先日たまたま何かで著書『毎日トクしている人の秘密』が売れていることを知り、そういえば先生の著書を読んだことがないのに気づいた。
上の本は予約したが長い順番待ち状態で、ほかにすぐ読めるものはないか、と探してヒットしたのがこの本。
桜井章一さんの本も何冊か読んで面白かったので、この組み合わせはぜひ読まねば、と思って借りてみた。
◆目次◆
まえがき 名越康文
I 未知の力を開く!
II 生命力を強くする
III 見えない道の歩き方
あとがき 桜井章一
対談なのかな、と思ったらそうではなかった。不思議な病名(アウトロー症候群、嫌ルール症、期待病など)に沿って桜井さんの文章があり、その後にそれを分析した名越先生の文章が続く。ふたつの文章でワンセットになっている。
これがなかなか面白い。桜井さんの文章は感覚的というか、ちょっとつかみどころのない文章なので*1、読んでも内容が身についていない感じだったのが、第三者・名越先生の分析があることで、整理されてきちんと受け取れるのだ。別の視点からの解説があると、こんなにわかりやすいのか、と驚いた。
そうすると、今まで読んだ何冊かの本の言葉も立体的にわかってくる。
また、今までは知らなかった*2子ども時代の話や自然との関わり方、そしてお母様の話などを知ることで、だからこんな人ができあがったのか、と深く納得できた。
桜井さんはロンドンオリンピック・女子卓球で銀メダルを獲得した平野選手を指導したことでも知られる。運の流れを読む眼力や負けない心の強さは、努力や鍛錬とは違うやり方でしか身につかないのだろう。
桜井さんの本をまだ読んだことがない、という方はこの本から読むのがおすすめです。私のように読んだけどあまりよくわかっていない、という方もどうぞ。
私のアクション:五感を磨く
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読書日記:『運に選ばれる人 選ばれない人』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
勝利を求めて戦っていたわけではない(P19)
確かに、やるからには勝たなければならないが、こちらから何かを仕掛けたことはない。ただ相手が自滅していったのだ。
欲望は決して満たされることはない(P19)
欲望の量が増えれば増えるほど、その人は幸福な状況から離れていく。
「待つ」ことで五感を磨く(名越)(P48)
まだその感覚がやってきていないのに待ちきれずに自分の中でイメージをつくりあげたり、感じたフリをしないでもう少しだけ待つ。そこで何かが自発的に起こってきたら、それがたとえ曖昧なものでも、ちゃんととらえる。
キレイごとだけで生きていく(P112)
良心を貫くのは難しい局面もあるかもしれない。でもそんな時こそ心の中の悪魔が発する声、邪心に負けてはならないのだ。そのためには心を強くしなければいけない。心が強ければ自分が不利な時でも汚いことをせずに済む。
“汚れた部分”は直さずに「収める」(P135)
私は自分の中に感じる汚れた部分を直すことはしない。…どうしているのかというと「収める」ようにしているのだ。「ちょっとこの部分は気になるから収めとこうか」という感じである。
名越先生の大人の定義(P138)
自分の身に降りかかってきたことを腐らず、人のせいにもせずに対応し、そうやって生きていこうと決心できている人。
運を感じる(P161)
運は天に祈ればやってくるものではない。…刻々と変化する運の流れを感じなければ、運はまずやってこない。
流れを感じるには、その瞬間、瞬間に感じる力が必要だ。瞬間で感じ、素早く動くことを心がけていけば、運の流れもきっと見つかるはずだ。
予測と違うことが起こった時、その結果を身体のどこかで感じていたのではないか、と探ってみる(名越)(P162)
僕は自分が感じていたものと現実に起こったことにズレを感じた時、そのズレが生じた原因や分岐点はどこなのか、ふっと直感的に思い巡らしてみるようにしています。そうやって感覚を鍛えていくのです。
恐怖に対してじっとしていてはいけない(P188)
動いていれば恐怖が薄らぐ。忙しいとほかのことは考えられなくなる。それと同じなのだ。そして後は恐怖に慣れていく。