※文庫版もあります→『太ったんでないのッ!? (新潮文庫)』
9月になってもまだあまり固い本が読めなかったので、『ああ言えばこう食う』に引き続き、壇ふみさんと阿川佐和子さんの往復エッセイを借りてみた。
こちらはデリシャスという雑誌の連載をまとめたもの。さすがはこのお2人、あいかわらずおかしい。
掲載誌を知らないのでよくわからないが、「美食」「グルメ」がテーマなのか。『ああ言えば…』よりも高級な食材やお料理が多い気がする*1。そのせいか「贅沢大好き」なダンフミ嬢の方が全体に勢いがあるような印象を受けた。
とはいえ、お2人の文章はさらに冴え渡る。掛け合い漫才のような話芸(じゃないですね、筆芸か)がとにかくおかしい。
お互いを罵倒し合っているように見えて、きっと仲がいいんだろうなと思う。その安心感がベースにあるので、一見キツいことが書いてあっても罪悪感なく笑える。1冊あっという間に読んでしまったが、「お腹の皮がよじれる」とはこういうものか、と実感できるくらい笑った。
「人は楽しいから笑うんじゃなくて、笑うから楽しくなるのだ」と何度か聞いたことがある。あまり調子がよくない時でも、こんな風にゲラゲラ笑える本は自分を楽しい気持ちにしてくれる貴重な存在だと思う。
むずかしいことは考えたくない、大声で笑いたい気分の時にどうぞ。
関連記事
※ブクログのレビューです→『ああいえばこう食う』