毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

受け継がれる「ノムラの考え」☆☆☆

家族が借りてきた本。野村克也・前楽天監督(以下、野村監督または監督と書きます)と、現在は巨人の2軍でバッテリーコーチをつとめる息子の克則氏の共著だ。
何にでも息子を引っ張り出すまた悪い癖か(失礼)、と思ったが、読んでみると意外に面白かった。タイトルにも納得。なぜなら、克則氏は監督がチームを変わるたびにトレードでそのチームに移籍したため、現役時代仕えた監督は野村監督のみ。つまり、長年にわたって野村監督の薫陶を受けてきた人だからだ。
考えてみれば、この人以上に野村監督の教えを伝えられる人もいないということになる。


それぞれの項目ごとに監督の言葉か、克則氏の言葉か分かれている。対談形式にはなっていないが、おそらく一緒に話をして、文章にされたものと思われる。
その、お互いのかけあいのような部分が面白い。読みながら、へえ、ちゃんと伝わっているんだなと感心することも多かった。克則氏は「選手としては平凡だがコーチとして活躍する」タイプの人かもしれない。


野村監督の話す内容は今までの集大成だ。以前読んだ本で出てきたエピソードも多いので、復習として読めた。その、監督の言葉を選手として聞いていた克則氏の言葉が補足になり、考え方に厚みが出ている。
人を育てるためにも、自分をもっと磨きたい人にとっても役に立ついい本だと思う。
これから野村監督の本を何か読みたい、という方はこれがおすすめです。
私のアクション:未来志向で反省する
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ*1

伸び悩んでいる選手は勝手に自己限定しているもの(P58)

もう一度言うが「努力に即効性なし」なのだ。

自分に足りないものを知る(P59)

「自分には何が足りないのか」。そこをよく理解する客観性と謙虚さを持ってほしい。

しつけの目的は自分で自分を支配する人間を作ることにある(P64)

自分のことを自分でコントロールできて、初めて物事を成すことができるからだ。

単純作業を持続させるにはどうすればいいか(P117)

「テーマを持ってやること」と「考えながらやること」。それが大原則だと思う。
平凡なことを繰り返すことによって、本能的に動けるようになる。すなわち非凡になる。これこそが「練習は“平凡の非凡”」という言葉の意味だ。

未来志向で反省する(P119)

反省とは、過去に向かってやるものではない。未来に向かってやるものだから重要なのだ。反省は、次に向けた大切な「準備」になる。より良い未来のために、いまできることを行う。そういう未来志向で物事を捉えてほしい。
そういう意味でも、準備をするとき、「考える」ことが絶対条件となる。
「思考が人生を決定づける」

「いい結果」とは、どれだけの準備をしたかで決まる(P120)

やるべきことをやらずして、どうしていい結果が出るだろうか。単純明快な原理だ。
プロセス重視、過程主義に徹すること。

決断に必要なのは勇気だけ(P143)

怖くても前に進もうという勇気、覚悟が試される。決断には「良いタイミング」が決め手となる。優柔不断で延ばしたり、早すぎるタイミングになれば失敗する。

戦略と戦術の違い(P166)

「戦略」とは実践していくための計画。
「戦術」とは戦闘に勝つための手段・方法・技術。
戦略と戦術の違いを、私はこう定義している。また、
「戦略」は目に見えない準備。
「戦術」は目に見える準備。
こうも言えるだろう。

運は自分で運ぶもの(P204)

よく「自分は運がない」「運が来るのを待っている」と言う人がいるが、それは見当違いだ。運というものは、九分九厘まで自分で運ぶもの。それが自信。自信を持ってやっているからこそ、運を引きずり込める。そう考えるべきだ。自信を持って生きている人には特徴がある。それは他人をうらやましがったり、ねたんだりしないということ。なぜかというと、「人は人。自分は自分」という真の自尊心があるからだろう。

悔しい思いを持っているだけではダメ(P216)

野村再生工場について)
「そのままでは、また今年も結果は一緒だぞ」と言っている。「お前が変わらなければ、結果も変わるわけがないだろう。まず、自分自身が変われ。頭の中にある固定観念を捨てろ。やり方を変えてみろ」

*1:ここにある言葉はすべて野村監督のものです