はじめはテーマが何なのかよくわからず、ちょっと読みにくかった。
◆目次◆
さすらいのインタビュアー まえがきに代えて
1 芸能界が教えてくれた 沢尻エリカ/蜷川実花/堂本光一
2 永田町には「超人」が棲む 麻生太郎/小沢一郎/野田佳彦/安倍晋三
3 スポーツが世の中を変える 桑田真澄/三浦知良/山田正雄
4 隣国がニッポンを映し出す イアン・ブレマー/ジョン・ルース/胡錫進
5 なぜ被災地にこだわるのか 被災地の人々/半藤一利/クリストファー・ロイド
そしてことばを紡ぐ あとがきに代えて
我が家ではニュースは圧倒的に「ニュースウォッチ9」派だ*1。私は大越さんがワシントン支局長として時々画面に登場されている時から何となく好きだったので、キャスターに就任された時はうれしかった。
その大越さんの本だというので、喜び勇んで読み始めたが、よくわからない。目次にたくさんの著名人の名前が出ているので、インタビューを収録したものかと思ったがそうでもない*2。
タイトルの「向き合う」とは、人と向き合うことのようだ。ジャンルごとにその人たちを取り巻く環境なども含めて書いてある。
ははあ、これは「インタビューを土台に現代を読み解く」的な本なのね、と理解したらようやく頭に入るようになった。
アマゾンのページにある内容紹介(おそらく帯に書かれているもの※図書館の本は帯ははずしてあります)を読めば、全貌がわかる。
NHK夜9時の顔、「ニュースウオッチ9」のキャスターが、政治家、タレント、アスリート、海外の要人、東日本大震災の被災者など、ニュースな人々に迫ったインタビューをめぐる書き下ろしエッセイ。
登場するのは安倍晋三、麻生太郎、小沢一郎、野田佳彦、沢尻エリカ、蜷川実花、堂本光一、桑田真澄、三浦知良、ジョン・ルース(駐日米大使)など、各界の第一線で活躍する著名人と、著者がライフワークと位置づける東日本大震災で被災した市井の人々――。30年近く記者として数多くの人物に取材し、「さすらいのインタビュアー」を自負する著者の“本音を聞きだす"メソッドも随所にちりばめられ、実生活でのコミュニケーションにも応用できる。
今だから話せる裏話も多数収録。これを読めば、ニュースがもっと面白くなる!
だそうだ。
人によって興味のあるものは違うと思うが、意外に面白かったのは日本の政治家がテーマの2章。
うまくサービス精神を刺激して成功した麻生太郎氏のケースと、難攻不落の城・小沢一郎氏のケースが対照的だ。
大越さんのインタビューを見たかどうかはっきり覚えていないが、どちらも「いつものパターン」なのでその姿が想像できるくらいリアルだった。
インタビューのために大越さんが使われている手法も紹介してあるので、ふだん人と接する時の参考になりそう。
私はテレビで「ニュースキャスター」としての姿しか見ていないので、ご自身を「さすらいのインタビュアー」と称されているのは初めて知った。
そんなにインタビューに力を入れられているのなら、なおさらもっと鋭い踏み込み方があったのでは、とやはり本のできが残念。なんだか全体がぼんやりしている印象だ。
ニュース番組の作り方はかなり詳細に出てくるので、ニュースウォッチ9ファンはもちろん、その辺に興味がある人には面白く読めると思います。
私のアクション:初対面の人に会う時は、入念に準備する
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
インタビューには入念な準備が必要(P55)
イメージを形成しておくことはとても重要だ。相手についての最低限の知識を入れ、受け答えを想定しておく。その通りに進行すれば、さらなるつっこみをすればいいし、イメージとは異なる展開になった場合に修正することができるのも、最初のイメージトレーニングがあってこそだ。生き生きしたインタビューには、実は入念な準備が必要なのだ。
東大野球部・特別コーチ就任時の桑田真澄氏のことば(P95)
「僕は、野球が大好きで、楽しくて楽しくてしょうがなくて。その楽しさを彼らにも伝えたいんですよ。それに、勝たないと楽しくない。勝つためにはうまくなくてはならない。うまくなって勝って、本当の楽しさを味わってほしいんです」