毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

手帳術と言うより仕事の段取り術?☆☆☆

花王の社員を経て、現在は独立された美崎さんの本(この時はまだ社員)。タイトルから手帳術の本かと思うが、中身はちょっと違う。ご本人がイントロダクションで書かれているように、「手帳をどう使うか」という話ではなく、時間に対する考え方や、仕事の進め方を知ることができる本だ。仕事術の本と言ってもいいと思う。

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時間に対する考え方は『1秒もムダに生きない』に少し似ている。移動時間や信号待ちの時間の使い方など、やはり時間に対する意識が高いからこそできるアイデアの数々。それは、時間をただ合理的に使うだけではなく、人とコミュニケーションしたり、広い意味で結果的に生産性が上がる=「結果が出せる」につながるのだ。
プライベートの時間について書かれた章では、まだお子さんが小さい人にとって参考になる話が多い。

 

でも、圧巻なのはやはり仕事の進め方。周囲の人や部下にどう仕事を振るのか、どう段取りするのか、打ち合わせの時にお互い同じ仕事をしないための依頼方法など、なるほど、と思わされるところが多かった。

「やりたい仕事をしていくためにどうすればいいのか」を考えて美崎さんが取った方法は、20代の人には大きなヒントになると思う。
ぜひ、考え方のエッセンスを読んで取り入れてください。

 

難を言えば、美崎さんの本を初めて読む人にとってちょっと不親切な点も。たとえば、「母艦ノート」という言葉が何の解説もなしに出てくるが、これは『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』で紹介されている、出先で取ったメモを貼るための大判のノートのことだ*1
もし文中によくわからない言葉が出てきたら、ネットで検索してみるのをおすすめします。おそらく、以前の本で紹介されているものだと思われます。
私のアクション:「段取り8割」を肝に銘じる*2 
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

手帳の秘密は、考え方の秘密(P13)

実のところ、手帳に秘密があるわけではなく、時間に関する考え方のところに秘密があるのです。…本当に大事なことは、手帳の書き方ではなく、時間に関する考え方の部分を理解し、真似することです。
(中略)
大事なことは、その手帳に書く内容の時間の調整の仕方、スケジューリングの仕方、実際に実行する時の思考方法なのです。

道具を買う私の基準は、今使っているものより「スピードが速くなる」か「質が上がる」か(P35)

仕事はドリブルではなく、パスで回す(P45)

私が気がついたのは、「早く仕事を終えるには、自分がドリブルする時間が長いとダメだ」ということです。
(中略)
「私しかできないから」「自分がやらないと」と思ってやっているうちに、時間はあっという間に経ってしまいます。

作業の性格によって時間のかけ方を変える(P58)

ふだんやっている仕事というのは…まとまった時間が必要なのか、それともバラけても大丈夫なのかを考えれば、有効なスケジュールが設計できるはずです。

「自分に必要な機能は何か」からスタートする(P92)

「美崎さんはなんでこんなに、たくさんのツールを知っているんですか?」とよく言われます。それは、文房具でもアプリでも、自分に必要な機能がないか常に調べているからです。
(中略)
自分に必要な機能がわかっていれば、それを備えたものを探せばいいわけですから、けっこう早めに見つかります。
自分に必要なことを絞り込むことによって、時間を有効に使えるのです。

仕事は段取りが8割(P192)

初めての訪問先に行く時、誰でも事前に場所や行き方を調べると思います。最初にプランを作って進むと、迷わずに目的地に着けます。
仕事ではまっすぐ目的地にたどり着けず、「珍道中」をしがちです。
(中略)
しかし、苦労しそうなところというのは予想がつくものです。
(中略)
自ら予想した上で計画を立て、事前準備をする――。仕事はそこで8割方決まります。むずかしいことではありません。現場を想定し時間軸で考えるようにするのです。

先輩たちから社内でアドバイスをもらうためのコツは「トイレ」(P104)

トイレに立って、席に戻ってきた瞬間をつかまえるのです。

準備には時間をかけた方がいい(P105)

準備にかける時間がもったいないと思うかもしれませんが、結局はその方がスムーズにことが運び、時間を上手に使えるのです。
(中略)
行動する前に実際に考え、できることをすべて押さえておけばムダがなくなるのです。

自分しかできない仕事を探す(P113)

自分しかできない仕事を探し、それをこなせるスキルを身につけると、その仕事は全部自分に回ってくるため、やりたい仕事ができ、しかも社内で自分の価値も高くなります。
その結果として、自分があまりやりたくない仕事を振られなくなるのです。
(中略)
ポイントは、誰もやっていない仕事で、しかもそこに自分が価値を見出せる仕事という点です。

「がんばった自分へのご褒美」ではなく、仕事への準備のためにお金と時間を使う(P139)

「信号待ちの時間」に「仮想エレベータートーク」(P153)

信号待ちしている時に私が意識して行っていることは、「自分がやっている今の仕事を簡単に説明する」というものです。これは、会社の役員など偉い人と話す時をシミュレートしてやっています。
(中略)
隣に役員がいると思って、「今こんなことをやっているんですけど、ここが面白いと思うんです。というのは、ほかと比べて、こういう点がすぐれているからです」など、短い時間でプレゼンします。
信号が青に変わった瞬間に、相手が歩き始めるという想定です。それまでに話が終わらないと、まだちゃんとまとめきれていないということになります。

自分から「遠い人」を真似てみる(P162)

※「遠い人」とは、自分が嫌いな人、苦手な人、価値観が正反対のような人のこと。
自分の価値観と違うことをしている人は、自分のやっていないやり方を知る宝庫と言えるからです。
(中略)
「この人は好きじゃない」「ちょっと苦手な対応だな」と思った人は、その人のどこかひとつを学ぶために、遠目から観察してみましょう。

*1:私の個人的な使い方になりますが、こちらの記事に出ています(キーワード検索:「母艦ノート」)。この本の読書日記の下の記事から読んでください

*2:準備もそこそこに飛び込むタイプなもので…