毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

非常にもったいない1冊☆☆

家族が借りてきた本。
著者・加藤三彦さんはバスケットボールの名門校・能代工業の選手、大学卒業後は社会人と日本代表を経て母校チームの監督に就任。インターハイや国体優勝など、華々しい成績をあげる。元NBA・田臥勇太選手は教え子だそうだ。

この本は「努力はしているのに結果が思うように出ない人」に対して

組織の指導者という立場にいる人だけではなく、個人として間違った努力をしているかもしれない人、成功したい人、結果を出したい人に向けた内容にしています(P2)。

というもの。

面白そうだ、と思って読み始めたものの、読後感はちょっと複雑だった。


◆目次◆
第1章 間違っているかもしれない自分に気づく
第2章 自分を見つめ心を鍛える
第3章 自分自身の器を磨く
第4章 目標までの最短コースを歩く
第5章 組織として強くなる方法

選手としても、指導者としても成功している人だし、現在は大学で准教授として教えているという。きっと貴重なエピソードなどが聞ける、と期待して読み始めたのだが、「誰に向かって書いているんだろう?」と疑問に思うことが何度もあった。
指導者向けの言葉だったり、新社会人(と思われる)向けだったり、かと思えばバスケットボールの選手向けだったり、対象が散漫になっている印象を受けた。だから、読む方もどうもスッキリしない。

これは、編集側の問題なのではないだろうか。こんなタイミングなのだから、「いかに暴力のない指導で結果を出せるか」という話は多くの人が読みたいだろうし、テーマをもう少し絞ってもよかったような気がする。
これでは、バスケに打ち込む10代にとっても、ヒントがほしい指導者にとっても中途半端な内容だろう。
いい素材で旬でもあるのに、料理の仕方が残念、という本だった。天下の新潮社がこれでは、本当にもったいない。


能代工はどんな練習をしていたのか、田臥選手は高校時代どんな選手だったのか、というピンポイント情報を知りたい人にはある程度期待に応えてくれる本だと思うが、もっと興味の範囲が広い人には、立ち読みしてから購入することをお勧めします。
私のアクション:いつチャンスが来てもいいように、しっかりと備える


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

運というのは「備えがチャンスに出会うこと」(P27)

田臥勇太からのメッセージ(P51)

「なにがやりたいかを明確にしたら、あまり考えすぎず挑戦してほしい。もし失敗しても必ず経験として自分の糧になるはずです」

剣道の先生から教わった「大強速軽」(P64)

「大」は相手を見下ろす大きな戦略。
「強」は当たりを強くすること。
「速」はスピードの大切さ。
「軽」は軽やかさ、リズムのよさ。
この4つが剣道、武術の極意。

美しい勝ち方にこだわる(P117)

ただ勝てばいいというところから、最後の1分1秒まですべての力を出し切る「美しい勝ち方」を目指すレベルへ

レベルが高い人材を育てるには(P141)

「今のレベルはここ。でも勝つレベルはここ」
全員に現在のチーム力と、目標とするチーム力のレベルの差をはっきり提示する。
これだけ差があるならどうすればいいのか。もっとチームとして上に行くには何が必要なのかを考えるようになる。

練習時間の長さとチーム力アップは比例しない(P184)

大切なのは、オンとオフの切り替えを上手にコントロールすること