毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「知っている誰か」に向けて、届ける☆☆☆☆

家族の借りてきた本。「“たった1人”を振り向かせる、ああ、よくあるやり方ね。」と思って読んだが、単なるセグメンテーション分析ではなかった。
これから主流になるマーケティングかもしれない。



著者・阪本啓一さんは、マーケティングブランディングの専門家。株式会社JOYWOWという、なかなか面白そうな会社をされていて、その熱い経営理念はこの本でも随所に出てくる。

テーマは新しいマーケティング(P9)。
(中略)
内容は、「たったひとりに集中しよう」というマーケティングアプローチ(P10)。


個人で仕事をしている時、一応「ターゲットを絞れ」とか、そういうマーケティングとかブランディングのレクチャーは受けた。
来てほしい顧客をたとえば「30代・独身女性」とするだけではなく、具体的な年齢や今いるポジション、どんな生活をしていて、何が悩みで、どんなことを求めているのかを考えなさい、と言われた。
でも、著者が提案する「フォーカスマーケティング」はそれとは違う。「実際の、生身の人間に向けて行う」ものだからだ。

「たった1人」にフォーカスする新しいマーケティングは、現実に目の前(PCやスマートフォンのスクリーンの向こう側)にいる1人に集中しよう、というものであり、「生身の人間」に焦点を当てる。架空のペルソナではない。

これを、「フォーカスマーケティング」と呼ぼう(P204)。

わかりやすい例が文中に出てくる。北海道のある若手の集まりで、イベントを企画した。それを「30代女性」ではなく、集まりに参加していたある女性が、一番気に入るであろう企画をみんなで考えたそうだ。その結果、本人が気に入っただけではなく、あとで聞いた他の女性たちも「私も行きたい!」という声が続出したそうだ。

架空の誰か、では届かないのだ。目の前にいる、誰か。もしくは目の前にはいなくても、リアルに感じられる誰か。その人に向けて考えたり、書いたり、提案することで、血の通ったものになるのだろう。


具体的な内容はこんな感じ。

時間がない人のための手っ取り早いTODOダイジェスト6(P13)

  1. 自分の会社をつぶすにはどうすればいいのか考えよう*1
  2. 「たった1人」に集中しよう
  3. 感染(うつ)すんです
  4. FACE(看板商品でも看板娘でも)をつくろう
  5. ソーシャルメディアも「たった1人」のために
  6. アナログ力を鍛えよう

個人的に、「アナログ力を鍛える」というのが説得力があった。人と人の交流がこれからのカギになるのだ。それには、時間も労力もつぎ込まなければならないそうだ。

「差別化」が必要な職業、特に個人でやっている人には参考になる本です。
私のアクション:「具体的な誰か」を想定してブログを書く


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「会社をつぶすには?」を問う=「コア・アイデアが広まりやすいか?」を考える(P43)

・ひと言でいえる=シンプル
・伝えた相手が何らかの得をする(賞賛を得られる、尊敬される、モテるなど)
・つい伝えたくなる面白さ(JOY喜び+WOW感動+LOVE愛+FUN楽しさ)が含まれている

マーケティングの本質はアイデアを広めること(P45)

伝えたいアイデアを、伝わったら喜ぶ人に伝える。喜ばない人に伝える必要はないし、必要ないアイデアをもらっても迷惑なだけ。
(中略)
マーケティングの第一歩が、「コア・アイデア(自分のビジネスを成り立たせているアイデア)が何かを知り、伝わりやすいようにすること」。

ウソはバレる(P67)

バーチャルワールド(仮想世界)が発達すればするほど、「人としての正直さ」「誠実さ」「利他の精神」が尊重される。ウソはバレる。だからこそ、マーケティングも、同じ要素が必要になる。

喜んでいる自分にお金を払う(P71)

製品・サービスではなく、「喜び」こそが商品なのであり、ぼくたちは喜び、さらに「喜んでいる自分」にお金を払うのである。

「それが顧客である私の喜びにつながるかどうか」が重要(P118)

喜びにつながれば顧客は自分のためにお金を払うが、「苦労はわかる。でも、ちっとも私の喜びにはつながらない」場合には、まったく効果がない。

マーケティングの目的は(P154)

・「伝えたい」=提供価値(コア・アイデア)を伝えられるのか?
・「また来てほしい」=リピート客になってくれるか?
・「広めたい」=感染(うつ)すことに役立つか?

ソーシャルメディアを使う目的はブランドを広めるため(P158)

ブログを「本店」として発信し、FacebookTwitterで拡散、感染させるのだ。

ソーシャルのコツは「情熱と手間ひまかける」(P159)

そりゃ時間かかるよ。でもね、手離れを悪くすることが、「あ、この人(君のこと)は、きちんと全員のコメントを読んでくれるし、レスを返してくれる人なんだ」という印象を手にすることになる。

ソーシャルメディアで発信するコツ(P161)

主語(私は)が明確であること。
(中略)
ややもすると、匿名になってしまう。これではいつまで経っても…「Me-media」にならない。

「2回目の真実」とは(P181)

店に行って、気に入る。
再訪する。

再訪すると、人は「前回訪問した時と同じ点」を探し、満足する。
ところが、「同じ」だけでは満足しない。「何か新しい喜び」がほしい。
「何か新しい喜び」と出会えなければ、1回目の時が90点だったとしても、2回目は80点になってしまう。自然減するのが、人間心理だ。

「お礼のハガキ」は予定が決まった時点で用意する(P190)

予定が決まったその段階で、お礼のハガキを準備するのだ。住所も宛名もわかっているから書いて切手を貼っておく。役職は万が一、変わっている可能性があるので、書かない。スペースを空けておく。
訪問当日、ミーティングが終わったら、その日のうちにお礼の本文を書いて最寄りのポストに投函する。

*1:補足:ここを押さえれば息の根が止まるポイントを探る=それが「コア・アイデア