続編(?)とはずいぶん色合いが違うが、こちらもなかなか実践的で面白い本だった。
◆目次◆
I 知的好奇心のすすめ
II 私の読書論
III 私の書斎・仕事場論
IV ぼくはこんな本を読んできた
V 私の読書日記
副題は「立花式読書論、読書術、書斎論」。講演や雑誌の記事をまとめたものなので、少々雑多な感じは残る。ただ、ネコビル(立花さんの事務所である地下1階・地上3階のビルの通称)のできる経緯や見取り図が妹尾河童さんの手でまとめられたもの、新たに秘書を募集し・選考した顛末などは単純に読んで面白かった。
書斎論はものすごい数の蔵書をネコビルに詰め込んでいる立花さんなので、あまり一般の人には役に立ちそうではないが、読書論、読書術はやはり学べるところがたくさんある。
立花さんの仕事は、「知らない分野の知識を、一気に専門家に対峙できるところまで身につける」ことの繰り返しだそうだ。なので、その方法を知っていれば新しいこと、未知のことに取り組まなければならない時に役に立つと思う。
本の選び方、買い方、読み方など参考になることが多かった。
また、講演の内容が意外に内容が濃かったり*1、語学の習得方法にちらりと触れてあったり、雑多だからこその面白さもあった。
また、本にまつわる文章として中三当時の作文「僕の読書を顧みる」、文藝春秋社退職時の「退社の弁」*2が載せられているのも興味深い。
後半は『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本』と同様、週刊文春掲載の読書日記がまとめられているが、古いこともあり*3さらっと流して読んだ。装丁や価格、索引の有無など本の作りについて言及しているところがほかの書評にはあまりない点なので面白かった。
I、II、IVだけ読んでも役に立つと思う。本好きな方はぜひ読んで見てください。
私のアクション:語学は期限を決め、集中して取り組む
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読書日記:『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
本はいちどきに購入してしまった方がよい(P67)
独学で一番むずかしいのは、志を持続させることだが、そのためには、前もって相当のお金を使ってしまった方がよい。たいていの人はケチだから、先にお金をかけてしまうと、元手をかけた分くらいは取り返そうと勉強するものだ。
最先端を知るには、専門的な論文まで読む(P167)
普通の人はつい怠けちゃって、その準備作業をやらないから、一番面白いところの手前で止まってしまうんです。少なくとも専門雑誌の論文あたりまでカバーしていないと、最先端に触れることはできないわけですよ。