毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

禅の教えで心穏やかに生きる☆☆☆☆

禅、シンプル生活のすすめ (知的生きかた文庫)
枡野 俊明
三笠書房 (知的生きかた文庫)(2009/06/19)
¥ 600
以前読んだ『禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本』の著者が、他にもたくさん本を書かれているのを知り、図書館で借りてみたのがこの本。
文庫なのにずいぶん待ったが、とても心に響く本だった。


◆目次◆
はじめに
第1章【「今日のあなた」を元気にする30項】 「習慣」をちょっと変えてみる
第2章【生きる「自信」と「勇気」が湧く30項】 ものの「見方」を変えてみる
第3章【迷い・悩みに「答え」をくれる20項】人との「関わり方」を変えてみる
第4章【どんな日も「最高の一日」にする20項】「今」「この瞬間」を変えてみる

サブタイトルは「1日ひとつ、すぐにできる“心の洗い方”」。むずかしいことは何もなく、ちょっと習慣を変えてみるだけ、ちょっとものの見方を変えてみるだけ、のヒントが合計100、紹介されている。
ひとつが2ページなので、気楽に読める。気になるところから読んでみてもいいし、答がほしい時にパッと開いてみる、という使い方もできる。

禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本』ではちょっと息が詰まるような感じもあったが、この本は具合が悪い時のおかゆのように、やさしく滋味あふれている。目的が違う本だから単純には比べられないが、心が弱っている時にはこの本の方がいいと思う。手元に置くなら断然こちらがおすすめです。


禅の精神に感銘を受け、日本に移り住んでシンプルライフを続けているフランス人、ドミニック・ローホーさんの本をこのところ続けて読んだが、そのあとに読んだせいか禅ってこういうものなんだ、ととても深く理解できた気がする。
一度翻訳したもの(言葉の上でも、思考としても)と違い、直接日本語で禅宗のお坊様の教えを読める幸せを感じた。ローホーさんのが偽物、という意味では決してありません。ただ、欧米人が感じる禅のよさと、日本人のそれとはどこか違うのだろう。この本を読んで「ああなるほど、そういう意味か」と深く理解できることが多く、興味深かった。

大きな書店では並んでいると思うので、悩んでいる人や心が疲れている時に一度手に取ってみてください。
私のアクション:「善悪」に分けるのを止めてみる

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読書日記:『禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

お腹から声を出すことで、脳が目覚める(P33)

大きな声を出せば…自分の声がしっかり自分の耳に入ってくる。それにより脳が刺激され、活性化される。僧侶が、朝起きてまずお経をあげるのは、脳を目覚めさせるため。

禅の食事の心得「五観の偈(ごかんのげ)」(P37)

ひとつには、多くの人を思い感謝していただく。
二つには、自分の行いを反省し静かにいただく。
三つには、好き嫌いをせず欲張らず味わっていただく。
四つには、健康な体と心を保つために良薬としていただく。
五つには、円満な人格形成のため合掌していただく。
(中略)
食事は、ただ空腹を満たす行為ではない。大切な修業の時間なのです。

「本来無一物、無一物中無尽蔵」(P41)

人間は生まれながらにして持っているものなど何もない。しかし、誰もが無限大の可能性を秘めている、という言葉。

「簡素」と「質素」は違う(P45)

簡素な生活こそが美しい。それこそが禅の精神。
簡素というのは、無駄なものを削ぎ落としていくこと。本当に必要なものを見極め、それを大切にしていくこと。それは「質素」とはまた違うもの。質素というのは価値の低いもので生活すること。価値と言っても、それは値段だけではなく、そのものに対する思いの深さも含まれる。

お守りは、ご本尊様(仏様)の分身(P105)

そのご本尊様を1年間預かるわけです。つまり、あなたがご本尊様を守らなくてはいけないんですよ。お守りを大切にすることで、あなた自身を大切にすることになるのです。

丁寧な暮らしは、早寝早起きから始まる(P111)

規則正しい生活をしていると、ちょっとした変化にも気づくことができる。自分を変えたいなら、まず自分の変化に「気づく」ことが大切。
昨日できなかったことが今日はできるようになっている。昨日と同じ気持ちには今日はなれない。定点観測をすることで、自分をあるがままに見られる。だから、心と体を丁寧にケアし、磨き上げることができる。

とらわれない、かたよらない、こだわらない(P157)

皆に好かれる必要はない。
あえて嫌われる必要はないけれど、同じようにあえて好かれなくてもかまわない。

物事には白黒つけられないこともある(P159)

ならば無理してはっきりさせるのではなく、中庸でいいじゃないですか。

上手に距離をおく(P163)

物事に執着しない。言葉にも執着しない。人間関係がうまく行かない時も、その関係に執着しないで、少し距離を置いてみる。
それが仏様の知恵。

「わび」「さび」の意味(P173)

山に入って修業している禅僧のもとに、客人が訪ねてきてくれる。
「こんな山奥の何もないところにお招きしてしまい、本当に申し訳ありません」。客人に対してそう詫びる。これが「わび」の語源。
「こんな里から離れた寂しいところに、よく来てくださった」。この「寂しい」場所というのが、「さび」の語源。
つまり「わび・さび」の精神とは、相手に対する思いやりの心を表すもの。

物事を「善悪」で分けない(P193)

「善とも思わず、悪をも思わず」――今、やっていることを善悪で判断しない。呼吸することを「いい」と「悪い」で分けないのと同じ。
呼吸をするように、当たり前のことを当たり前にやっていく。
物事に善悪をつけようとするから、悩みやストレスが生まれるのですよ。