毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

すべての経験は、いつか必ず役に立つ☆☆☆☆

ビジネスブックマラソンで紹介されていた本。探書リストに入れてから時間があったのですっかり忘れていたが、この本はあの『プロ論』*1徳間書店が出した本だった。
どおりで、面白いはずだ。
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら


この本は、すべて現役プロフェッショナルへのインタビューをまとめたものだ。表紙に職業と年齢が書いてあるが、見ただけですごい。70、80は当たり前、一番上は103歳の声楽家だ。

読んでみると、これだけ長く現役を続けてきた人の中にも2種類あることがわかる。
はじめからその仕事が好きで、ずっとやり続けてきた人と、特に思い入れがあるわけでもなくやり始めたら長くなった、という人だ。
実は、最初に登場するやなせたかしさんは後者だそうだ。“「学校の成績も悪いし、漫画でも描くしかないかな」という程度の理由で、熱烈に漫画家になりたいと思っていたわけではない”という。
これは、「小さい頃からなりたいものが決まっていた人に比べたら不利」と感じている人にとって励みになるのではないだろうか。


いろんな世界で長く現役を続けてきた人たちなので、ひとりひとりの言葉が深く、重みがある。それぞれの真実がある。
ただ、共通するのは「経験は何でもしておいた方がいい。あとで必ず役に立つ」ということだった。


この本には続編『最高齢プロフェッショナルの条件』も出ているので、読んでみよう。
まだまだ人生捨てたものじゃない、と不思議と目の前が明るくなる本。
目先のことで精一杯、近視的な生き方になっている人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:いつも心に20%の余裕を持つ

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
■漫画家 やなせたかしさん

何でもやっておくといい(P15)

…「こんな仕事、自分のやる仕事じゃない」なんて言わずに、何でもやっておくといい。その経験はすぐに役立つものではないかもしれないけれど、すべて自分の血や肉になっている。5年後、10年後、20年後に「あの時の経験が、今、生きているんだな」と思える時がやってきます。

失敗も役に立つ(P24)

一生懸命やったことなら、たとえ失敗体験だったとしても、後になって全部役立ちます。苦しい時は実感がわかないかもしれないけれど、人生そういうものなんですよ。

工夫して面白くする(P25)

…「この仕事は向かない」「この仕事は不満だ」と言って、熱を入れずずっとウロウロしていたら、一生そのままで終わってしまいます。つまらないなら、「どうすれば面白くなるか」と考えて、自分で工夫すれば面白くなるの。
パイロット 高橋淳さん

心に余裕を持つことも大切(P34)

…常に80%の力でフライトして、20%を余力としてとっておくということです。さもないと、緊急のトラブルが起こった時に、あっさりパニックになる。判断力と決断力も失われてしまいます。

せっかく生まれてきたんだから、死ぬまで進歩したい(P42)

だから、毎日、毎回反省しています。フライトから帰ってくると、「今のフライトはこうした方がよかった」と細かいところまで反省します。今日もよく飛んだ、楽しかったというだけで家に帰ったらダメです。
■ギター職人 矢入一男さん

人の役になんて、立たんでもいいやん(P52)

それよりも、人に絶対迷惑をかけんこと、面白いことをする方が先です。

心の満足感というものは(P56)

自分しか持っていない、オンリーワンの何かでしか得られません。
■喫茶店店主 関口一郎さん(銀座カフェ・ド・ランブル)

知りたいことがあるなら自分で「体験」してみればいい(P68)

自分で体験して見つけたことなら「こうするのが一番いい」と自信を持って言えるでしょ。それは大事なことだよね。
■落語家 桂米丸さん

売れている人の真似をする(P94)

…師匠も「売れている人の真似をしなさい」と言いました。高座はもちろん、身なりも人格も生活態度も真似しなさい、とにかく売れなきゃしょうがない、と言う師匠だったんです。そうすれば自然とゆとりができる。噺にも脂がのってくる。何事も楽しくなる。

スランプの時は自分に暗示をかける(P99)

きっと大丈夫だって、自分に言い聞かせています。顔を上げて、「いいことある、いいことある」ってさ。すると、陰気にならないんですね。それでダメなら、外へ出て陽を浴びるといい。植物だって、それで元気になります。
ライフセーバー 本間錦一さん

自信を持つためには、自分に克つこと(P112)

そして、他人をうらやましがる前に、自分で努力すること。
スキーヤー 高橋巌夫さん

元気がない時は、「読む・書く・聴く・動く」(P137)

とにかく、頭も身体も、全部をいっぱいに使って生きてみるといい。
■ピアニスト 室井摩耶子さん

足りないものの正体を知るには、いろいろ試してぶつかるしかない(P135)

「こうしたらどうだろう」と思いついたことを、何でもやってみるのです。…すぐにでもその答えにたどり着きたくなるものだけど、焦らなくても大丈夫。「あれも違った、これも違った」とぶつかって至った経験は、決して無駄にはなりません。

体験は“ズダ袋”に入れておく(P136)

私自身、ドイツ留学で教わったこと、演奏会で心を揺さぶられたことなどを何でも“音楽のズダ袋”の中に入れています。それで必要な時に、ズダ袋をかき分けて取り出しているんです。
(中略)
成長を支えてくれるのが、いろんな経験や体験です。だから思いついたことは何でも試してみて、すべてを“体験のズダ袋”に蓄えておくといいのです。

成長は20代で止まるものではない(P140)

30歳になっても、40歳になっても、90歳になっても、「昨日より、もっといいものを生み出したい」という気持ちを持ち続ければ、死ぬまでずっと成長することができるのですもの。
■花火職人 小口昭三さん

人付き合いの極意(P149)

人の話をよく聞く。質問されたら丁寧に答える。僕の知っている限りのことは話す。そうやっていると、お酒を飲まなくても、いろんな人にかわいがってもらえるようになりました。
■DJ 安藤延夫さん

細かい計画を立てなかったから成功した(P177)

その世界のことをあまり知らない時期に考えた計画なんて、実はちっぽけなんですよ。やっていくうちに、こういう可能性もある、ああしたら面白いんじゃないかと少しずつ広げていけばいい。そうすれば、スタートした時の自分では思いつくことができなかったことが考えられるようになります。
バーテンダー 山崎達郎さん

すべての物事は、原因と結果で成り立っている(P196)

…現在、自分が辛い状況にあるのは、世の中のせいではありません。過去に自分がしてきたことの結果に過ぎないんです。

「明日は、きっとよくなる」と考える(P198)

毎日毎日「きっとよくなる」と考え、今できることを精一杯やることが大事なんです。そうすれば、物事は必ずいい方向へ向かっていきます。
■JRA騎手 安藤光彰さん

すごい騎手は「独りでいられる強さ」を持っている(P212)

どうすればその強さを持てるかというと、まずは自分の意志を持つことから始まるんじゃないかな。「何食べたい?」と聞かれて「何でもいい」じゃダメ。「あれが食べたい」と言えること。

大切なのは、失敗してもクヨクヨ考えないこと(P213)

どこが悪かったのか反省したら、あとは次にどうするかを考えればいいんです。休むことがあってもいい。ずっと走り続ける人間なんていないんですから。