毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「コンセプトメーカー」になろう☆☆☆

「差別化するストーリー」の描き方
高橋 宣行
PHP研究所
¥ 1,575

カーリルである本を検索していた時、偶然ヒットした本。地元の図書館にあったので借りてみたところ、なかなか実践的で面白い本だった。


◆目次◆
はじめに
第1章 なぜ、いま「コンセプト」か?
第2章 いい「コンセプト」って、なんだ?
第3章 実践。「コンセプト」のつくり方
第4章 「賢いコンセプトメーカー」になろう
おわりに

著者は元・博報堂政策部長で、著書も多数出されている。
この本はサブタイトルが「コンセプトメーカー養成塾」で、実際に「コンセプト」を作れるようになるのが目的だ。

コンセプトなんて、企画やデザインなど、何か作り出す部署しか関係ないでしょ、と思うが、著者はすべての人に必要なものだという。

 私たちの仕事の大半が問題解決です。「もっと、もっと」と毎日、悩み解決や新しい提案が求められます。その「考える作業」のまん中にあるのが、企画の核、提案の核となるコンセプトです。……毎日のルーティンワークの中でも、つねに新しい視点で「変化させる!」という姿勢を忘れないでください(P54)。

つまり、コンセプトを作り出す能力を身につければ、あらゆる仕事に活かせるのだ。

 

前半には多くのヒット商品の実例*1が紹介されていて、これを読むだけでも面白い。私たちはすでに成功していることを知っているから当たり前だと思うが、新しい価値観を創造するコンセプトがしっかりしていたからこそ売れたのであり、その背景などをわかりやすく著者が解説してくれるので発見が多い。

実際の養成塾は後半に展開されている。著者の長年の経験も踏まえた方法は、実は非常にアナログで地味なものだ。街に出て五感で感じろ、汗をかけ、とくり返している。
一見カッコいい仕事に見えても、実は地道な作業の繰り返しなのだろうな、と感じた。

やさしい赤系統を使った二色刷りで、図はすべて手書きなので、非常に「とっつきやすい」作りの本だと思う。
著者のやり方をそのまま取り入れるかどうかはともかく、読むだけでも勉強になる。
ただ、タイトルの「ストーリー」についてははじめに少し触れた程度。残念ながらストーリーメイキングについて知るにはあまり役に立たないので注意が必要だ。
私のアクション:街で見かけて(感じて)面白いと思ったものをメモしておく

※参考文献が充実していたので、リストを載せておきます
創造と環境 (1969年)』西尾忠久著
フォルクスワーゲンの広告キャンペーン (1963年)』西尾忠久著 
※画像がないためタイトルのみ
トップ・プロデューサーの仕事術 (日経ビジネス人文庫)   アイデアのつくり方   新版 ディズニーリゾートの経済学

スターバックス成功物語   時代を映したキャッチフレーズ事典   ブランド―価値の創造 (岩波新書)

なぜ、伊右衛門は売れたのか。(日経ビジネス人文庫)   コンセプトメイキング 変化の時代の発想法   真クリエイティブ体質

「鳥の目・虫の目」発想読本


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

藤本義一さんの言葉(P116)

「発想は無のところから忽然と沸くなどありえない。今までの蓄積された知識や経験をうまく引き出して、現実のテーマと組み合わせる。この作業が発想です。当たり前だが、人間は知っていることと体験したことしか表現できない」

「アイデアの作り方」byジェームズ・W・ヤング(P117)

1.資料を集める
 1)特殊資料(関連する商品、顧客、市場)
 2)一般的資料(世の中のさまざまな出来事)
2.資料を咀嚼する――集めた資料の意味を探る。関連性を探す
3.発酵させる――組み合わせの可能性を探る。自由に働かせる
4.閃く・訪れる――アイデアの誕生の瞬間。天から降りるのを待つ
5.アイデアチェック――現実に対応させる。具体化し展開してみせる

アナログ的な視点を持とう(P176)

1.顧客の幸せをどう増幅させられるか
2.新しい喜びや楽しみをどう創り出せるか
3.想いやりや優しさをどう織り込むか
4.文化的で上質な刺激をどう組み込むか
5.ホスピタリティをどう提供できるか
6.暮らしの成熟化のために何ができるのか
7.「不」の解消、「快」の創造にどうつなげられるか
8.自らの熱い想いをどうカタチにしていけるか
9.顧客の期待をどう超えられるか

なぜ「自分流の発想法」がベストなのか(P184)

1.現場で誰よりも最先端の情報を手に入れる
2.自分の身体を通すオンリーワンの一次情報
3.五観で感じモノゴトと対話する
4.しだいに独自の見方が確立する
5.肌で感じるから、目線は常に生活者に
6.体験で発想するから、共感性を生む
7.視点が現場で動き、柔軟な発想につながる
8.現場感の強さがリアリティとなる
9.現場の空気に刺激され、新しい発見につながる
10.見て・会って・感じて、自分の想いが生まれる
11.「こうしてあげたい」と気持ちは双方向になる
12.続けることで、自分の発想領域が広がる
13.何よりも借りものでない、オリジナルそのもの

「本質はルールだ」(P188)

1.これで人が喜ぶのか
2.これで人が幸せになるのか
3.これであの人の期待を超えられるのか
4.これで人を感動させられるのか
5.これで「不」を解消してあげられるのか
6.これで「快」を増幅してあげられるのか
7.これでビジネスに貢献できるのか
8.これでビジネスの手助けになるのか
9.これで人から愛され続けるのか

*1:キリン「オールフリー」、三洋電機(当時)「GOPAN」、サントリー伊右衛門」など