毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

お帰りなさい、村上さん☆☆☆☆☆

村上春樹ファンであることはここで何度も書いているが、実は新刊を買わなくなって久しい。記憶によれば、たぶん最後に買ったのは『スプートニクの恋人』(1999)だと思う*1
だから実は『1Q84*2もまだ読んでない*3。理由は、「いつまでも文学少女じゃないんだから」という環境の変化とか、優先順位を変えざるを得ないとか、まあそういうことです。

そんな私が発売日に村上さんの新作を買ったのは、いろんな巡り合わせで発売日に紀伊国屋梅田本店に行く用事があったから。
それと、何となく“この本は私が好きな方の村上作品だ”と思ったから。まったくのカン。
幸いなことに、それは当たっていた。



紀伊国屋に行くと、入口に山積み&入口の壁にでかでかと「発売」の案内が。店内にもワゴンがあって、すごい勢いで人が手に取ってレジへ。
まるでスーパーの「広告の品」のようにハードカバーが売れていくのを初めて見た。


小説の筋についてあれこれ書くのはマイナスだと思うのでここには書かない。
たまたま昨日夕方のニュースで見た、文藝春秋の担当編集者のことば*4
「村上さんファンの方は、1行読めばわかります」
の通り、確かにわかりやすい村上ワールドだ。
ストイックな主人公、時間が行ったり来たりする展開、鍵となる音楽、主人公を導く魅力的な女性、こちらの世界とあちらの世界。

「私が好きな方の村上作品」というのは、心象風景が多く、人と人の間の物語。ものすごいスピードで話が進んだり、暴力的なものが生々しく書かれているのは個人的に苦手なのだ*5


そして、この小説は“癒しの物語”なのだと思う。河合隼雄さんが対談で夢を見ないという村上さんに
「村上さんは見ないでしょう。小説を書いてるから」
という意味合いのことを言われていたが、それが「ものがたり」「おはなし」の役目なのだ。それが書けない人たちは夢を見る。
おそらく書きながら村上さんご自身も癒されたのではないだろうか。私の中の何かも確実に癒されたように思う。
はじめはすごい勢いで読んでしまうが*6、あとからゆっくり読み返すのも楽しみ。
何度読んでも村上さんの小説は飽きない。噛めば噛むほど味が濃くなるような気がするのも村上さん作品の特徴だ。


村上さんの本をこれから読みたい、という人はこの本から入るのもよさそう。
とはいっても、村上ファンが100人いれば薦める本は100通りありそうですが。
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読書日記:『村上春樹、河合隼雄に会いにいく 』
読書日記:『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』
読書日記:『走ることについて語るときに僕の語ること』
※この本のメモはありません

*1:エッセイというか、村上さんがメールでせっせとお返事をくれる、というタイプの本はその後も買っていたと思いますが

*2:リンクしてあるのはBOOK1です

*3:こちらは文庫を買おうと思っているんですが、まだ手が回っていない状態です

*4:すみません、うろ覚えなので表現は正確ではありません

*5:もちろん、この作品にもある種の暴力性は出てきますが

*6:先が早く読みたくて本を下に置く間もなし