毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「運を引き寄せるために必要な行動」とは☆☆☆☆

運とつきあう 幸せとお金を呼び込む13の方法
マックス・ギュンター
日経BP社(2012/04/19)
¥ 1,575
ビジネスブックマラソンで紹介されていた本。土井さんは運について書かれた本はお好きではないそうだが、この本はひと味違うそうだ。
図書館で借りて読んでみた。
ビジネスブックマラソンの紹介記事はこちら


◆目次◆
エディターズ・ノート
■第一部 支配的な要因
究極の侮辱
誰も話さないこと
■第二部 「幸運なポジション」に立つための法則
第一の方法――「運」と「計画」を区別する
第二の方法――「人の流れ」に飛び込む
第三の方法――「スプーン一杯」のリスクをとる
第四の方法――引き際をわきまえる
第五の方法――運を選ぶ
第六の方法――ジグザグに進む
第七の方法――「迷信」とつきあう
第八の方法――「最悪」を想定する
第九の方法――沈黙を守る
第一〇の方法――教訓にならない教訓
第一一の方法――不公平を受け入れる
第一二の方法――いくつも同時にこなす
第一三の方法――「運命の相手」に出会う
運とつきあう――「一三の方法」の使い方
監訳者あとがき

著者によれば、この方法は多くの成功者を分析することで判明した法則だが、なぜか成功者は、成功する秘訣について聞かれると「勤勉」などのあたりさわりのないことを言うそうだ。
実際にこの方法に則って成功していても、「運やツキを重要視した」という非科学的なことを明らかにしたくないのか、秘訣をオープンにしたくないのか、あるいは無意識にやっていたので成功の理由と気づかないのか、ほとんどの人がこのことを口にしない。
つまり、この本に書かれた内容はある意味「門外不出の秘訣」とも言えるのだ。


法則には全部で13あるが、著者によれば13個すべてを同時にやった人は見たことがないそうだ。状況に応じて、半分くらいを使いこなせれば充分だという。

読んでいて面白かったのが、「これをやることで成功の確率を上げる」ではなく、「これに反する言動をやめることで、失敗のリスクを減らす」という考え方。
自分のふだんの行動と照らし合わせ、逆のことをやっていたら意識してそれをやめるだけでもいいそうだ*1

外に出て人と関わらなきゃいけないし、かといってしゃべりすぎてもいけない。同時にいくつもこなすだけのタフさも要るし、最悪のことも想定しつつ、上手く行った時はさっさと切り上げなければならない。確かに、これらをいくつもやるのは大変だろう。


でも、できそうなことをいくつかやるだけで(または今までやっていた最もダメな行動をやめるだけで)、上手く行く確率を上げることはできる。
基本的な内容は下のメモにまとめています。ご自身の行動と照らし合わせてみて、変えられるところが多そうだと感じたら、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:スプーン1杯分のリスクを取る

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

13の法則

◆第1の方法――「運」と「計画」を区別する
・運の良い人は自分が置かれた状況が運によって大きく左右されることをわきまえ、できるだけ身軽でいて、いざという時に逃げられるよう心がけている。
・運を味方につけたければ、次のように自分に言い聞かせることだ。「これから踏み込もうとしているのはリスクだらけの世界だ。作戦どおりにうまく行くなんていう幻想に惑わされてはいけない。運に勝てるわけはないのだから。きっと起こる不測の事態のために、自分を過信したり気を緩めないよう、できるだけ気持ちを引き締めておかねば。無謀な勝負に出て取り返しのつかないダメージを食らったらアウトだ。流れが悪くなったらすぐ逃げ出せるようにしておくのだ」
・局面ごとに運と計画の重みを見極めることが、人生の分岐点にさしかかった時には重要になる。
大事なのは、運の良し悪しで結果がどれくらい変わるかという大まかな見積もりを立てることである。たとえ見積もりが正確でなくとも必ず役に立つものだ。

◆第2の方法――「人の流れ」に飛び込む
・「人の流れ」に身を置くとは、要するに、多くの人と出会い、つながりを持つということだ。「人の流れ」をただ傍観していてはいけない。飛び込むのだ。

◆第3の方法――「スプーン一杯」のリスクをとる
スーパーボウルの賭けやスロットマシンに硬貨を1、2枚入れてみよう。少額のくじを買うのも良い。大事なのは、リスクを取るという考えに慣れ、分別あるリスクテイカーであることに心地よさを感じるようになることだ。

◆第4の方法――引き際をわきまえる
・ただひとつわかっているのは、幸運が長く続く場合は稀で、すぐに終わってしまう場合の方がずっと多いということだ。だからこそ、ほどほどの利益が得られたらそれでよしとして、深追いしないのが賢明。

◆第5の方法――運を選ぶ
・運の良い人なら、しばらく様子を見て、問題が落ち着くか消え去ってしまうかを見極め、どうやら駄目そうだと思ったら逃げ出してしまう。損は小さいうちに切り捨てる――これが運の良い人の習慣である。運を選ぶ能力があると言い換えてもいい。不運に遭遇したらあきらめてしまうのだ。いったん身軽になって、新たに幸運を探し求めるのである。
・運の良い人は自分の判断が時に間違うことを前提にして生活している。これは「リスクを受け入れる」という習慣のひとつである。「飛び込むにもリスクがともない、立ち去るにもリスクがともなう」とバーナード・バルークは語った。「100%を求めれば身動きが取れなくなってしまう」

◆第6の方法――ジグザグに進む
・長期的な計画を立てるのが悪いといっているわけではないが、あまり杓子定規に考えないほうがいい。計画は将来を見通す上での目安であって法律ではない。思いがけずに幸運が近づいてきたら、躊躇せずに、いさぎよく古い計画を捨てる――。これが運の良い人の態度である。
・…運が回ってきそうなら、自分の思い描いた計画に合わないからといって退けてはいけないということだ。

◆第7の方法――「迷信」とつきあう
・運の良い人は「超自然主義者」である傾向が強い。
運の良い人はこうしてゲームに参加する。神の思し召しや星占いやお守りの御利益が結果に反映されるかどうかは関係ない。重要なのは、何かを信じるという気持ちが私たちを「勝者になれるかもしれないポジション」へと後押ししてくれることだ。
・勝負事で験を担いだりするのは時には有益である。合理的な根拠がないのに決断をしなくてはならない状況では、身動きできない状態から救ってくれる。何かをしなければならない局面で決断を後押ししてくれる。とはいえ、超自然主義に頼るのは、それしか方法がない場合に限られる。…少しでも合理的な判断ができる場面では決して用いてはならない(第11の方法内の説明)。

◆第8の方法――「最悪」を想定する
・アマチュアのギャンブラーは自分に都合の良いカードが出るように願ったり、祈ったりする。これは楽観主義者に他ならない。それに対して、プロは自分に不利なカードが回ってきた時のことを考えながら行動する。
敗者は楽観主義なのだ。

◆第9の方法――沈黙を守る
・この方法の要点は、運の良い人は不必要なおしゃべりを控えるということだ。個人的に微妙な話題には注意を払い、思っていることをそのまま口にしてはいけない。特定の立場に自分を縛りつけてしまうのは得策ではないからだ。
・今日は何も問題がないと思われたひと言が、明日には危険きわまりない発言に変わっているかもしれない。信頼して秘密を打ち明けた親友が敵に回ることもあるだろう。
第9の方法のポイントは、自分の問題や計画や感情について「必要以上にしゃべってはいけない」ということだけだ。話す必要がないのなら、黙っていればいい。

◆第10の方法――教訓にならない教訓
・「教訓にならない教訓」はある現象を間違って一般化してしまうことから導き出される。たとえば、ある出来事が起きた時にはいつもある種の人物が一緒だったという経験から、その種の人物が一緒にいるとその出来事が起きるという一般論を作り上げてしまうのだ。
・たまたま自分が辛い経験をしたからといって、そこから誤った教訓を導き出さないことである。何も教訓が得られない経験だってある。ただ運が悪かったのだと割り切らなければならない。

◆第11の方法――不公平を受け入れる
・私たちがどんなに熱心に論じたところで事実は曲げようがない。人間は決して公平ではない世界の中で生きてきたし、これからも生きていかなければならない。だからこそ、論じるのではなく、事実を受け入れることが幸運への近道なのだ。事実を受け入れずにただ論じてていては、近づいてくるのは不運だけだろう。
・人生を見渡し、あるがまま起こるがままの無秩序と不公平を受け入れるのだ。…遠ざけなければいけないのは、「あらゆる出来事は神の思し召し」という古くさい信念の方である。

◆第12の方法――いくつも同時にこなす
・運の悪い人は、あらかじめ決まった形の運を探そうとする。だから、手にすることができる幸運はひとつ――たとえば新しい仕事――でしかない。対照的に…運の良い人は、自分がどんな形の運を探しているのかわからない。わかっているのは、自分がいろいろな事業に取り組んでいれば、何かしらの幸運が転がり込んでくる可能性が高まるということだ。
・運の良い人はいつだって数多くの事業を同時にこなそうとする。忙しくない人よりも、忙しすぎる人の方が運をつかみやすい。

◆第13の方法――「運命の相手」に出会う
・もしも自分にとって「運命の相手」になるかもしれない人物――出会った瞬間にポジティブなインスピレーションを感じる人――に遭遇したら、そのまま立ち去らせてはいけない。何とかして関係をキープして、その関係がどのように発展するかを見極めるのだ。

運の定義(P11)

あなたの人生に影響を与える出来事であるが、自分で作り出せないもの。

運の良い人はいつもチャンスをつかもうとしている(P120)

あれこれと思い悩む前に直観的に手を伸ばしているのだ。考えるのではなく感じるのである。

運のいい人は忙しい(P202)

幸運な人生へのエントリーを希望するなら、時間配分と目配りに注意を払いながら多くのベンチャーをやりくりしなければならない。常に人の流れに身を置き、もっと速い流れを目指すのである。ひとつのゴールに向かってまっすぐ進むのではない。いろいろな方向からチャンスが転がり込んでくるたびに、その場その場で決断を下し、何らかの行動を取らなければならない。

「13の方法」を思い浮かべながら小説や戯曲の古典を読む(P227)

不幸な結末になる物語は特に注目して読んでほしい。どの方法を実践していたらハッピーエンドになっただろうか。

*1:成功から遠い人ほど、逆のことをたくさんやっているそうです