毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

入門書として使える、著名人9人のレクチャー☆☆☆

この本も別の本で引用されていた*1のを読んで興味を持ち、図書館で予約したもの。
以前書店で見かけた時の装丁とタイトルから、ノート術の本だと思っていたらまったく違っていた。
各界で活躍する9人の著名人に、その人の得意分野についてレクチャーしてもらうという贅沢な本*2。予想外だったが楽しめた。


たくさん著書を読んでいる茂木健一郎さん、藤巻幸夫さん、築山節先生のページはそのまま復習として読めた。
「頭がいい人」の考え方を教えてくれるフェルミ推定の細谷さんと、仮説思考の内田和成さんの話は“ざっくりと全体像をつかむ、今ある情報から考えて結論を導く”という私の苦手分野だったので、いろいろと発見があった。

でも、一番読んで面白かったのは、クリエイティブディレクターの箭内道彦さん。中でも一番インパクトがあったのは矢沢永吉さんとのエピソードだった。人の心をつかむとはこういうことか、と衝撃を受けた。
箭内さんは現在休止中のNHKトップランナーで司会をされていたそうだ。一度見てみたかったが、残念。


きっと人によって面白いと感じるところ、役に立つところは違ってくると思う。今壁にぶつかっている人にとって救いになる本だと思うが、そこまで切羽詰まっていなくても楽しく読める。
内容がコンパクトにまとめられ、太字や赤線などがうまく使われているので、取っつきやすいのも大きなポイントだ。
著者名のリストを見て、この人知らないな、という人がもしいたら、ぜひ読んでみて下さい。
私のアクション:生活を見直し、「脳が冴える」リズムを作る


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
茂木健一郎

“思い出す”練習が大切(P16)

「思い出そう」としている時、アイデアを出す時と非常に近いことを脳はやっているのです。だから、記憶力や発想力をよくしようと思ったら…思い出すことをあきらめてはいけません。

「意欲」と「経験」両方必要(P19)

「いいアイデアを生み出したい」「こんな考えを言葉にしたい」という意欲と豊富な経験データのふたつがあるからこそ、掛け算としての“錬金術”が生み出されます。
…「意欲」と「経験」の両方を豊富に持つことができる人は…実は意欲のあるお年寄りが一番賢く強いはずなのです!
(中略)
欲望がある人ほど、アイデアを引き出しやすい(以下略)。

「寝る」ことで「自分の歪み」を治している(P24)

心理学者の河合隼雄さんは、日々、現代人は多かれ少なかれ無理しているといいました。
目に見えない無理を、誰もが抱えているのです。
昼間、学校や会社で本当の自分の気持ちが抑圧されると、無理が澱のように、心の奥にだんだんと溜まっていきます。
実は夢を見ることで、私たちは脳のそういう歪みを自ら治していることが、わかってきました。「寝る」ことで、不要な記憶を消したりもしているのです。「睡眠をとる」ことで体だけでなく、心までも自ら癒しているのが人間の脳の仕組みの素晴らしいところです。
細谷功

仮説思考の本質は「こちら側」でなく「向こう側」から考える(P105)

「始めから」でなく「終わりから」考える
「現在から」でなく「将来から」考える
「自分から」でなく「相手から」考える
「手段から」でなく「目的から」考える
「できることから」でなく「やるべきことから」考える

地頭力」をつける3つの心得(P110)

1.締切を作りましょう
時間のプレッシャーをかけた方が、あなたは効率的に動きます。
2.人に頼るのはやめましょう
地頭力とは「自分の頭の力」です。何事も「答」は自分の頭で生み出すものと考えましょう。それが、あなたを伸ばします。
3.「必ず、思い込みはある!」と認識しましょう
思い込みをなくす必要はありません。なくせないからです。必ず存在していると認識しておくことが、思い込みによるミスを減らしてくれます。
<内田和成>

スピード思考を身につけるには(P118)

「最初に、今ある手持ちの情報で答を出してしまう」ことが非常に大事です。

まず思い切って「結論はこうではないか」と仮説を出してしまえば、その仮説が正しいか間違っているかを検証する情報を集めるだけで、時間が節約できます。情報洪水に溺れなくてすみます。

「やらなくていいことがわかる」「やるべきことが少なくなる」――これが仮説を作る大きなメリットです。
情報収集時間も作業量も劇的に減らせます。でも、考える時間は増やせます。
だから質とスピードが同時に上がるのです。
藤巻幸夫

ブランドには「歴史(ヒストリー)」「信念(フィロソフィー)」「物語(ストーリー)」が必要(P178)

あなたの信念や物語のある歴史そのものが「ブランド」をつくります。

最後に「本当のこと」だけを紙に書く(P189)

他人の視線や他人との比較ではなく、「あなたが本当にがんばることができること」「将来、実現したいこと」「自分の武器」……を、ひとつずつあげてみるのです。
(中略)
手帳やノート、定期入れや財布の中などに、この「目標」や「自分の武器」を書き留めたメモなどをはさんで毎日見てください。
(中略)
これは、自分との“約束”です。
「毎日見て」目標を内面化していきましょう。

*1:確か『ラッキーな人の法則』だったはず

*2:慶應丸ノ内シティキャンパス(MCC)での講演録をオムニバス形式で…共著者とともに収録したものです<著者のひとり、細谷功さんのサイトより>