ちょっと気になったので、その1冊目であるこの本を借りてみた。
こちらはなかなか面白かった。
◆目次◆
まえがき
第一回 レオナルド・ダヴィンチ
第二回 ダヴィンチの「先生」ヤン・ファン・エイク
第三回 ルネサンスの創始者マザッチョ
第四回 破壊僧でも創造者だったリッピ
第五回 ルネサンスそのものだったボッティチェリ
第六回 史上最高の画家か?ラファエロ
第七回 ドイツ・ルネサンスのデューラー
第八回 初めて絵筆で「詩」を画いたジョルジョーネ
第九回 史上三名人の一人、ティツィアーノ
番 外 マニエリスムの画家たち
第十回 ティントレットとヴェネローゼ
第十一回 五百年前にSFを画いたボス
第十二回 フランドル・ルネサンスの巨人、ブリューゲル
第十三回 すべてがギリシャ風、エル・グレコ
第十四回 折衷か先駆者か?カラッチ一族
あとがき
画家のこの一枚が見られる美術館リスト
目次を見てわかる通り、そうそうたる画家の名前が並ぶ。やはり時代背景と地理に根ざした解説だが、時代もエリアも狭い印象派と違い、オーソドックスな宗教画からルネサンスへ、さらに新しい絵画へという大きな流れはとてもわかりやすく、巨泉さん独自の解釈もそれなりに納得いくものが多かった*1。
また、ほとんどすべての作品を実際に見ている、というのも強み。やはり体験は実感がこもっていて説得力がある。
ヨーロッパに行く予定は特にないのでメモしなかったが、イタリアやオランダ、スペインなどを旅行する予定なら、美術館や教会の「この絵だけは外せない」「ここはまずこの絵から見る」といったコメントが役に立ちそうだ。
読んでいるだけで本当にイタリアに行きたくなったくらいだ。
本のつくりで少し気になったのは、レイアウトの関係なのか説明と絵が離れていることが多かったのと、絵のページに添えられている文章が、地の文そのままで何のひねりもなかったこと*2。
ハードカバーでお値段もかなりする本なのに、立花隆さんだったら酷評しそうだ。
その点、印象派の本の方はとてもよくできていた。
全体像を把握してから絵を鑑賞したい、という人にはおすすめの本です。
巨泉さんと好みが合うようなら、旅行前のガイドブックの1冊にぜひ。
私のアクション:ヤン・ファン・エイクの絵を実際に見る(日本に来ないかな…)
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読書日記:『知識ゼロからの印象派絵画入門』
※この本のメモはありません