毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

見方を変えれば幸せがついてくる☆☆☆☆

本田直之さんの『ゆるい生き方』で紹介されていたので読んでみたくなり、図書館で借りてきた。
新書で、手軽に読めるのにいろんな意味で“おいしい本”だった。


◆目次◆
プロローグ 「受付しかしない受付嬢」はもったいない
第1章 企画って何だろう?
第2章 ネガティブ・スイッチを切り替える
第3章 小山薫堂式アイデアのつくり方
第4章 幸せの閾値を下げる
エピローグ 地下鉄日比谷線で出会った二人の話

小山薫堂さんといえば、伝説的番組「料理の鉄人」を手がけた放送作家にして映画「おくりびと」の脚本家、最近ではくまモンの仕掛け人として有名な人だ。
なのに、レストランをプロデュースしていたり東北の大学に新しく学科*1を開いて学科長に就任、各種コンサルティングラジオパーソナリティなどいろいろなことをされているので、肩書きが増え続けていて「本業はどれですか」と聞かれることも多いそうだ。

その、いろんなことを手がける元になっているのが「もったいない」という考え方。
小山さんはとにかく発想の泉みたいな人で、パッとしないプロジェクトなどがあったら頼まれてもいないのに「勝手にテコ入れ」と称して自分ならこうやるのに、と考えているそうだ。この本でも「定額給付金」や「オリンピック招致」のテコ入れ案が書いてある。
この本では、小山さんの素晴らしい発想法がたくさんの実例と共に紹介されているので、クリエイティブな仕事をされている人には役に立つはず。


ただ、もちろんそういう本としても最高なのだが、私が読みたいと思ったきっかけは『ゆるい生き方』に出てきた「幸せの閾値」という言葉だった。

社会に出て数年経った頃、こんな風に考えたことがある。
おいしいものを新たに食べる機会が増えると、だんだん自分の中の「おいしい」の基準が上がってしまう。そうすると、今までおいしいと思って食べていたものが、おいしいゾーンから外れる。それは嫌だ、と思って「おいしいの幅を広げる」にしようと決めた。上限が上がっても、下はそのままにしておきたい。今までおいしかったものをおいしいと思えなくなるのは悲しい。

この本を読んで、「幸せの閾値」というのはほぼこれと同じことだ、とわかった*2

「毎日にいかに幸せを見出すか」を教えてくれる本としても素晴らしい。
日々のささいなことにある喜びに気づけないのもやはり「もったいない」なのだ。

そして企画や発想も

もっと身近な例でいうなら、「今度の日曜日、せっかくの休みなんだから何かしよう」と考えるのも企画です(P44)。

という、毎日を幸せにするために使える。


特に、第4章の“起きてから寝るまで「プチハッピーのミルフィーユ」”から最後まで(P182〜190)の文章は感動的だった。
毎朝読み返すだけで、幸せな1日を過ごせそうだ。


著者は常に前向きで好奇心を失わない、何でも面白がる子どもみたいなところがあると感じた。それがきっと“発想の泉”につながっているのだろう。
読むだけで著者のポジティブが伝染して元気になれる。ネガティブをいかにポジティブに変えるか、著者の考え方は大きなヒントになる。

クリエイティブな仕事の人はもちろんそうでない人も、一読の価値ありです。
私のアクション:プチハッピーを探すクセをつける
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

失敗した時は、チャンスだと思おう(P63)

…「あ、これはチャンスだ」と思いなさい。その失敗をどうフォローするかによって、逆に相手にすごく好印象を与えることができる。
失敗は必ず発生するもの。失敗をチャンスとしてとらえる。これも「ネガティブ・スイッチを切り替える」のひとつ。

ネガティブな感情にとらわれている暇はない(P68)

不毛な、ネガティブな感情に時間を奪われているのは「もったいない」。
たとえば、イヤな気分にとらわれることよって、ごはんがおいしくなくなったら、こんなにもったいないことはない。食べものはその時の気分によって味が変わる。
人生は有限。ごはんだってあと何回食べられるかわからない。それだけでも、ネガティブな感情に駆られている暇なんてないと思う。

制限をチャンスと考える(P174)

制約されるのを嫌だと思えばネガティブにしか働かない。逆に発想マゾとかアイデアマゾみたいな気分に自分を持っていく。締めつけられて「うわあ〜、そんなの無理だ。でも考えなきゃ。う〜、考えられる〜」みたいな気分になれるといい。辛ければ辛いほど、やりがいがあるし、面白い。

「前年比」という考え方をやめる(P180)

これも閾値を上げていく発想。たとえ前年比減でも、赤字でなければいいんじゃないかと思う。「前年が儲かりすぎていたんじゃないの?」と思うだけ。
前年比マイナスだけど赤字にはならないという線を目指して経営努力をする会社があってもいい。すべての会社が大きくすることだけを目的にしなければいけないなんてことはない。
前年の業績と比べることの意味のなさや危うさから自由になるだけで、僕たちはかなり幸せになれる。

成功にも失敗にも、必ず未来へ向かうための理由がある(P197)

日常の小さな失敗を、“無意識のごみ箱”に捨ててしまうのではなく、“もったいないのガラクタ箱”にストックしておくことが大切。

*1:東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科

*2:この本では「意識して下げよう」と説いていました