先日借りてきた、『もういちど 村上春樹にご用心』。
地元の図書館で『村上春樹にご用心』を検索した時に一緒に表示され、発行年もあとだったので、てっきり続編だと思い込んでいた。
ところが、これは一部を追加変更したもので、かなりの割合で同じ文章が含まれている。
大きな違いは『1Q84』の前かあとか。追加された多くが、『1Q84』に関するものだ。
面白そうだったので読みたかったが、実は『1Q84』未読の私、ネタバレになっていたらもったいない*1。歯を食いしばって読まずに返すことにした。
読み終わったら、改めて借りよう。
なぜこんなことになったかというと、増刷しようかという時に村上さんを取り巻く環境がかなり変わっていて、どうせ刷るならと新しいものと入れ替えた先の本が出版されたのが2007年、その後3年の間に村上さんを取り巻く環境がかなり変わっていて、内田先生が出版後に新たに書いた文章もたまっていたので、増補版を出そう、というのが最初のプランだったという。
ところが、単純に足すと分厚くなりすぎ(=値段も上昇)、かといって新たなものだけでは1冊になるほどの量はない*2。というのがこの形態になった真相だそうだ。
内田先生は音楽のベスト盤にたとえられていた。
…僕としてはとりあえず最初の方の「旧版未収録のテクスト」を何頁が立ち読みされてですね、それからご判断されればいいかと思います。
(中略)
でも、レコードでも、「ベスト盤」が何種類かあるときって、同じ曲がダブって収録されているけれど、このベスト盤にしか入ってない曲もあるからって買うことあるじゃないですか。できれば、そういう太っ腹な態度をお示しいただけると私どもとしてはありがたいです(P2-3)。
選ばれている曲はほとんど同じでも、好きなこの曲が入っているならやっばり買おう、になりますよね(そこまでマニアかどうかによりますが)。
というわけで、買うならご自分の好みをよく考えて選んでください。
『1Q84』好きの読者なら、『もういちど〜』の方がおすすめです。
読めたら、2冊の違いも書きたいと思います。