方が、ラッキーな人生になりやすいことになる。


また、これもよく言われていることだが、「ラッキーは準備していた人のところにやって来る」のも事実。
「1万時間の法則」や、「正しい方向に努力しなければ結果はついてこない」こともきちんと書いてある。「人事を尽くして天命を待つ」と言えるまでやり切ったのか、と問われると耳が痛い。


個人的には、「失敗の定義」が改められそうな気がした。
失敗してもあきらめないとは、失敗したことをまったく省みないということではない。どうしてうまくいかなかったのかを分析する。そこから、次にうまく行くためにはどうすればいいのかを考える。そして、それを実行に移す。
これが、ラッキーな人に共通する、失敗へのアプローチの仕方だという。
これまで「失敗はしてはいけないもの、よくないもの、恥ずかしいもの」と思ってきたが、それを変えることで受け止め方や行動が変えられそうだ。


この本では上で紹介したことも含め、ラッキーな人が実践する法則が20紹介されている。
日本人が書いた本なので、日本人向けですぐ試せるのもありがたい。

日本海外を問わず、多くの名言が取り上げられているのも読む楽しみのひとつ。
リチャード・ワイズマン博士の本よりも薄く、すぐ読めるので、手に取りやすいはず。
まずは「楽観主義者になる」から始めてみませんか。

なお、初版本は巻末のラッキー度調査シートに誤りがあります。「*が付いている質問」と説明があるものの、実際には*が抜けています。点数計算ができないので、調べたところ出版社のサイトに掲載されていました
*がつく反転項目はQ12、14、27、35、38の5問。ご注意ください。
私のアクション:「できるまではできるフリ」をする*3
関連記事
読書日記:『運のいい人、悪い人』

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:現在は『運のいい人の法則 (角川文庫)』になっています

*2:この本でリチャード・ワイズマン博士の結果にも言及あり

*3:こういう表現は文中にはありません。「成し遂げるまではそのふりをしよう」という言葉を自分なりに意訳しました