毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「ワーク」にとどまらない、ノマドな生き方☆☆☆☆

インターネットでたまたま見つけた、本田直之さんの本。
図書館でずいぶん待って、ようやく借りられた。
そんなに分厚くない本だが、内容はとても濃かった。


◆目次◆
Prologue
Chapter 1 なぜ、ノマドライフなのか?
Chapter 2 ノマドライフの実践―ワークとテクノロジー
Chapter 3 ノマドライフの実践―お金と生活
Chapter 4 ノマドライフの実践―思考のトレーニン

サブタイトルは「好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと」。
本田さんはかねてからデュアルライフを提唱し、ご自身はハワイと東京を行き来する生活をされていたが、その発展型が「ノマドライフ」。

著者の考える「ノマドライフ」とは

仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル(P6)

右肩上がりの経済成長がもはや過去のものとなり、今までのライフスタイルや働き方を実践しても幸せになれない時代、より自分らしく、より生産性の高い生き方を模索したときの一つの答え(P7)

ここ数年、働き方に対する考え方は大きく変わってきているが、その答のひとつが「ノマドライフ」かもしれないと感じた。

旧来型のスタンダードにおけるビジネスライフは、ツアー旅行に似ています。移動手段も食事もあらかじめパッケージされているので、特段考えずに旅を楽しめますが、「今日はふらっと気が向いた場所に行きたい」「この街が気に入ったから延泊したい」といった自由はききません。すべてが固定されているから安心なぶん、冒険できないのです(P20)

今までは「安心・安全だから縛られても仕方ない」という生き方を選ぶしかなかった。
でも、これからは安全と冒険の割合などを自分で選んで決める時代が来たのだと思う。


ここで気になるのはやはり収入の問題。
ノマドライフに移行すると、いったん収入は下がるものの、やがて上がってくると著者は言う。

ノマドライフは、続けていくと、ライフスタイルそのものがコンテンツになるからです。ライフスタイルを突き詰めるほどに生活や仕事のスキルが上がり、その上がったスキルからビジネスをクリエイトする能力がつくのです(P30)

ではやってみよう、という人の一番の間違いはいきなり会社を辞めてしまうこと。
本田さんがキャリアをスタートさせてからノマドライフが完成するまでに、実に15年かかっているのだそうだ。
この本では少しずつ無理なく移行するためのフェーズが6段階に分かれていて、どのタイミングで何をするかの目安がわかる。
さらに、生産性と自由度によるマトリックスも掲載されていて、自分が今どこにいて、ノマドライフに移行するにはどうすればいいのかも解説してくれる。
この本は、慌てず焦らず、自分らしい生き方を手に入れるためのパートナーになってくれるのだ。

特に印象に残ったのは4章。ノマドライフというのは生き方なので、大切なのは自分が幸せになるために自分は何を手放せて、何が絶対必要なのかを知ること。それは1人ひとり違うので、自分と向き合って見つけるしかない。
最後の「ノマドライフとは心のあり方である」という言葉は心に響いた。

ノマドライフに移行するために、持ちものを減らしたり、収入の半分で生活してみるなど、著者はさまざまなものをシンプルにすることも勧めている。この辺は、最近続けて読んでいるドミニック・ローホーさんのシンプルシリーズや、禅の本に通じるところが多かった。
いよいよいろんなものを削ぎ落としたくなった。

キャリアや生き方に疑問を感じている人、将来に漠然と不安を感じている人は、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:キャリアの棚卸しをし、結果を出せる方法を考える

関連記事
読書日記:『減らす技術 The Power of LESS』※レオ・バボータ著 
読書日記:『本田式サバイバル・キャリア術』
読書日記:『リーディング3.0』
読書日記:『やらなくてもいい、できなくてもいい。』ノマドライフを実践する四角大輔さんの本


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

ノマドライフまでの6つのフェーズ(P39)

第1フェーズ「ベース構築期」(5年)
仕事、営業、海外生活のノウハウ蓄積
第2フェーズは「方向性の模索期」(3年)
悩み、いろいろ模索。ビジネスの種を蒔く
=未来のベーシックインカムをつくっていく
第3フェーズは、「未来につながる実績を残す時期」(5年)
ノウハウ完成。成果を上げる
=一番ハード。濃密に働いて経営能力を磨く
第4フェーズは、「転換期」(2年)
デュアルライフのリサーチ&ベース構築、人脈づくり
=ライフスタイルのブラッシュアップ
第5フェーズは、「実践期」(5年)
デュアルライフ実践、ノウハウ完成
第6フェーズは、「シェアの時期」
ノウハウを伝えて、仲間を増やす

各フェーズでやるべきことに集中する(P43)

第3フェーズ(未来につながる実績を残す時期)で、「仕事ばかりでライフスタイルがおざなりだ」と、中途半端にワインの勉強などしたら、どっちつかずになってしまっただろう。…私は、フェーズごとにやるべきことに集中した。

時間給の仕事は避ける(P64)

時間給とは時間を切り売りすることであり、どこか特定の場所にいなければならない。今の仕事に縛られるのが嫌なのに、別の仕事で時間と場所に拘束されるのでは元の木阿弥。ノマドワークはますます手の届かないものになる。

人を雇わないためのビジネスの仕組みを考える(P72)

1.テクノロジーの力で、スケジューリングなど秘書的業務をラクにこなす。
2.会計など、苦手なことはアウトソーシングする。
3.大きなプロジェクトは外部とコラボレーションする。

ノマドライフに不可欠なのは「自己責任思考」(P148)

何かあった時、他者に原因を求めてはならない。

不安は、受け入れる。その上で、不安に支配されないために行動する(P171)

好きなもの、あるいは逆にやらないことを明確化し、自分のライフスタイルを明らかにしていくことで、不安が課題に代わり、やるべきことが見えてくる。