毎日「ゴキゲン♪」の法則

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涙なしには読めない、金子さんの“遺言”☆☆☆☆

【2015/03/18UP】
昨年10月に、突然この世を去った流通ジャーナリスト・金子哲雄さんが残した本。
テレビで元気な姿しか見ていなかったので、ニュースを聞いた時は本当にショックを受けた。

この本を読んで、また涙。
だが、「人生を全うする」という意味では、見事な生き方だとも感じた。


◆目次◆
読んでくださる皆様に 金子稚子
プロローグ 突然の宣告
第1章 流通ジャーナリストと名乗って
第2章 昼も夜も時間が足りない
第3章 発病。あふれてしまう涙
第4章 最後の仕事は死の準備
エピローグ 生涯無休
あとがき 「これは、金子が用意した“スタート”です」
 ――夫と併走した500日 金子稚子
会葬礼状

ぽっちゃり体型ではあったものの、趣味で自転車に乗るなどアクティブだった金子さんが体調の異変を感じたのは2011年6月頃だったという。
精密検査を受けた時には、すでに手術が難しいと診断されるほど病巣が広がっていたそうだ。

もちろん、最初はあらゆる手段を講じて治すことを考えていた金子さん。高度先進医療を受けたりもしたそうだが、それでも少しずつ状態は悪化していった。
そこで発想を変え、悔いなく生ききるにはどうすればいいか、を考えるようになった。

  • 仕事が生きがいなので、できるだけ仕事をする
  • 入院せず、最後まで自宅で過ごす
  • 生きてきた記録を残す(それがこの本)
  • 残される奥さんが安心して生きていけるよう、財産などを整理する
  • みんなの記憶に残るような別れ方(=葬儀)をする

どんどん体調が悪化する中、これだけのことをやり遂げてから亡くなった金子さん。自暴自棄になってもおかしくないのに、とても冷静に最期を迎えることは、誰でもできることではないと思う。

 

また、ポイントは「最後まで自宅で」という在宅医療。これは、奥様がお父さんを自宅で看取るという経験があったことと、信頼できる在宅医療チームが自宅近くにあった、という点が大きい。

この本は、金子さんご自身の「遺言」だが、同時に死に直面した時に何ができるか、悔いなく生ききるためにどう考えるかを知るための本であり、見送る側の心の準備を知るためにも読める。

重いテーマだが、自分の人生の終わり方について考えるきっかけになると思う。

私のアクション:奥様の出された『金子哲雄の妻の生き方』を読む
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※この本のメモはありません