毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

脳の働きを知って楽しく生きよう☆☆☆☆

実家にいる時、図書館の書棚で見つけて手に取ったもの。ちょっと分厚かったので読めるかな、と思ったが、意外に字が大きかったのと、内容が面白そうだったのでパラパラ読みでもいいや、と思って借りてみた。

先日借りた『セロトニン生活のすすめ』ではドーパミンが暴走すると危険、セロトニンでバランスを取れ、と書いてあったのに、この本の冒頭にはドーパミンを出せばすべて上手く行くような記述が。あれあれ、どっちが本当なんだ。
ただし、この本で扱うのはドーパミンだけではなかった。


著者・志賀一雅さんは医師ではないが、技術系のお仕事をしながら脳波の研究を続け、現在は独立して能力開発のセミナーなどを開かれているそうだ。
この本は、特に“知識のない人にもわかりやすく”というコンセプトで書かれている。

7つのスイッチとは

  1. 「よかった」スイッチ…成功体質
  2. 「ありがとう」スイッチ…幸福感
  3. 「おいしい」の三段活用スイッチ…意欲
  4. 「リラックス」スイッチ…あがり症を克服
  5. 「アルファ脳波」スイッチ…集中力
  6. 「目標達成」スイッチ…楽しく夢を叶える
  7. 「足るを知る」スイッチ…生きがいを見つける

それぞれ、対応する神経回路や神経伝達物質などがあると思うが、わかりやすい本を、という目的のためかなり簡略化されている。脳の仕組みに関する本をたくさん読んでいる人ならこのあたりは物足りないかもしれないが、どうやれば目的を達することができるかをていねいに説明してあるので、わかりやすい。脳科学の本が大好きでかなり読んでいる私でも、「へぇ、こんな風にすればいいんだ」という発見がいくつかあった。一番面白かったのは、「なぜ神社で願い事をするのではなく、感謝した方がいいのか」(興味のある方は下のメモをご覧ください)。これは知識としては知っていたが、脳の働きからきちんと説明できるものだとこの本を読んで初めて知った。

アルファ波についても、とても納得のいく説明がしてあり、一時のアルファ波ブームの理由がわかった気がした。

ひとつひとつの方法はとても簡単で、これならできそうというものばかり。
願望実現の方法もくわしく書かれているので、他の本で読んでやってみたけど結果が出ない、という人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「ああよかった」と思って寝る。「ああよく寝た」と思って起きる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ(内容はかなり要約し、表現に手を加えています。ご了承ください)。

成功するには客観的な条件<主観的な満足(P50)

なかなか成功できない人は、「主観的な思い」から出発せず、世間の評価や金銭的な条件などといった「客観的な条件」をまず考え、追い求めてしまう。

例)仕事を探す時、給料/労働時間/有給などの待遇や福利厚生など、客観的な条件を考える。

成功するためには、客観的な条件を整えるのではなく、まずは主観的な満足の方を高めていくべきだ。
条件反射のようなものなので1週間くらい、毎日「いい会社に入れてよかった」「いい上司に恵まれてよかった」と思い続けること。徐々に満足を感じる神経回路の感度が高くなる。
すると、満足ホルモン(=ドーパミン)が少しずつでも出てくるので、体の調子がよくなって意欲がわいてくる。そして生き生きと働き続けることができるようになる。

満足ホルモン(=ドーパミン)を出す方法(P58)

寝る前に行う。まず布団に入って、大きく深呼吸をする。そして「ああ、よかった」と思ってから眠りにつく。たったそれだけ。

「よかった」が、なぜそれほど効果があるのか。…「よかった」と思うことで、脳が満足し、満足ホルモンであるドーパミンが分泌されるからだ。

ドーパミンが分泌されると起きるいいこと2つ>
1.ドーパミンの作用が寝ている間にくまなく体中に行き渡り、疲れをとってくれる。
2.満足を感じる脳の神経回路の感度が高くなる。
毎晩「よかった」と思うことで、脳の満足神経回路はいつも刺激を受け、強力になっていく。すると、昼間いいことが起きた時、すぐに気づくようになる。

期待感を高めて前向きになる方法(P67)

期待して思った通りになれば、満足度も大きいもの。期待感を高めれば高めるほど、実現した時の満足も大きくなる。
やり方は、夜寝る前の「よかった」に、もう少しだけ言葉をつけ足す。
「今日はよかった。明日はもっとよくなる」
つまり、脳に明日への期待感を植えつけるのだ。

翌朝は、前の晩「明日はもっとよくなる」と期待して寝ているので、朝起きた時「今日もいいことがあるぞ」という思いが自然にわき出てくる。

「よかった」と「ありがとう」を組み合わせる(P88)

「よかった」というのは「喜び」のドーパミン。「ありがとう」というのは「感謝」のドーパミン
このふたつは脳の中で出る場所が違い、「よかった」スイッチが入ってその場所の神経が刺激されると、「ありがとう」スイッチである神経が反応する。
「喜び」と「感謝」の両方の回路がエキサイトしている時、人は最高に満足と幸せを感じる。

「ありがとう」だけでは不十分(P93)

脳のメカニズムからすると、「ありがとう」のスイッチは、先に「よかった」があって作動するのが自然。
そもそも人間の脳は、自分のために動くように作られている。本来は、ひたすら自分の満足や喜びを追求して動く。
「よかった」は自分のため、そして「ありがとう」は人のため。あくまでも「よかった」が先にあり、それから「ありがとう」という順番が、脳のメカニズム上も自然であり、効果も大きいと考えられる。
スイッチを入れる順番を間違えてはいけない。
(中略)
「よかった」は自分自身の喜び。「ありがとう」はそれを表現する言葉。

正しい初詣の方法(P102)

「お願い」ではなく「感謝」を伝えるべき。しかも、その感謝は「旧年1年よかったことばかりでした。ありがとうございます」という祈りと、「今年1年もいいことばかりになります。ありがとうございます」という祈りにするといい。
間違っても、足りないことを並べたててはいけない。「よかった」ことを感謝するのが祈り。
そして大切なのは、これから先の1年を先取りして「よかった」ことにしてしまい、それに対して感謝する、ということ。
野球でも「打てた!」と思うと本当に打てるように、正しい祈りは「よかった」状態をイメージするメンタルトレーニングでもあるのだ。
すると満足回路が刺激されて、喜びと感謝の反応がどんどん出てくるので、将来の「よかった」状態に対する脳と体の準備が整い、よくなる方向に力が発揮される。

アルファ波は神経回路をそろえる指揮者(P156)

ふだんはおのおのの神経回路が独立して動いているようだが…期待感や好奇心、喜びや感謝などの意識が働くと、ばらばらに動いていた神経回路が…そろって一緒に動き出すようなのだ。
そのように信号が共鳴してきれいな波を描いている時が、アルファ波の状態だ。
この波形が表れると、神経回路は一緒に協力して動こうとするので、ある目的に向けて集中することができる。
つまり勉強するにしても仕事をするにしても、アルファ波が出ている方が集中できて、うまくいくことがわかる。
(中略)
期待や喜びを意識すればアルファ波が強く出るので、仕事や勉強の成果を上げたい時も、前向きに期待し、好奇心を持って当たることが大切だ。

「ああ、よかった」でアルファ波が強くなる(P160)

「ああ、よかった」と思ったとたん、神経回路が足並みをそろえるのだろう。あとはこれから自分が叶えたいことや目標を「よかった」のあとにつければ、オーケストラのフル演奏のように脳全体が連動し、目的に向けて動いてくれる。

目覚めたら「ああ、よく寝た」を口グセにする(P164)

朝目覚める時も「ああ、よく寝た」と思いながら起きるようにしよう。満足感にひたって寝て、満足感にひたりながら目覚める。いい気分で1日がスタートすれば、心身の調子もよく、快適な1日が送れる。
(中略)
たとえ睡眠時間が短くても、「短い時間なりによく寝た」と思うようにする。
布団の中で思い切り伸びをして、ゆっくりと息を吐く。すると体がリラックスしてくるので、この時に「ああ、いい気持ち。今日もいいことがあるぞ」と今から始まる1日に期待を込める。
(中略)
夜寝る前の「ああ、よかった」と朝起きた時の「ああ、よく寝た」をセットにして、習慣にしてしまう。

「やらねばならない」のではなく、「やりたい」からやる(P194)

やりとげた満足をイメージして、その満足に近づくためにやりたいことをやっている。そのうちに面白くなって、気がついたら目標達成していた、ということになる。
やりたいことをやっているうちに、どんどんスキルが上達してくるというのが自然な流れ。

上手に脳にインプットする方法(P196)

脳のさまざまな回路が協調して働き、最大のパワーが発揮できるのは、脳波がアルファ波になってリラックスしている時。そういう時に目標設定すれば脳がフル回転し、目標実現に向けてもっとも効率的な動きをしてくれる。

アルファ波が出ていると、手が温かく感じる。
まず床について「ああ、よかった」「ありがとう」と思うと、手がじーんと温かくなってくる。
手が温かく感じられるようになったら、思いつくままに目標達成の喜びを想像する。
(中略)
目標設定を一所懸命にやると「ノルマ」や「執着」になってしまう。あくまでもサラリと、ムキにならずに行うことが大切。
そして目標が実現したところをイメージし、「よかった、よかった」と心から思うこと。
目標設定から「満足」にいたるまでのイメージングは、なるべく短い時間で終わらせる。時間にしてせいぜい5、6秒が目安。
(中略)
大切なのは「満足」すること。思うように「満足感」が想像できない時は、未来のことを現在完了形にするとよい。

「願望」と「目標」の違い(P202)

ひどい目にあった体験を掘り返し、「こんなひどい目にあった。だからこうなりたい」と願うのが「願望」。それに対して太陽と空を見上げ、喜びと感謝を感じている。それが「目標」。
ないものを願う時は、「ない」ということに意識がフォーカスされていく。そうではなく、「ある」状態をイメージする。「願望」を「目標」に置き換える。それが夢を叶える「目標達成スイッチ」だ。