もちろんこれも小山さんらしいハッピーな1冊だった。
◆目次◆
序章 つまらない日常を特別な記念日に
第1章 企画の原点は人を幸せにすること
第2章 アイデアのタネは日常の中にある
第3章 「共感」が社会を動かす
第4章 最終目標は人生を楽しくすること
略年譜
あとがきにかえて
『もったいない主義』と、かなり内容はかぶっている。
金谷ホテルの事例や、鈴木家のカレー、誕生日サプライズの話など。
まったく同じではなく、その前後のエピソードなど少し違う話も出てくるので、『もったいない主義』がとても気に入った、という人は読むと面白いと思う。
さらに、小山さんが感動したという『くまモンの秘密』の元になる本のエピソードもよりくわしく読める。
最初は熊本県職員の成尾雅貴さんが作った『もしくま』というお手製の本。それをプレゼントされ、感動した小山さんが何冊か欲しいとお願いし、成尾さんが自費出版で作成。それを小山さんが幻冬舎に持ち込んで…というエピソードが『もったいない主義』で読んだもの。
その、お手製本と自費出版本の写真が見られる上、さらに知事との心温まる新たなエピソードも。
でも、この本の一番のサプライズは成尾さんが50代の方だということだった…*1。
この本はNHK出版から出ている。なぜNHK出版なんだろう、と思っていたら、著者が出演していた「仕事学のすすめ」がきっかけになったのだそうだ。
私が小山さんに改めて興味を持ったきっかけがこの番組だったので*2、ちょっとうれしくなった。
この本のよさは、写真がたくさんあること。なので、写真を見た方がわかる、という人はこの本を、新書が好きな方は『もったいない主義』をおすすめします。
両方読むと、さらに深みがまして面白いですけどね。
私のアクション:「意味のある無駄」を少し増やす
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読書日記:『くまモンの秘密』
読書日記:『もったいない主義』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
靴をキチンと揃えるあの感覚を、他のことにも向けられるようになれば、確実に企画力は養われる(P22)
人に何かをしてあげたいという思いがあるからこそ、そこにハッという気づきがあるわけだ。
ユアハピネス・イズ・マイハピネス=「あなたの幸せが、私の幸せ」(P36)
これは著者が企画を発想する時の原点。
「慮る才能」(P43)
それぞれの世界で何を求められるか、今の仕事に人は何を欲しているのかを「察する」力。それは…サービス精神があるということであり、思いやりがあるということ。
いかに利害関係のないところで人と出会い、つながっておけるかが大切(P78)
「君は宇宙人だ」と自分に言い聞かせて、改めて日常を見回す(P86)
自分が当たり前だと思っているものほど、意識的に先入観をリセットしてみると、実はいろいろな発見があるもの。
例えば、宇宙人としてこの地球に降り立って、はじめて「木」を見たとする。宇宙人からすると「木」がどういうものか、そもそもわからない。その木が風で揺れていても「なぜ揺れているんだろう」と思う。
(中略)
ふだんは「単なる木」として見過ごしていたものにも新たな発見があり、それがアイデアのタネとして何らかのヒントに換わっていく。
一見無駄だと思うものの中にも、実は人生を豊かにするヒントが隠されている(P107)
意味のある無駄を作り、意味のない無駄は削ぎ落とそう。
自分の人生にいかに意味のある無駄を増やせるか。それはやはり、視点や考え方をちょっとだけ変えることで、身の回りにあるタネに気づくことからはじまる。
「究極の企画」とは(P162)
「自分の人生を楽しくすること」
「自分が幸せな気分で生きること」
「人生はいい方に、いい方に進んでいる」(P184)
※著者のお父さんのことば