毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

バフェットの言葉から学ぶ「投資の原則」☆☆☆

長年にわたり高い利益を上げ続ける世界的投資家、ウォーレン・バフェット。彼の公認している伝記は『スノーボール (上) ウォーレン・バフェット伝』『スノーボール (下) ウォーレン・バフェット伝』しかない、と発売当初話題になった。もちろん人気も高くて図書館ではなかなか読めない。
先日読んだ、元メジャーリーガー長谷川滋利氏の『自分管理術―チャンスに勝つ ピンチで負けない (幻冬舎文庫)』でこの本が上がっていたので*1ものは試し、と借りて読んでみた。
なかなか面白かった。


◆目次◆
はじめに
第1章 投資の原則
第2章 仕事の原則
第3章 経営の原則
第4章 人生の原則
第5章 交友の原則
第6章 家庭の原則
謝辞
訳者あとがき
出典一覧

この本は「スピークス・シリーズ」として出版されており、バフェットのさまざまな発言をまとめたものだ。時系列ではなく、テーマに沿って分けられているので読みやすい。巻末には分厚い出典一覧のページがあり、学術論文のようだ。
『スノーボール(上・下)』は唯一公認の伝記、と話題になったが、この本もきちんとバフェットの承諾を得ており、家族へのインタビューも多数行っていて、信頼性は高い。

当然のことながら、本の約半分が第1章「投資の原則」だ。
自分が理解できる銘柄に絞り*2、長年保有し続けるというのがバフェットのやり方だが、その考え方を詳しく知ることができる。
ベンジャミン・グレアムの考え方がバフェットの方針をほとんど形作ったこともよくわかるし、投資する企業を選ぶ時の一貫性は読んでいて爽快感を感じるほどだ。

また、仕事のパートナーとの関係や、仕事に関する考え方も興味深い。好きなことをわかり合える仲間と好きな場所で取り組むこと*3が、彼の能力を最大限に引き出しているのだろう。


自分の秘密 才能を自分で見つける方法』で、バフェットは「ない人」として分類されていたので、その裏付け情報が欲しかったのも読んでみた理由のひとつだが、この本では残念ながらあまりよくわからなかった*4

好きなことを仕事にするメリットや、明るくユーモアを持つ性格がもたらすたくさんの恩恵を感じた。
株式投資に興味のある人しかおそらく手に取らない本だと思うが、バフェットがどんな人なのか知る入門書としておすすめです。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

バフェットが守っている両親の言いつけ(Pvii)

「人のうわさ話をするならよいうわさだけにしなさい。悪いうわさしか思いつかないなら、その人の話をしてはいけません」

「価格とは、何かを買う時に支払うもの。価値とは、何かを買う時に手に入れるものです」(P24)

業績のいい企業の株を買うことは、インフレから資産を守ることにもなる(P31)

中身がわかっている会社に投資する(P35)

※バフェットと2回続けて昼食を共にした、ある証券会社幹部の話2回目の時に「この前のレストランにしましょう」とバフェットがうので、この間行ったばかりだ、と答えた時のバフェットの言葉は
「…なぜわざわざ店を変えるようなリスクを冒すのですか。あの店に行けば、どんなものが出てくるか確実にわかるじゃありませんか」
これがバフェットの株式投資の極意です。要するに、会社の中身がよくわかっていて、勝つ確率がものすごく高いものにしか投資しないというわけです。

今楽しめないものは今後10年でも楽しめない(P128)

「今は惨めだけど、これから10年間は素晴らしいものになる、などと考えて行動してはいけません。あるいは今は稼げないけど、将来的にはその10倍稼げる、などと考えて行動してもいけません。今楽しめないものを、今後10年間に楽しむことができるでしょうか。たぶんそれは無理でしょう」

バフェットが息子に話して聞かせた言葉(P175)

「周囲の人からそれなりの評判を得るには20年かかる。だが、その評判はたった5分で崩れることがある。そのことを頭に入れておけば、今後の生き方が変わるはずだ」

*1:もともとビジネスに興味があったらしく、練習の合間にも投資や株の本・雑誌を読んでいたそうです

*2:ビル・ゲイツとはとても仲がいいが、業務内容が理解できないという理由でIT企業や携帯電話会社には投資していない

*3:バフェットは生地ネブラスカ州オマハからほとんど離れずに一生を送っている。父の仕事の都合でワシントンDCに移り住んだ時は、なじめず彼だけ祖父の家に戻ったそうだ

*4:妻とは長年別居しているが離婚はしておらず、事実婚の女性と一緒に住んでいるという複雑さをどう捉えるかによると思う。この本では両方の女性にインタビューして前向きに解釈している。その後、妻が亡くなったあとに、同居していた女性と結婚しているそうです